ファン待望のDMMオリジナルドラマ『外道の歌 SEASON2』。「カモメ古書店」を営みながらも裏では復讐代行で暗躍するカモとトラ。
シーズン1から演じ続けてきた役柄や作品の魅力について、カモ(鴨ノ目武)役窪塚洋介さんとトラ(島田虎信)役亀梨和也さんに、インタビューしました。
DMMオリジナル『外道の歌 SEASON2』作品紹介
「・・・この本、おいくらですか?」
この言葉を、ニーチェの著書『善悪の彼岸』と共に言う者は決まって復讐依頼者。
小さな古書店「カモメ古書店」を営む2人の男、カモとトラ。
過去に暗い傷を背負う2人のもとには復讐代行の依頼がやってくる。
そしてある日、カモのもとにかつての親友がやってきて—。
取材と称して殺人を続ける完全なサイコパス、復讐を支援する巨大団体、社会の闇に潜む最恐最悪の殺人者たち、狂気だらけの《外道》が交錯し、物語は加速する。
DMMオリジナル『外道の歌 SEASON2』公式サイトより引用
演じ方は正反対。シーズン2で見せるカモとトラ

ー『外道の歌 SEASON2』はファン待望の続編です。再びカモとトラを演じられた感想を教えてください。
窪塚洋介さん(以下、窪塚):シーズン2は、シーズン1から直結した話になっていて、まるで一昨日シーズン1の撮影が終わったかのような感覚で撮影が始まりました。
だから役作りや芝居に関して、何の違和感もありませんでした。
亀梨和也さん(以下、亀梨):僕もそうです。前の撮影から1年くらい空いていましたが、衣装合わせの時や現場でスタッフさんの顔を見た時から、スッと「外道の歌」の現場に戻って来たような感覚がありました。
シーズン1からシーズン2へ直結する冒頭部分の撮影からでしたが、全く問題なく撮影を始められたので、そこは少し不思議な感じもしました。
ー冒頭からアクションシーンがありましたが、アクションについてはどうですか。
亀梨:綺麗になりすぎない、硬くならないということを常に考えていました。
アクションをしながらセリフを言ってお芝居をしなくてはならないのですが、自分の癖として少し硬くなりがちなところがあって。
監督には「こう表現したい」というイメージが明確にあるので、この作品の温度感に合わせつつ、「これだとちょっと決まりすぎ」みたいな部分もあって、それはどう崩せるか。“決まりすぎない”ようにと考えてみたりもしました。
別に決めにいっているわけじゃないんですけどね、やっぱりどうしてもつい決まっちゃう癖が(笑)。
窪塚:さすがアイドル(笑)。
亀梨:逆に、カモはカモでずっと決まり続けてますよね。
窪塚:カモを演じるなら自由には動けないし、動いちゃいけない。
亀梨:カモとトラの2人は、動いている時も止まっている時も両方すごく意味を持っているバディです。

ー窪塚さん、「動けない」というのはどういうことですか。
窪塚:カモの芝居は結構がんじがらめで、窓の方を見たり空を見上げたりすると、「ちょっと今のカモさんっぽくなかったです」ってディレクションが飛んでくるんです。
カモというキャラクターを演じる上で、そういう客観的なディレクションを信頼していましたが、演技の自由度で言ったら「それくらいいいじゃん」というようなこともダメでした。
亀梨:でも結構トライしていましたよね(笑)。
窪塚:トライはしたけどダメだったね。試しにやってみるけど、「やっぱり動かなくていいです」って(笑)。
だから、亀ちゃんの自由なお芝居は羨ましかったです。
ー亀梨さんは割と自由にお芝居をされていたのですか。
亀梨:もちろん台本がベースですが、僕は会話のシーンでは割と自由に味付けさせてもらえました。
大雑把な設計図を渡されているかのような感覚で、「この枠内で地点Aから地点Bまで行きましょう」みたいな。その道筋は結構自由に、だけど枠からはみ出してしまうようなものは、監督からディレクションを受けて話し合いをしました。
僕はとにかく(芝居を)広げてやってみて、ダメなところは削っていくような感じで撮影しました。
ートラは割と自由な反面、カモは厳しかったというのは、例えばどのような場面でのことでしたか。
窪塚:カモとトラと奈々子の3人で会話をしているシーンです。
カモはドーンとそこにいなきゃいけないから、途中から植物の役かなって思ったり(笑)。
亀梨:幼稚園のお遊戯会の木の役みたいな(笑)。
窪塚:その場にしっかりいてくれるのが、カモらしさではあると思うんですけど…。
亀梨:ちなみに僕、風の役やったことあります。
窪塚:木じゃなくて風なんだ。風はもはや神様の領域じゃん。すごいね(笑)。
「低い声を安定させる(窪塚)」「シーズンのつなぎ目を綺麗に(亀梨)」

ーシーズン2で新たに意識したお芝居や、さらに突き詰めた役の要素はありましたか。
窪塚:俺は、低い声を安定させるということを前のシーズンからずっと意識しました。いつもよりも低く低く。
カモはセリフの量がたくさんあるわけではないからこそ、できたことだと思います。
ーカモの、父親としての一面がのぞくシーンも魅力的でした。
窪塚:シーズン1も今回のシーズン2も、あの“4年前のシーン”でクランクアップしているんです。
演じる側としてもあのシーンは大事で、次に出演する別作品への緩衝地帯になってくれました。カモの低い声で芝居をしていると他の現場に支障が出るくらいのレベルで、芝居へのアプローチが全然違います。
ストーリー的にも、あの悲しい土台があったからこそカモになったんだということを、もう一回身につまされるような場面でした。
トラと奈々子とのコミカルな会話のシーンでも、カモはずっと痛みを抱えているから動かないし笑わない。だからこそ、俺が受けたディレクションにも監督のこだわりを感じましたし、そうやってワンシーンずつ作られていきました。
ー動かないこと以外に、どんなディレクションや話し合いがありましたか。
窪塚:印象的だったのは、シリーズを通して一番最初にカモを演じる時に、監督から「カモはジェイソンなんで」という言葉をもらったことです。
その時にカモの具体的な人物像がイメージできましたし、亀ちゃん演じるトラの自由なアクションと、泰然自若としてその場にいるカモの“不死身性”が表現される構図ができていったと思います。
監督の言葉やディレクションを頼りに、カモの安心感やカモ像というものを作っていくことができました。

ー亀梨さんはシーズン2でのお芝居について、何か意識されたことやこだわった部分はありますか。
亀梨:僕はシーズン1だから2だから、という区別はせず、いかにシーズン1と2のつなぎ目を綺麗に演じられるかを意識しました。
シーズン2だからといって無理に何かを変えようとも、逆にシーズン1の頃のトラを完璧に再現しようとも思っていなくて。
撮影が進む流れの中でどう芝居するかみたいな感じだったので、監督との話し合いや現場でのあり方、物語の展開に身を寄せていきました。
お互いの印象は?再共演で深まった信頼

ー前作の反響はどうでしたか。
窪塚:普段とは少し違った層の方たちからも「良かった」と言ってもらえたので、それはこの原作漫画のファンにドラマが届いたということなのかなと思います。
亀梨:普段一緒にお仕事をさせてもらっている方たちの、特に男性陣がすごく熱量を持って感想を伝えてくれました。確かに僕もそれは普段とはちょっと違うなと感じていて、印象に残っています。
ー先ほどカモとトラと奈々子の会話シーンについてのお話をしていただきましたが、撮影現場の雰囲気はどうでしたか。
亀梨:会話のシーンを撮影している時など、セッティングの合間にみんなで話したりしました。奈々子を演じられた南沙良さんは、シーズン1の時よりも心を開いてくれたような気がします。
窪塚:ようやく信頼してくれたかな?
亀梨:1年経って「あいつらなら大丈夫だろう」って思ってもらえたんだと思います。特にカモとトラと奈々子3人の信頼関係は深まりましたね。
窪塚:でも相変わらず現場から帰るのは早かったよね。
亀梨:…確かにそれは早かったですが、南さんは現場で色々話してくれましたよ。
カメラが回っていないところの空気感そのままで撮影に入れたのか、休憩中も役に入ったままお話できていたのか、どっちかというのは分からないけど、撮影中も休憩中も自然体でいられた感覚でした。

ー今だからこそ言える、お互いの印象やギャップについて教えてください。
窪塚:シーズン1の時に受けた印象がそのまま深まりましたし、信頼関係的にも頼れる存在になったなと思います。
ひとつ変わったなと思うのは、雑談している時に亀ちゃんの話す内容が制作側の気持ちに立った、より自然な感謝の言葉になったこと。特に自分の経験から生まれた感謝を強く話すようになったなと感じました。
今まで積み重ねてきた経験が、良いエッセンスになって亀ちゃんに入ったんだなと改めて感じました。しっかり大人の階段をのぼって行っているなって、なんか親戚みたいな気持ちになりました(笑)。
ー亀梨さんはどうですか。
亀梨:僕はこのお仕事を始めた時から、ずっとテレビで活躍される窪塚さんを見ていましたし、もちろん出演作も見させていただいているので、「カリスマなかっけぇお兄さん」みたいな印象がありました。
『外道の歌』の撮影現場でも、僕が「お前何々だろ!」みたいに声を荒げるシーンのカメラテストの時に、「亀ちゃんカメラテストでそこまでやらなくて大丈夫だよ」と声をかけてくださったり、常に現場にいてくださることで各シーンの温度調節をしてくださいました。
「こういう風に進めたいよね」って現場での空気感やメリハリを、言葉と行動ですごく示してくださるから、本当にありがたかったですし窪塚さんの作る空気感に浸らせてもらっていました(笑)。
でも印象としてはなんか独特で、何にも誰にも当てはまらない。その存在に疑いがないと言うか。現場では思ったことを相談させていただける話しやすさもありました。

ー窪塚さんは現場を支えて牽引するリーダー的存在だったのですね。
窪塚:特に今回は、カモとトラではセリフやアクションの量が全然違うから、準備時間の負担や撮影中のカロリーも当然違う。しかも、トラは関西弁のキャラクターで。
そんな難役にまっすぐ真摯に向き合っている亀ちゃんの姿を見て、「自分が納得するまでやっていい。いくらでも付き合うから」みたいなことを言って支えようと思ったんだけど、そんな必要がないくらいのクオリティでした。
「とにかくいい作品になるように」と演技に集中している一方、現場全体も見えているんだなと思いました。復讐シーンではアクションや体勢がきつかったと思うけど、そんな中でも亀ちゃんは現場の空気感を察してくれて、阿吽の呼吸で進められる感覚が、バディとして信頼できてありがたかったです。
亀梨:今回の現場は我々のほかにも、色々な方の出入りがすごく多い作品だったので、そんな中での現場の温度感や方向性を作るコミュニケーションの取り方には、窪塚さんから学ぶことが多かったです。
ーシーズン2から新たに出演される方と、現場での絡みはありましたか。
亀梨:基本絡んでないです。よく一緒だったのは朝食会の2人(馬場ふみかさん、溝端淳平さん)でした。
カモとトラ以外のところでも別ルートで物語が進んでいるから、他の出演者の方はどんな映像になっているのか見るのを楽しみにしています。
窪塚:あれ、亀ちゃんまだ観てないの?
亀梨:まだ2話までしかもらってないですよ。
窪塚:6話までもう全部観たよ。
亀梨:ちょっと今独立したてで、連携がうまくいってないのかも(笑)。
窪塚:それぞれでスピンオフができそうなくらい、キャラクターも濃くて良かったよ。
亀梨:あのちゃんも役にぴったりでしたよね。
窪塚:めっちゃいい。まさに天職と言うか、あの役柄をあれだけのクオリティで芝居できるあのちゃんは、稀有な存在だなと感じました。
散歩、ゴルフとお酒。2人の実力派俳優の飾らない一面

ー作中で園田(森崎ウィンさん)が「一番価値があるのは経験」ということを言っていましたが、おふたりが経験して良かったと思う出来事はありますか。
窪塚:マンションから転落した経験です。あれはずっと黒歴史だったんだけど、ある時「落っこちて良かったんだ」と肚落ちしたタイミングがありました。
その時に、ずっと立ちはだかっていた壁を越えられたような気がして、今となってはその壁が自分を守る最強の砦になりました。
でも、もう1回同じ出来事が起きたら本当に命が危ないから、「いい経験になったから次は1階上げて10階だ」とか絶対言えない(笑)。
亀梨:さらに高くしてみようとか、そういうのじゃないです。モンスターボックスじゃないんですから(笑)。
ー亀梨さんは経験してよかったことについて、どうですか。
亀梨:野球もアイドルも全部自分の糧にはなっています。
テレビドラマに出演した時に、数字で苦戦した作品がありました。今となってはその経験もエネルギーになっていますが、当時はしんどくて…。
タイムリーに撮っては放送され、撮っては放送されみたいな連ドラの現場だったから、反響や数字を見て、すごくダメージを受けました。
その当時はまだ若かったので、あの時期は外を歩くのも恥ずかしいくらいの感覚になってしまいました。今思えばあれも良い経験になったのかなと思います。
ー行き詰まった時のリフレッシュや自分へのご褒美はなにかありますか。
亀梨:最近は、移動中やふとした時間に散歩することです。
おいしいご飯を食べたり友達に会ったりは分かりやすい贅沢だけど、10分散歩できるだけで「生きてる」って感じられます。
窪塚:俺はゴルフとお酒。お酒は家でひとりで飲むことが圧倒的に多いです。

ーおひとりで飲まれる時は何かしながらですか。
窪塚:連絡を返したりとかはします。翌日が休みの日は先輩に電話をかけてみたり。
DOZAN11(三木道三さん)は寝ていても起きてくれて、「ちょっと待ってな~」とか言って待っている間に、電話の向こうから、「タッタッタッ、プシュ」って音が聞こえた時に、「この人大好き」って思います(笑)。
お互い休みのタイミングが合った時に、そういう出来事があるとご褒美だなと感じます。
ーおふたりとも芸歴長く活躍されていますが、お仕事を続けられる理由はなんですか。
窪塚:仕事に限らず、「好き」という前向きな気持ちはすごく大事だなと思います。
マンションから落っこちて大きな怪我をした後に、なんか言い訳っぽく「あれ本当に事故なんですよ」って言っていないと、フラットに人と会えない時期がありました。
本当に落っこちちゃっただけだから言い訳ではないんですけど、そうしていないと人と対峙できなくて。カモよりは薄いけどずっとサングラスもずっとかけているみたいな状態でした。
そんな時期があったからこそ、普通に人と話せることの幸せがよく分かるし、それを渇望してたから、何をするにしてもありがたいなと喜びを感じるようになりました。
ずっとそういう気持ちでお仕事を続けています。
亀梨:僕は、贅沢な話ですが求めていただける環境があったということが一番です。
自分の「こうしたい」「ああしたい」の欲望だけでは絶対続けられなかったと思います。
ありがたいことに、与えてもらったやるべきことや僕自身が出会ってきたものを積み重ねていくことにやりがいを感じていましたが、それでさえ苦しい時はありました。
でも、受け取ってくださる方がいて、こうして続けることができたので、すごく感謝しています。
ー今後挑戦していきたいことはありますか。
亀梨:僕は海外作品の経験がないので、挑戦してみたいです。
今の環境もすごくありがたくて、この環境ですら自分の力不足を感じているのですが、それでも全く未知なゾーンでの活動や作品は体験してみたいです。
窪塚:じゃあ海外で暮らすパターンもあり得るの?
亀梨:ひとつの経験として興味があります。
ー海外にご興味がある、その理由は何でしょうか。
亀梨:海外に行っている時の自分は、より人間っぽい気がします。言葉の壁など、自分の弱さもさらけ出して過ごさなきゃいけないから。
日本ではどこかで“亀梨和也”をやっちゃっているところも自分の中ではあって、海外に行って何者でもない自分として挑戦したら、どんな景色でどんな感覚になるのかなと興味があります。
日本のお客さんだったら、「これしたら喜んでくれる」みたいなことがある程度分かっていますが、僕のことを何も知らない海外の人を前にして、どうやったら僕はその人たちを楽しませられるんだろう、と考えていて。
アクロバットを披露する?歌は歌えるけど、歌ったところで喜んでもらえるのかな、とか。結局僕は「人を喜ばせる」ことに興味があるんだと思います。
窪塚:俺はもっと個展と制作にチャレンジしていきたいです。
教えてくれる先生がいるわけでもなく、YouTubeを見て勉強するとかもせずに、当たって砕けろという感じで個展をやってみたのですが、やり終わった後に、何か次のステージに行けたような感覚がありました。
これはもうちょっと深められるなと思うので、挑戦していきたいです。

窪塚洋介(くぼづかようすけ)プロフィール
1979年生まれ、神奈川県出身。
1995年『金田一少年の事件簿』で俳優デビュー。
主な出演作は、映画『GO』、映画『ピンポン』など。映画『Silence –沈黙-』、ドラマ『Giri/Haji』など海外作品にも出演。
近年、映画『Sin Clock』や映画『フロントライン』などに出演し、演劇やモデルなどでも活躍。
執筆、創作活動やプロデュースなど、活躍の幅をさらに広げている。
●公式Instagram @yosuke_kubozuka
亀梨和也(かめなしかずや)プロフィール
1986年生まれ、東京都江戸川出身。
1999年、ドラマ『3年B組金八先生第5シリーズ』で連続ドラマ初出演。
近年ではドラマ「北方謙三 水滸伝」(’26年)、ドラマ「ストーブリーグ」
初の声優を務めるアニメ「神の雫」(TOKYO MXほか)が放送開始。
2026年7月には、9年ぶりのソロツアー『KAZUYA KAMENASHI LIVE TOUR 2026 -FROM HERE-』の開催が決定、音楽活動も精力的に行っている。
●公式X @K_KAMEofficial
●公式Instagram @k_kamenashi_23
●亀梨和也オフィシャルファンクラブ https://kazuya-kamenashi.com/about/
撮影:髙橋耀太