百姓・次兵衞夫婦の手で育てられた捨て玉の次郎左衞門は、機屋で財をなしたもののあざが災いして女には縁がなく、たまの見合い話も全て失敗に終わった。幾度目かの見合いの帰り、吉原の大門をくぐった次郎左衞門は、遊女・玉鶴の情けを受けるが…。

「妖刀物語 花の吉原百人斬り」は、古典歌舞伎を題材にした時代劇で、純情な男が悪女に手玉に取られる悲憤を描いています。巨匠・内田吐夢監督の重厚な演出と依田義賢の緻密な脚本構成が見どころです。主演の片岡千恵蔵の見事な立ち回りはもちろん、2代目・水谷八重子の悪女ぶりも見逃せません。この作品は、人間の情念と戦いを描いた力作です。