舞台のオーディションが不発に終わり、ひとり会場で頭を抱えている舞台演出家のトマ。そこへ無名の女優・ワンダが現れ、今からオーディションをやってほしいと厚かましく彼に迫る。渋々彼女の相手役を務めるトマだったが、意外にもワンダの演技は魅力的で…。

「毛皮のヴィーナス」は、ブロードウェイで大ヒットした作品を映画化したもので、官能的な2人劇が展開されます。『おとなのけんか』のロマン・ポランスキー監督が手掛けており、"マゾヒズム"の語源にもなった小説をモチーフにしています。物語は、無名の女優と演出家の間で起こる主従関係の逆転を描いています。その逆転する瞬間が観る者に強烈な印象を与えます。