積むさおり

結婚5年目を迎えるバツイチ同士の夫婦、さおりと慶介。ある日、さおりはイヌの散歩中に見たことのない穴を発見。風が起こり、音が吸い込まれるような不思議な体験をする。それ以来、彼女は夫が立てる些細な音に敏感になり、ひどい鬱屈を重ねていく。

「積むさおり」は、日常の音が凶器と化し、妻の心を蝕んでいく様子を描いたサスペンス作品です。何気ない日常の音や声が、妻の心を苦しめ、夫婦関係を壊していく過程をリアルに描き出しています。観る者もヒロインと同じ音を聞き、同じ不快感とストレスを体感することで、その臨場感と破壊力は抜群です。妻の葛藤と夫婦関係の崩壊を通じて、人間の心の脆さと強さを描いた作品と言えます。