船

男3人が車を降りて川を眺めては「あかんなあ」「そやなあ」と、その川を却下し、次の川を目指す。男たちののんびりした会話に心和ませられるうち、いつしか小舟は形を替え、船は生き物に見えてくる。この小さな旅は雄大な宇宙遊泳のようにも感じられる。

「船」は、メダカとドライブと小舟で宇宙を見せる、男3人の小さな旅を描いた作品です。ミクロフェチの視点から描かれたこの旅は、観る者に新たな視野を提供します。監督は中尾広道で、彼の作品はPFFアワードで高い評価を受けています。特に、2015年に本作が入選し、その後も2017年に『風船』が入選、2019年には『おばけ』がグランプリを獲得しています。この作品は、日常の中に潜む微細な美しさを捉え、観る者に深い感動を与えます。