伊達邦彦は、通信社のカメラマンとして戦場を渡り歩き、帰国して退社した後、翻訳の仕事をしていた。ある日、大学の同窓会に出席した伊達は、そこで自分と同じ野獣の血を匂わせる真田と出会う。ふたりは銀行強盗を計画し、冷徹に実行に移すのだった。

「野獣死すべし」は、大藪春彦のハードボイルド小説を映画化した作品です。村川透監督と松田優作の黄金コンビが描く、躊躇もスマートさもなく皆殺しにしていく非道さに、観る者はカタルシスさえ覚えます。特に、その時々ですべてを物語る松田優作の「目の演技」は必見です。男なら一度は見ておきたい怪作と評される本作は、邦画好きには見逃せない一本と言えるでしょう。