映画/ドラマ『神様のサイコロ』主演・和田雅成「今までの自分が積み上げてきたものを存分に発揮できた」

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9月に劇場版としての上映、10月からはドラマとしての放送が決定している新感覚サバイバル・マーダー・ミステリー『神様のサイコロ』。

主役を務め、さらには主題歌まで歌い上げた和田雅成さんに、本作の魅力をたくさんお話していただきました。

特別先行劇場版は2024年9月27日(金)から、池袋HUMAXシネマズ(東京)、名古屋センチュリーシネマ(愛知)、シネマート心斎橋(大阪)での限定公開です。

ドラマ版は、BS日テレ、テレビ神奈川、テレビ埼玉、千葉テレビ放送にて、2024年10月9日(水)より毎週水曜日の23:30~24:00に放送されます。なお、10月2日(水)には「神様のサイコロ 放送直前スペシャル番組」が放送される予定です。

『神様のサイコロ』作品紹介

©飯田譲治/キングレコード株式会社

音楽系配信者赤城(和田雅成)は、自身のチャンネル登録者数が全く伸びず悩んでいた。
「何とかしなければ……」と焦っていたとき、かつての仲間であり、今や大人気料理系配信者となった白石(曽野舜太)から「願いを叶える人形」の話を聞く。

それは、アフリカの少数民族に伝わる、魔術の人形「ブアウ」――。
この人形を使って儀式を行えば、どんな願いも叶えられるが、代わりにそれ相応の見返りが要求されるという。不気味さは漂うものの、【赤城】は儀式を決行すべく、かつて配信グループ「ファイブカラーズ」として活動を共にした黒谷(前嶋曜)、青山(櫻井圭登)、緑川(寺坂頼我)、そして【白石】に声をかける。

こうして、奇しくもあの「ファイブカラーズ」が再集結を果たしたのだった。
そこに、ドキュメンタリー番組のディレクターを名乗る謎の女性(兵頭祐香)が突如現れて……

5人の配信者たちと1人の謎の女性、不気味な魔術人形――。
一体、何が起きているのか?誰が仕掛けたのか?何が目的なのか?
次々と降りかかる予想不能な展開に困惑しながらも、彼らは儀式を進めていく――。

『神様のサイコロ』公式サイトより引用

『神様のサイコロ』は起承転結の「転」がたくさんある物語

©飯田譲治/キングレコード株式会社

ー『神様のサイコロ』というのはどのような作品なのでしょうか。

和田雅成さん(以下、和田):黒魔術の儀式を中心に、そこからどんどん物語が展開していく作品です。ミステリーのような要素も入っていて、この作品は「起承転結」の「転」がたくさんある物語なんですよ。

様々な展開に広がっていくので、ドラマ1話1話で「この後どうなっていくんだろう」と続きが気になってしまう、見どころがたくさんある作品になっています。

予告映像はホラーっぽい雰囲気がありますが、ホラーが苦手な方でも見やすいんじゃないかなと思います。僕もホラーは苦手ですがこの作品は見やすかったので(笑)。

本当に色々な要素が入っている作品なんです。ホラー、ミステリーというジャンル的な要素だけではなく、内容としても「追い詰められた人間」がよく描かれているのではないかと思いますね。

ーなるほど。「追い詰められた人間」というのはどういうことなのでしょうか。

和田:「人間っていざとなったらこうなっちゃうよね」っていうような、人間の少し嫌な部分や綺麗じゃない部分が存分に描かれているので、そういうリアルな人間ドラマみたいなところにも注目してほしいです。

ー10月放送のドラマに先駆けて、9月に特別先行劇場版が上映されるというのは珍しいと思いました。

和田:先に映画が上映されて、そのあとドラマを放送するというやり方ってあまりやられないですよね。

映画の方はドラマのダイジェストのようなもので、ドラマの全8話を映画の約2時間にギュッとまとめたという感じだと思います。映画が先に上映されるからといって、ドラマがその続編というわけではないです。

映画を見て分からなかった部分があれば、ドラマで補填できますし、ドラマだけ見るという選択も自由にできます。もちろん映画もドラマも見てほしいですが、映画・ドラマそれぞれの楽しみ方で『神様のサイコロ』を見ていただけたらと思います。

ー和田さんが演じた赤城勇太というキャラクターはどのような人物ですか?

和田:僕の演じた赤城は、かつて配信をしていた「ファイブカラーズ」というグループのリーダーなんですよ。今回黒魔術の儀式をするのはそのファイブカラーズの5人で、赤城はリーダーですが、別にリーダーシップを執れるわけではないんですよね。ファイブカラーズの中で一番無邪気な人物だと思います。

『神様のサイコロ』の飯田譲治監督が、本当に赤城みたいなんですよ。飯田監督は本当に一緒に作品を作っている仲間のことが好きで、この仕事自体も好きでやっているんだろうなということを、撮影中の色々なところで感じました。赤城という人物を演じるためにも、それに気付いてから飯田監督を観察するようにしました(笑)。

ー赤城役を演じてみて、赤城に似ていると感じたところはありましたか?

和田:僕も好きなものは好きって言うタイプなのでそこが似ていると思いました。まず一回やってみようという感じも結構似ていますね。

ー役作りについても教えてください。

和田:僕は事前に自分のなかで6割ほど役作りを済ませて、残りの4割は撮影現場で共演する俳優さん達との会話で完成させていきます。

ある程度は決めて現場に行きますが、結局お芝居中にも役として会話をするので、お話した時の空気感は役作りという点でも重要です。そういう意味では今回の赤城というキャラクターもみんなに作ってもらったんだと思いますね。

ーなるほど。その6割はどのように作っていくのでしょうか。

和田:台本を読むだけでも、自分の色がついていくし、イメージができていくのでそれを6割くらいになるまで繰り返していきます。もし100%全部を自分で作っていってしまうと、変更があったときに、柔軟に対応できなくなってしまいます。

事前に決めておくのは6割にしておくことで、何かが起きても色々なことに対応できるし、撮影中にリアルな反応ができると思います。

舞台俳優ד配信者” 臨場感あふれるドラマ映像

ー撮影現場の雰囲気を教えてください。

和田:今回の現場が初対面という俳優さんも多くいたり、同じ舞台に立っていたけどその当時は絡みがなかった俳優さんもいたりしたのですが、その垣根も越えて仲良くなりました。

それが実際のお芝居にもいい影響を与えてくれたと思いますし、良い雰囲気を作れたと思います。

ー撮影現場で一番印象に残っているエピソードを教えてください。

和田:初日に8時間半早く撮影が終わったことがありましたね(笑)。良く撮れてしまうと「もう今日終わりだわ」っていう感じで、撮影が早めに終わることも多かったような気がします。

舞台を経験している俳優さんが多かったので、撮影の段取りを覚えるのも早かったですし、本番一発目にいいお芝居ができたからこそ、キャラクターたちのリアルな反応を撮れているのではないかと思います。舞台俳優の器用さのようなものを感じましたし、僕にとってもそれは自信になりました。

ーこのドラマはどのくらいの撮影期間だったんですか?

和田:1ヶ月ないくらいですかね。撮影期間としては結構短いですが、カットをせず長い間カメラを回して撮影し続けるような長回しの部分もあったので、普段の作品よりも時間がかからないような印象でした。

ー撮影をしていて大変だったことはありましたか?

和田:毎日泊まり込みで撮影が続いたのは大変でした。ずっと家に帰れない時間が続いていましたが、それでも一緒に撮影をしたメンバーや周りのスタッフさん達に助けられていましたね。

あとは「ファイブカラーズ」の5人はそれぞれ配信者で、黒魔術の様子を配信するために胸の前にスマートフォンをセットしているんですよ。赤城たちが配信している映像が、実際のドラマの映像としても使われています。

自分と対角線上に誰がいるかみたいなこともかなり意識して動きながらお芝居をしなくてはならないのは大変でした。でもそれがリアルさを演出していると思いますし、撮影時間も短縮できましたね。作中で配信されている映像をドラマの映像としても利用するという斬新さが面白いと思います。

主演・和田雅成にとって『神様のサイコロ』とは

ーこの作品のオファーを受けた時、どのような気持ちでしたか?

和田:もちろんうれしかったし、ありがたいと思いました。でもそれ以上に“この作品をやったことによって今後の自分はどうなっていくのか”みたいに、その先のことを考えてしまうんですよね。

撮り終わったあとのオンエアを見て、自分がどんな気持ちになるかということも重要だと思います。

ー今回のドラマが初の単独主演作ということでしたね。

和田:そうですね。単独主演のドラマが初めてということもそうですが、自分で主題歌を歌ったことも初めてなんですよ。だからその両方で視聴者さんの反応を見たいです。

やはり作品を見て、そこから広がりを作ってくれるのはお客様だし、お客様に見てもらって初めて意味があると僕は思っているので、SNSとか色々な広がりを見てからきっと感じるものがあるのではないかと思います。

“初単独主演”の作品ではありますが、だからといって変に特別意識を持っていたわけではないです。いつも通りの役作りで、いつも通りにお芝居ができた作品です。

ー今までに音楽をされた経験はあったのですか?

和田:ドラマのユニットの歌を歌ったり、ミュージカルに出演したりというのはあったんですけど、一人のアーティストとして音楽に向き合うというのは初めてのことでした。生き方が変わったような気がしますね。

ーどのように変わったのですか。

和田:音楽を聞いていても「どういう風にこのメロディーを作ったんだろう」とか考えるようになっちゃいましたね(笑)。

ドラマに出演しはじめたときも同じだったんですよ。そういう仕事脳みたいになって「あの人のお芝居盗んでやろう」と意識してドラマを見ていても疲れてしまうし、そういう時の方が逆に頭に残っていないんです。

何も考えないで純粋に、フラットな気持ちで見ている方が、「あのセリフ刺さったな」みたいにあとから思い出しやすいです。

大きな意味の役作りとして「この表情使えるかも」と思って見ていた時もありましたが、最近はそうでもなくなりました。

ードラマのタイトル『神様のサイコロ』というのはどのような意味なのでしょうか。

和田:人生の比喩表現なんだと思います。例えば今こうしてインタビューを受けてお話しているのも、神様がサイコロを振って出た目が「1」だったからかもしれません。

人生って何をするかによって今後の生き方も変わっていきますよね。そういう運命のようなものを「神様のサイコロ」という言葉で例えているんだと思います。

神様がサイコロを振って「1が出たからこういう生き方をする」「2だったら今違うことをしていたかもしれない」というように、僕たちは神様にサイコロを振られて人生を生きているんだというような感覚です。

ードラマに直接サイコロが出てくるわけではないのですか?

和田:別にサイコロを振るわけじゃないです。最終回を迎えたあとに、「これって神様のサイコロだったんだ」って気づくと思います。僕も視聴者だったら、普通に「なんで『神様のサイコロ』なんだろうな」って思うはずなので、深く考えないと解釈できないような部分は僕たち出演者側が補填しながら発信していきたいですね。

ー主題歌も「Dice」(ダイス)ですよね。

和田:そうですね。ダイスもサイコロという意味です。サイコロは一度振ってしまうと振り直して別の目にすることはできないじゃないですか。

やり直すことはできないけど、その道を進んだ先で過去を振り返ってみてもいいし、その目が出たからこそ、先を見ていかなきゃいけないというような意味も込めて歌いました。

生きてきた今までのことも振り返りつつ、「あの時この目が出たからこうなったのかな」って結構考えました。

©飯田譲治/キングレコード株式会社

※主題歌「Dice」は、各種音楽サービスで配信中です。

ー最後にひとこと、お願いします。

和田:ミステリー好きの人はこの作品にハマると思いますし、ホラーが少し苦手な人も、敬遠せずにまず一回見てほしいです。

僕の「初単独主演」の作品は一生この『神様のサイコロ』で、今までの自分が積み上げてきたものを存分に発揮できた作品でもあるので、そういうところも楽しみに、色々な方が見てくれたらうれしいです。

和田雅成(わだまさなり)プロフィール

1991年9月5日生まれ、大阪出身。主な出演作に、舞台『刀剣乱舞』、舞台「弱虫ペダル」、舞台「おそ松さん on STAGE~SIX MEN’S SHOW TIME~」、ミュージカル『薄桜鬼 志譚』、『家庭教師ヒットマンREBORN』the STAGEなどがある。また、ドラマでは「テレビ演劇 サクセス荘」(テレビ東京)や「REALFAKE」(MBS/TBS)、「あいつが上手で下手が僕で」(日本テレビ)などに出演。

オフィシャルサイト 和田雅成 OFFICAL SITE
X @masanari6

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