ふとしたことで出会い、互いにひかれた政行と幸枝は同棲生活を始めるが、数日後、アパートに帰ると部屋に寝そべる中年男が。腹痛を理由に出ていかないその男との奇妙な共同生活を経た後、さまざまな問題を抱えたふたりは東京の町を転々としていくのだった…。

「赤ちょうちん」は、東京の片隅で居場所を求めさすらう男女の青春物語です。1970年代、いわゆる“同棲時代”の若者たちの生活を生々しく描いています。この作品は、「八月の濡れた砂」の藤田敏八監督が手掛け、当時新人だった秋吉久美子が幸枝役を演じています。彼女の清潔感あふれるヌードシーンも話題となりました。悲しくもひたむきな姿を通じて、時代背景と共に若者たちの生き様を描き出しています。