平凡なサラリーマンが朝目覚めると、頬から金属片が出ているのに気づく。出勤途中のプラットホームで眼鏡の女に襲われた彼は、その日以来、自分の体が金属で覆われていくのに困惑する。やがてかつて自分がひき逃げした“やつ”と対峙することになり…。

「鉄男 TETSUO」は、塚本晋也監督の劇場デビュー作で、彼の名を世に広めた作品です。主演は田口トモロヲで、ローマ国際ファンタスティック映画祭グランプリを受賞したことでも知られています。この作品は、塚本監督自身の「普通サイズの怪人」をベースに撮影されたサイバーパンクホラーで、鉄に浸食されていく男の運命を描いています。その鮮烈な映像表現は観る者を圧倒し、その後の邦画界に大きな影響を与えました。