新聞社の社会部記者・三國連太郎は、政治家・北浦の妻である伊都子の動向を探るよう命じられた。失踪しているという彼女を追った連太郎は、伊都子の肉親を伝手に彼女と出会い、話を聞くことに成功する。彼は新聞に発表しないことを約束したが…。

「善魔」は、木下惠介監督による文芸ドラマで、三國連太郎が鮮烈なデビューを果たした作品です。岸田国士の同名小説を映画化したこの作品は、善を成すために悪の心を必要とするという矛盾した人間の心情を哲学的に描いています。淡島千景と桂木洋子の美しさも見どころの一つです。人間の葛藤と美しさが交錯するこの作品は、観る者の心に深く刻まれるでしょう。