松本清張　波の塔

政治ブローカーの夫を持つ頼子と、誠実な青年検事・小野木の甘美で危険な恋愛。その恋愛は純粋だったが、突然破局を迎える。小野木が追求する汚職事件の鍵を握る男が、皮肉にも頼子の夫だったのだ。やがて2人の愛は、「どこへも行けない道」に入っていく。

「松本清張　波の塔」は、松本清張原作の恋愛劇で、甘美で危険な恋に落ちた男と女の物語です。2人が行き着く先は予測不能で、その結末は観る者を驚かせます。『古都』の中村登監督が、現代の難しさを背景に純粋な恋愛を貫く困難とその終わりをショッキングに描いています。危険な恋に翻弄される男女を演じるのは、有馬稲子と津川雅彦。彼らの演技が物語を一層引き立てます。