藤間爽子『ベイジルタウンの女神』に出演。俳優と日本舞踊家を両立する彼女が心と体の健康を保つ秘訣とは

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お嬢様育ちの女社長が貧民街「ベイジルタウン」の再開発を巡って賭けをすることから巻き起こる喜劇を描いた舞台『ベイジルタウンの女神』で、伝道所のボランティア・スージー役を務める藤間爽子(ふじま さわこ)さん。

日本舞踊家、三代目 藤間紫(さんだいめ ふじま むらさき)として日本舞踊紫派藤間流の家元も務める藤間さんに、今回の舞台の魅力やご自身の転機となった作品、リフレッシュ方法などたくさんお話を伺いました。

舞台『ベイジルタウンの女神』作品紹介

大企業ロイド社の社長マーガレット(緒川たまき)は、貧民街ベイジルタウンの開発を目指していた。
ソニック社社長タチアナ(高田聖子)との交渉で、もし1ヶ月間無一文で正体を明かさずベイジルタウンで暮らせたら第七地区を譲るという賭けに乗ったマーガレット。
会社経営を婚約者のハットン(山内圭哉)に任せ、ベイジルタウンに向かう。ひょんなことから王様(古田新太)とハム (水野美紀)兄妹のバラックに居候することになり、若者のヤング(坂東龍汰)や伝道所のボランティアのスージー(藤間爽子)たちと親しくなっていく。
一方、ハットンはタチアナに新たな提案を持ちかける中、兄妹のバラックで事件が発生する。

公演日程
2025年5月6日(火休)〜5月18日(日):世田谷パブリックシアター
2025年5月22日(木)〜5月25日(日):兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
2025年5月29日(木)〜5月30日(金):久留米シティプラザ ザ・グランドホール
2025年6月6日(金)〜6月8日(日):穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
2025年6月14日(土)〜6月15日(日):りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館・劇場

(※舞台『ベイジルタウンの女神』公式サイトより引用)

どんな方でも楽しめる、幸せな気持ちになる舞台

ー今回、ケムリ研究室企画の舞台『ベイジルタウンの女神』で伝道所のボランティアであるスージーを演じられるということで、まずは、作品の魅力を教えてください。

藤間爽子さん(以下、藤間):年齢や性別を問わず、幅広くどんな方でも楽しんでいただける舞台だと思います。お芝居が面白いのはもちろん、根底には格差社会の問題といった深い部分も描かれているところが魅力のひとつです。

※<ケムリ研究室とは>劇作家、演出家、音楽家のケラリーノ・サンドロヴィッチと女優・緒川たまきが2020年に立ち上げた演劇ユニット。企画、キャスティング他、多くのパートを二人三脚で担う。

ー主宰で作・演出のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)さんからのオファーで出演が実現したそうですね。

藤間:KERAさんが演出されている舞台は以前から何度も拝見していて、私自身もいつか出演できたらいいな、とずっと思っていたんです。なので、オファーをいただいてすごく嬉しかったです!

KERAさんは音楽活動などもされていて、華やかな魅力をお持ちの方だなと感じます。緒川たまきさんもとても素敵な方ですし、お二人で「ケムリ研究室」というひとつの演劇ユニットを作り上げている姿が本当にかっこいいです。

ー共演者の方々の印象はいかがですか?

藤間:豪華な俳優陣の皆さんと作品を一緒に作り上げていくことに、身が引き締まる思いです。ヤング役の坂東龍汰さんとは今回が初共演で、楽しみにしています。

王様役の古田新太さんも初めて共演させていただくのですが、古田さんは有名なエピソードがたくさんある方で、いろいろなお仕事の現場で“古田さん伝説”を耳にしていました。今回ご一緒できるのが本当に夢のようです!

ー舞台を観に来る方にメッセージをお願いいたします。

藤間:本当に面白い作品で、観ていてあっという間に感じると思います。演劇を初めて観る方でも楽しんでいただけるような舞台なので、この作品が演劇に興味を持っていただくきっかけになれば嬉しいです。

温かくて明るい、幸せな気持ちになれる作品ですので、ぜひ楽しんでいただきたいです!

初主演ドラマ『つづ井さん』は転機となった作品

ーここからは藤間さんご自身についても伺えればと思います。今までで印象に残っている作品や、ご自身の転機となった作品はありますか?

藤間:俳優として初主演を務めさせていただいた連続ドラマ『つづ井さん』(2024)は、転機となる作品でした。

『つづ井さん』に出演するまでは、“自分はあくまでも作品のパーツのひとつ”という感覚だったんです。ですが、主演を務めさせていただいたことで、作品全体への責任感がより強くなりました。この経験は自身にとって大きな財産になったと思います。

ー藤間さんは舞台だけでなくNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』(2022)や『ブギウギ』(2023)など映像作品にも多数出演されていますよね。舞台作品と映像作品で演じる際の違いは何かありますか?

藤間:舞台作品では、同じ作品でも上演する劇場に合わせてお芝居の仕方や強弱を変えて演じます。一方映像作品では、舞台と違ってカメラが表情まで大きく映し出すので、よりリアルかつ繊細に演じる必要があります。

あとは、舞台の場合、長い時間をかけてチームで作品を作っていきます。映像作品の場合、ある程度ひとりで役を作り上げた状態で撮影現場に臨まなければいけないのも違う部分かなと思います。

私は幼い頃から日本舞踊をやっていて舞台で演じることに慣れていたので、最初は少しだけ映像作品に対する苦手意識がありました。

ですが、『ちむどんどん』や『ブギウギ』など様々な作品に出演させていただき経験を積んだことで、そういった思いはなくなりました。今では、舞台作品と映像作品どちらも特有の面白さがあると感じています!

最近のリフレッシュ法は編み物

ー俳優・日本舞踊家として、2025年はどういった年にしていきたいですか?

藤間:心身ともに健康を大切にする年にしたいです。

実は、30歳を迎えて少し体調を崩しやすくなっていたんです。俳優や舞踊家のお仕事は体が資本なので、お仕事にしっかり向き合うためにもまずは体調を整えたいな、と思っています。

ー体や心の健康のために、藤間さんがリフレッシュ法にしていることは何かありますか?

藤間:そうですね、舞台や映画を観に行ったり、美術館に行ったり。そういったカルチャーに触れて心が動くことが、自分にとってリフレッシュになっていると思います。アクティブなタイプなので、旅行に出かけて自然を感じるのも大好きです。

あとは、年末年始に編み物を始めました!何も考えずにただ編み続けるという単純作業が、とてもいいリフレッシュになっています。

ーそうなんですね!

藤間:でも、編み方はすごく自己流なんです(笑)。誰かに継続して習っているというわけでもなくて。

最初に少しYouTubeを見たり、おばあちゃんに基礎を教えてもらったりして、そこからは自分で試行錯誤しながら編んでいます。

ーどんなものを作られるんですか?

藤間:実は、何を作るか決めずに編み始めるんです。なので、よくわからない空洞の球体ができたりして(笑)。

最近作ったものでいうと、愛犬・晴男の帽子ができあがりました!完成形を決めずに編んでいって、何が出来上がるかなという過程を楽しんでいます。

藤間爽子(ふじま さわこ)プロフィール

1994年8月3日生まれ、東京都出身。俳優、日本舞踊家。三代目 藤間紫(さんだいめ ふじま むらさき)として日本舞踊紫派藤間流の家元を務める。連続テレビ小説『ひよっこ』(2017)で俳優デビューし、『ちむどんどん』(2022)、『ブギウギ』(2023)などに出演。趣味・特技は旅行、けん玉など。

Instagram @fujimasawako_official

紫派藤間流公式HP

藤間爽子公式HP

撮影:天倉悠喜

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