舞台「彼女にあったら、よろしくと」嘘から交わる青春群像劇【冬由インタビュー】 

インタビュー
インタビューニュース

ひとつの噓をきっかけにそれぞれの人生が交わりだす様を描いた舞台「彼女にあったら、よろしくと」が2024年4月11日から公演開始。ブルースクエア四谷企画コンペティションで優秀特別賞を受賞した、演劇と映画の連動した作品です。

今作で教育実習生の紀子役を演じる女優の冬由さんに、舞台の見どころや意気込み、自身の女優としての展望までを語っていただきました。

あてがきの脚本、今までにない役柄に挑戦

ー出演が決まったときの心境をお聞かせください。

冬由:舞台と映画が同じキャストで制作される作品ってそんなに多くないと思いますし、最初から演劇と映画の連動も決定していたのでとても贅沢というか、素直に嬉しかったです。

ーどのような作品なのでしょうか。見どころを教えてください。

冬由:ジャンルとしては青春群像劇になるのですが、高校3年生の夏に、ひとりの少女がついた嘘をきっかけに、8人の女性の人生が交わって、少しづつ変化していくというお話になっています。

8人それぞれにストーリーがあって、それが交わっていくのが面白いところです。

ー冬由さんが演じる「紀子」はどのような人物ですか?

冬由:紀子は、学生時代にいじめられた過去があり、トラウマを抱えて生きる26歳の女性で、ストーリーの舞台となる高校で教育実習生をしています。

ー監督や共演者の方とはどんなお話をされましたか?

冬由:堀内監督とは、面談したときにプライベートなことまで色々な話をさせていただいたのですが、その際に、監督が私に対して持ったイメージを元にあてがきをしてくださったんですけど、出来上がった脚本を見てみたら、紀子の役柄がけっこう個性的で。

「私はこういう風に見られているのか」と不思議な気持ちで、とても印象に残っています。

脚本のあてがきをしていただいたのも初めてだったので、すごく嬉しかったです。みんなの性格とか、それぞれの良さがでるような形になっているのかなと思います。

ー舞台への意気込みをお願いします。

冬由:舞台と映画ではそれぞれ別の良さがあって、その良さを少しでも感じていただけるように精一杯作品作りをしていきますので、舞台と映画をセットで見ていただけるとより魅力が伝わるのかなと思っています。

わたしは今までは、正統派というか、良い子の役だったり、少し大人しい女性の役とかを演じることが多かったのですが、今作では今までとはちょっと違った役柄を演じているので、役者としての新たな一面というか、面白さを感じていただけるんじゃないかなと思います。

デビューは「幸せ!ボンビーガール」

ー芸能界デビューは2019年ですが、どのようなきっかけだったのでしょうか。もともと女優を目指していたんですか?

冬由:芸能のお仕事を始める直前くらいに、1年間アメリカに留学していたんです。留学中はバックパッカーとしてアメリカを横断したり、購入した車でアメリカ中を走り回ったり、サバイバル生活のようなことをしていました。

いろいろな経験をして、いろいろな人と出会った結果、「人生なんとでもなる、どうとでも生きていける」というのをその1年間で学んだので、帰国後は就職せずに、好きなことをやろうって思ったんです。

もともと女優を目指していたわけでもなくて、アメリカから帰国して、現実逃避するためにキラキラした道に進んだ感じです。

役者になりたいというのも思いつきで、目立ちたいしチヤホヤしてほしいみたいな、最初はそれくらいの感覚で(笑)。

アメリカでの自由な生活が抜けなくて、会社に就職して働くというのが自分の中でイメージできなかったんです。

ーとてもアクティブというか、もともとそういう性格だったんですか?

冬由:いま振り返ると、そうかもしれません。初めて一人旅をしたのが中学1年生のときなんですけど、好きなスポーツチームのサインが欲しくて、お小遣いを貯めて新幹線のチケットを買って、一人で行きました。

思い立ったらやっちゃうみたいなところが子供の頃からあったと思います。

ー行動力がありますよね。冬由さんはドラマや映画、舞台にバラエティと幅広く活動されていますが、印象に残っている作品やエピソードはありますか?

冬由:「幸せ!ボンビーガール」が一番印象に残っています。当時の自分の生活をまるっとさらけ出した感じだったんですけど、友達や視聴者さんに驚かれることがすごく多かったんです。

私にとっては当たり前だったことが、こんなに反響を呼ぶのかと。そこでテレビの影響力を感じましたし、芸能活動をすることがどういうことなのかを知ることができた一番最初の経験だったので、自分の中ではすごく大切な思い出として残っています。

冬由さんは2019年に放送された「幸せ!ボンビーガール」に、都内のシェアハウスに住む女優志望のボンビーガールとして出演しました。

やってみたいのは悪女役、役者だから味わえる面白さ

ー役作りで意識していることはありますか?

色々考えるのですが、いつも意識していることは、「この役はこういう人柄だよな」というのを台本を読んだ第一印象で決めないようにしています。

自分や周りの経験からイメージすることも大事なことではあるのですが、自分の常識を信じすぎて役作りをすると、面白いものが作れなくなってしまうことがあります。

表現の幅が狭くなったりするので、もういいっていうくらい考えますし、時間を置いて何日も入念に考えたりする癖はつけています。

ー今後、演じてみたい役はありますか?

悪女を演じてみたいです。オーディションやワークショップでは時々そういう役を演じる機会があるのですが、実は一番楽しくて(笑)。

自分は性格が悪いのかもしれないって思ったりするんですけど、自分の中のそういう部分も、お芝居だから出せるっていうのが楽しいなと思うので、ちょっと…いや、とことん嫌な女を演じてみたいです(笑)。

ー2024年はどんな1年にしたいですか?

間違えることを恐れないようにしたいです。どう間違えるか、間違い方を大切にする年にしたいなと思います。

ー恐れずに行動するタイプに感じていました。

年齢を重ねてきたからなのか、以前よりも色々と考えることが増えた気がします。 ちゃんとしなきゃって思う自分がいる一方で、好きなアーティストの曲を聴いて、内なる炎が燃え出すみたいなそういう瞬間があったりして、間違いを恐れちゃいけないなって思います。

ー落ち込んでいるときとか、前向きになりたいときに聴く曲はありますか。

わたし、エレファントカシマシさんが大好きで、「四月の風」という曲はぜひ聴いてみてほしいです。力強い歌声とストレートな歌詞が胸に突き刺さって元気になれるんです。

「彼女にあったら、よろしくと」作品概要

「私、妊娠した」

生徒会長・由佳(太田夢莉)の告白に戸惑う同級生・奈央(上大迫祐希)。そして、元子役の花梨(荒川ちか)は再び芸能界へ戻る決意をし、歌手を夢見る真琴(南野巴那)は人前で歌えず、次期生徒会長を目指す沙希(中田乃愛)は演説の練習に必死。教育実習生デビューの元いじめられっ子の紀子(冬由)は、ある悲しみの中にいる同級生・祥子(西野凪沙)と再会する。奈央の姉・美那希(十河茉由)は由佳にある秘密を打ち明けるが……。

8人の彼女たちは交差し、お互いを知り、自分を見つける。

「私たちは想い出し、また出会う。あの頃の全部に」

●作・演出:堀内博志

●出演:荒川ちか、太田夢莉、上大迫祐希、十河茉由、中田乃愛、西野凪沙、冬由、南野巴那 (五十音順)

●公演日程:2024年4月11日(木)〜14日(日)

●劇場:ブルースクエア四谷(東京都新宿区若葉1丁目1−1 若葉大原ビル 地下1階)

●サイト:https://kanojoyoroshiku.themedia.jp/

冬由(ふゆ)プロフィール

1996年7月28日生まれ、神奈川県鎌倉市出身。2019年に日本テレビ『幸せ!ボンビーガール』でシェアハウス生活をする女優の卵として取り上げられ、デビュー。2019年に『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』で映画初出演後、様々な作品に出演。

2021年には、写真家の福島裕二とコラボし、初の単独写真『つなぐ』を、恵比寿にて二週間に渡り開催する。2023年には芸名を「美来美月」から「冬由」へと改める。2024年は、舞台『彼女にあったら、よろしくと』に出演。映画『みーんな、宇宙人』でもメインキャラクターの声を務める。

instagram  https://www.instagram.com/fuyu.______/
X https://twitter.com/fuyu_07_
TikTok  https://www.tiktok.com/@fuyu.______

タイトルとURLをコピーしました