チェルノブイリ原子力発電所から約4キロに位置する街・プリピャチ。原発事故の後、立入禁止区域「ゾーン」とされ、管理されたゴーストタウンと化している。ニコラウス・ゲイハルター監督は自ら現地に足を踏み入れ、立入禁止区域で生きる人々を記録していく。

「プリピャチ～放射能警戒区域に住む人びと～」は、チェルノブイリ原発事故から12年後の町・プリピャチを描いた作品です。わずか4キロの距離に位置するこの町で、立入禁止区域にも関わらず生き続ける人々の生活をリアルに捉えています。メディアが報じない彼らの複雑な思いや日常が、ナレーションや音楽を排したモノクロ映像を通じて静かに綴られます。視覚的な美しさとともに、人間の生存意志と社会の矛盾を描き出すこの作品は、観る者に深い思索を促します。