昭和7年4月、宮城大尉の部下・溝口が、芸者に売られようとしていた姉の薫を案じ脱走。その後、捜索隊の上官を殺した彼は、銃殺刑に処せられる。やがて五・一五事件が発生。宮城は部下が脱走した責任を取り、朝鮮へ異動。そこで芸者となった薫と再会するが…。

「動乱　第1部海峡を渡る愛/第2部雪降り止まず」は、昭和初期の激動の時代を背景に、青年将校とその妻の生き様を描いた作品です。高倉健と吉永小百合が初共演し、二・二六事件で決起した将校とその妻の寡黙だが激しい愛を描きます。物語は仙台から朝鮮、山陰、そして雪の降り続く東京へと場を移し、日本人の心情を深く描き出しています。この作品は、時代の動乱を背景にした人間ドラマとして、観る者の心に深く響く傑作となっています。