桂扇生「やんま久次」～桂扇生独演会　池袋演芸場　2017年

旗本・青木久之進の弟に久次郎という男がいた。次男坊故に身を崩し、背中一面に大やんまの刺青を入れて、“やんま久次”と呼ばれている。ある時、悪い仲間にそそのかされて自分の屋敷へ金をゆすりに向かう。だが剣術の師匠である侍も屋敷に現れて…。

「桂扇生「やんま久次」～桂扇生独演会　池袋演芸場　2017年」は、ベテラン真打・桂扇生が高座に上がり、「やんま久次」という身内の切腹騒動を描いた作品です。物語は、ぐれてしまった旗本の次男坊の荒れた生活を描き出し、その憎々しさを強調しています。さらに、切腹を命じられた後の命乞いの様子や、その後の振る舞いから、次男坊の素の姿が浮かび上がります。この作品は、人間の本質を描き出すことに成功しています。