四季・奈津子

博多郊外に暮らす小峰家の4姉妹の次女・奈津子。ある日彼女は、うつ病で入院中の四女と共に前衛劇団の公演を見にいく。激しい風雨の中、テントで行われた公演を見て興奮した奈津子は、そこで出会った東京の写真家にヌードを撮影してもらおうと上京する。

「四季・奈津子」は、五木寛之の同名小説を映画化した作品です。物語は、写真家と初老の男、そしてエセーニンの詩との出会いを通じて、主人公・奈津子の人生が静かに動き出すところから始まります。平凡な女性である奈津子が、さまざまな経験を通して自分らしい生き方を模索する姿を描いています。烏丸せつ子の演技が、奈津子の内面の変化を見事に表現しています。東陽一監督の繊細な演出が、奈津子の人生の四季を美しく描き出しています。