三遊亭金時「佃祭」～金時寄席　国立演芸場　2016年

神田で小間物問屋を営む次郎兵衛は、楽しみにしていた佃祭の見物に出かける。佃の渡しからその日最後の船に乗ろうとすると、見知らぬ女に引き止められる。女は数年前、吾妻橋から身投げをしようとしていたところを次郎兵衛に助けられ、金をもらったという。

2016年8月3日、国立演芸場で実力派・三遊亭金時が披露した「佃祭」は、江戸の古典落語の一つです。父である四代目三遊亭金馬に入門し、平成10年に真打に昇進した三遊亭金時の高座は、観客を引きつける力があります。「情けは人のためならず」ということわざをテーマにした人情噺で、人間の温かさや優しさを描いています。この作品は、三遊亭金時の深い人間理解と洗練された話術が光る一作と言えるでしょう。