1950年の中華人民共和国の都市・ハルピンで、一人の男が自ら命を絶とうとしていた。5年間もソビエト連邦で抑留されていた男の名は、愛新覚羅溥儀。清朝で最後の皇帝をしていた男だった。薄れゆく意識の中で、3歳で清朝皇帝になった自分の運命を振り返っていく。少年時代の愛新覚羅溥儀は、瀕死の西太后から皇帝に指名される。紫禁城からほとんど出られず、同年代の子供との触れ合いもなかった愛新覚羅溥儀。親しくしていた乳母のアーモとも無理やり引き離されてしまった。一体愛新覚羅溥儀は、その後どのような人生を送ってきたのだろうか。

「ラストエンペラー」は、ベルナルド・ベルトルッチ監督による歴史大作で、清朝最後の皇帝・溥儀の人生を描いています。アカデミー賞作品賞を含む9部門を受賞したこの作品は、ヴィットリオ・ストラーロの美しい映像と、坂本龍一らが手掛けた荘厳な音楽が一体となり、観る者をその世界に引き込みます。皇帝としての栄光と挫折、そして人間としての葛藤を描き出したこの作品は、その格調高さで観る者を圧倒します。