少しダークなファンタジーと思わせておきながら、真相は辛辣な現実を生々しく描いた作品でした。福士さんの妖精っぽい雰囲気がまた、作品のミステリアスさをより強くしていたように映ります。売り手優位で転職も容易な昨今では、なかなか青山に共感できる若い人はいないかもしれません。でも好きな業種はおろか、就職することさえ難しかった氷河期世代の人間にとっては、青山の気持ちが痛いほど分かります！だけど自分の心と体を守ることは大切ですね。とても伝わりました。

現代の社会でこういったことはありふれていると思います。仕事を辞めることは悪いことではありません。悩める人は山本にきっと、背中を押されるはずです。

ストーリーは現代社会の厳しい現実を描きつつも、友情と希望を感じさせる。福士蒼汰と工藤阿須加の演技は見事。ただ、もう少し深いメッセージ性があっても良かったかな。全体的にはまずまずの出来。