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1953年、自由を口にするものは政治犯としてすぐに捕まる時代。政治的弾圧が続く中、罪を課せられた者は思想改造および教育・更生のため緑島に収監されていた。連行された者たちは、名前ではなく番号に置き換えられ、囚人として「新生訓導処」に監禁、重労働を課せられる日々を余儀なくされた。純粋な心を持つ、絵を描くことが好きな高校生・余杏惠(ユー・シンホェイ)。ひとりの子どもが生まれて間もなく投獄された正義感の強い、看護師・嚴水霞(イェン・シュェイシア)。妹を拷問から守るため自首して囚人となった陳萍(チェン・ピン)。次々と迫る不条理に対しても思考は止めず台湾語、北京語、日本語などあらゆる言語を駆使しながら一日一日を生き延びようと過ごす人々。時の為政者は何をしてきたのか。考えることは罪なのか。これまで閉ざされていた歴史に、また一つ光が射す。
台湾国民政府による恐怖政治下で戒厳令が敷かれていた「白色テロ」時代、政治犯収容を目的とした教育施設と監獄のある緑島で生きる女性たちの姿を描いた「流麻溝十五号」は、実在の人物をモデルにした3人の女性の物語です。1950年代の台湾で、思想犯として収監された女性たちの証言を集めたツァオ・シンロンの書籍を原作にしています。国民党政権が反体制派に対して行った政治的弾圧の中、小さな島で必死に生き抜いた女性たちの姿を描きます。監督は「花様 たゆたう想い」のゼロ・チョウ。出演はユー・ペイチェン、リエン・ユーハン、シュー・リーウェン。台湾南東岸に位置する緑島には、30年以上にわたり政治犯収容施設が置かれ、収監者は番号で管理されていました。映画のタイトル「流麻溝十五号」は、様々な身分や年齢の女性たちが収容されていた住所を指します。当時、14歳の子どもも政治思想犯として拘留されていました。ゼロ・チョウ監督がジェンダー平等の視点から描く本作は、台湾初の女性政治犯を扱った映画です。
「流麻溝十五号」の感想・レビュー評価
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