飛車角こと小山角太郎には、元遊女のおとよという駆け落ちした情婦がいる。渡世の義理で殺しを行った飛車角は、吉良常という老いた渡世人に出会い、助けられる。警察に自首し、5年の刑に服する飛車角。帰りを待つおとよだったが…。

「人生劇場 飛車角」は、東映が時代劇から任侠物への転換を図った記念碑的な作品で、任侠映画時代の到来を告げる傑作です。尾崎士郎原作の日本人の心を描いた作品を映画化したもので、任侠映画の第1作となりました。本作の大ヒットが東映の後の10年間の任侠映画路線を決定づけました。特に、鶴田浩二と佐久間良子のラブシーンは美しく、観る者の心を捉えます。