2020年11月の深夜。寒空の下、大道路沿いにあるバス停のベンチに、うつむくように腰をかけた三知子が、いつものように仮眠をとっていた。以前、三知子は居酒屋で住み込みアルバイトとして働いていたが、突然のコロナ禍により仕事と家を同時に失ってしまい…。

「夜明けまでバス停で」は、日本社会の危惧すべき現状を描いた作品です。高橋伴明監督が、非正規雇用や年齢・性別による不安定な就労状況など、誰しもが置かれるかもしれない“社会的孤立”をリアルに描写しています。この現実を通じて、日常の中に潜む社会問題を浮き彫りにします。また、板谷由夏、柄本明といった実力派俳優たちの共演により、物語はより深みを増しています。一日の終わりに、誰にでも起こり得る現実を描き出すこの作品は、観る者の心に深く刻まれるでしょう。