十九歳の地図

19歳の吉岡まさるは上京して以来、新聞配達をしながら予備校に通っていた。集金に行けば嫌われ、ほとんど無視され、鬱憤を募らせる彼はひそかに配達区域の地図を作り、それぞれの家にいたずら電話をかける。その電話は全ての社会に向けた脅迫電話になる。

「十九歳の地図」は、柳町光男監督が描く感動と幻滅が交錯する青春の人間ドラマです。中上健次原作の短編小説を映画化した本作は、かつて毒性故に幻の企画となっていましたが、本間優二と蟹江敬三の共演により実現しました。昭和の貧しい風景を背景に、絶望を抱えた青年の姿を鮮烈に描き出し、観る者の心に深く突き刺さる作品です。