のどかな田舎町。ここに暮らす小学生の男子は全員バーバー吉野のおばちゃんが手掛ける“吉野ガリ”というおかっぱ頭をしていた。おばちゃんの息子・慶太はもちろん、誰もがそれを当たり前だと信じていたある日、東京からモダンな髪型の坂上君が転校してくる。

「バーバー吉野」は、荻上直子監督の長編デビュー作で、もたいまさこが演じる“おばちゃん”が主人公の物語です。おばちゃんは、男子たちに揃って同じ髪型を施すバーバーで、その日常が描かれています。ある日、茶髪でクールな髪型の転校生・坂上君が登場し、男子たちの心に違和感が芽生えます。この違和感が彼らの成長過程を促し、その過程が愛おしく描かれています。男子たちの心情の変化と成長、そしておばちゃんとの関わりを通じて、人間の多様性と個性の大切さを描いた作品です。