昭和2年、女衒の岩伍に買われた貞子は、高知の妓楼へ身売りされ、牡丹と名乗ることに。そんな商売になれているはずの岩伍だが、牡丹のことは気になり、見守っていた。ある日、牡丹に熱い思いを寄せる力士くずれのヤクザ・仁王山が牡丹をさらってしまい…。

「寒椿」は、宮尾登美子原作の作品で、昭和初期の土佐の色街を舞台に、男女が織り成す愛と侠気を描いています。西田敏行が包容力と男気溢れる女衒を見事に演じ、南野陽子が初々しい芸妓を演じています。芸妓を見守る女衒の心模様、優しさ、凄みはただならぬものがあり、観る者を引き込みます。また、南野陽子のヌードシーンも見どころの一つです。