掃除婦のハディージャは、長い一日の仕事終わりに最終電車で眠りに落ちてしまう。終点で目覚めた彼女は、家へ帰る手段を探すも、もはや徒歩でしか帰れないことを知る。寒風吹きすさぶ街を彷徨い始めた彼女だったが、予期せぬ人々との出会いを通じ、その小さな旅路は遠回りをはじめ――。現代ヨーロッパの縮図とも言えるブリュッセルを舞台に、真夜中の一期一会がもたらす温もりが優しく心をつつむ、奇跡の長編3作目。

ベルギーのブリュッセルを舞台に、夜の街を彷徨う一人の女性の心を繊細に描いた人間ドラマ。幻想的な映像とガットギターの静かな調べが印象的な、現代社会の孤独と希望を浮き彫りにした作品です。観る者の心に深く染み入り感動を呼び起こす「ゴースト・トロピック」は、カンヌやベルリンの映画祭でも高い評価を受けています。