月島春は、パートナー・宗一朗の連れ子・蘭がカナダに留学し、言い知れぬ寂しさを抱えていた。そんな時、公園で記憶を失くした青年と出会う。過去に流産も経験している春は、その青年を神からの贈り物と信じ、今度こそ彼を自らのそばで育てたいと願い…。

「三度目の、正直」は、長く続く人生を生きる人々の日常に潜む心の機微を丹念に描いた群像劇です。野原位監督の劇場デビュー作で、脚本にも参加した川村りらがヒロインを演じています。彼女は子供を育てたいと切に願いながらも、どこか狂気を宿した女性を鮮烈に演じています。人間の複雑な心情を巧みに描き出した本作は、観る者の心に深く響く作品となっています。