東京への転任を断り、地方都市にある前崎家庭裁判所へ新任判事としてやってきた桑田義雄。桑田は着任当日、譲り受けた植木を背負って現れ、調査員たちの度肝を抜く。しかも、調停では判事らしからぬ発言を繰りだし、調査員も調停員もペースを乱されていく。

「家栽の人」は、植物を愛し、人間に寄り添う信念を持つ家裁判事の物語です。主人公は、いがみ合う家族や道を誤った少年たち、さまざまな苦しみを抱える現代人に対して、大切なことを思い出させる役割を果たします。その優しさは、人々の心に種を植え、新たな希望を育てる力となります。この役を演じる船越英一郎の好演が、物語を一層引き立てます。ヒューマンサスペンスとして描かれるこの作品は、人間の心の奥深さと温かさを感じさせてくれます。