蘭学を修めた女医である鳴滝忍は、表稼業では人の命を救い、裏稼業では“カマイタチの忍”の異名を持つ渡し人。忍は母の形見の指輪で頚動脈を裂く必殺技を武器に、鏡研ぎ師の惣太、人足の大吉らと共に、悪人たちを三途の川の向こう岸へ渡していく。

「必殺渡し人」は、「必殺」シリーズの第20作で、中村雅俊と高峰三枝子がメインキャストを務めています。特筆すべきは、この作品が非主水シリーズの一作であること。つまり、シリーズの常連キャラクターである藤田まこと演じる中村主水が登場しない作品です。その代わりに、殺し屋が3人というシンプルな設定が採用されており、初期シリーズへの原点回帰が見られます。また、"レントゲン殺し"という新たな殺しの手法も登場し、視聴者を驚かせました。