舞台は、「自由死」が合法化された近未来の日本。最新技術を使い、生前そっくりの母を再生させた息子は、「自由死」を望んだ母の、<本心>を探ろうとする。母の友人だった女性、かつて交際関係のあった老作家…。それらの人たちから語られる、まったく知らなかった母のもう一つの顔。さらには、母が自分に隠していた衝撃の事実を知る── 。

石井裕也監督が池松壮亮を主演に迎え、平野啓一郎の同名小説を原作にしたヒューマンミステリー。「大事な話がある」と言い残して急逝した母が、実は自由死を選んでいたことを知った息子・朔也は、AI企業に依頼して母を再現するが、自身の心や尊厳さえも見失っていく。AIは人の心を再現できるのか？デジタル化社会の功罪を鋭く描写し、時代の迷子になった青年を通して我々が得たもの・失ったものは何かを問いかける。田中裕子が朔也の母役・秋子を務め、生身とVF（ヴァーチャルフィギュア）という未知の2役に挑む。三吉彩花が母の素顔を知るミステリアスな女性を演じる。