白昼、油問屋・彌彦屋に一人の浪人が押し入り、主人と女房と娘を縛り上げると、土蔵から図面のようなものを盗んでいった。事件の裏には江戸を火の海にする暴徒の陰謀があった。そんななか、眠狂四郎は流派も同じ円月殺法の使い手・愛染に遭遇する。

「眠狂四郎無頼剣」は、市川雷蔵主演の人気シリーズ第8弾で、時代劇の巨匠・伊藤大輔が脚本を手掛け、三隅研次が監督を務めています。物語は、主人公・眠狂四郎が自身と同じ円月殺法を使う敵と対峙するところから始まります。この敵役を演じるのは天知茂で、その見事な演技が光ります。特に、瓦屋根の上で繰り広げられる眠狂四郎と敵との対決は、シリーズ屈指の名場面となっています。剣を交えれば交えるほど、眠狂四郎の危機が深まる様子が描かれており、観る者を引き込む力があります。