大阪の端っこのとある町、高校生による父親の殺人事件が起きる。その数週間前、退屈に満ちたこの町では、高校生たちがまだ何者でもない自分を持て余していた。授業をさぼり幼馴染みの琴子と過ごすえんたちが孤独に押しつぶされていたその夜、事件は起きた…。

「君が世界のはじまり」は、青春時代の甘酸っぱさと切なさを描いた作品です。過ぎ去った日々の思い出を危うく、しかし美しく描き出しています。青春の一瞬一瞬に存在する、ヒリヒリとしたエネルギーを原作者であるふくだももこ監督が見事に表現しています。また、秘密を抱えた主人公の役を松本穂香が繊細に演じており、その演技も見どころの一つです。