INIの木村柾哉さんが映画初出演、初主演されるとあって話題になっている映画『あたしの!』が、11月8日に公開されます。恋と友情がテーマの映画ですが、監督がこだわったという美しい映像も見どころのひとつ。笑いあり、涙ありの絶品ラブコメは、見る人を元気にしてくれます。学校一のモテ男子・直己を演じた木村さんに、役作りの苦労や共演者との撮影エピソード、おすすめのシーンなどを伺いました。
映画『あたしの!』作品紹介
真っすぐで素直過ぎる性格で、思ったことは即⾏動、自分にも他人にも嘘をつけないあこ子(渡邉美穂)。あこ子の隣には、小3からの親友・充希(齊藤なぎさ)がいつもいた。新学期、初登校の日、全女子の学校に行く原動力・学校イチの超人気者・直己(木村柾哉)が、まさかの留年により2人の同学年に降臨!
直己に一目ぼれしたあこ子は、ド直球なアプローチを開始。充希は「カッコイイと思うけど恋愛って感じじゃない」と好きではないと断言するものの、充希の怪しい動きを察知するあこ子。
先手必勝!と、直己に告白するあこ子だが、「彼女つくる気ないから」とあっけなくフラれてしまう。落ち込むあこ子だが、直己の親友・成田(山中柔太朗)から直己が彼女を作らない理由を聞き、彼を好きでい続けることを決意。一方で、充希も直己に近づきはじめていて…
恋の戦に出陣!!(2024年11月8日、全国ロードショー)
映画『あたしの!』公式サイトより引用
小学生のころの夢は“俳優”だった。「夢が叶って嬉しかった」
―映画の初出演、初のW主演おめでとうございます。
すごく素敵なラブコメでした。面白くてドキドキして、しかも映像も素晴らしかったです!
木村柾哉さん(以下、木村):そうなんです、映像がめちゃくちゃキレイで、監督も本当にこだわっていたので、それが伝わって嬉しいです!
―映画出演が決まったときは、どんなお気持ちでしたか?
木村:すごく嬉しかったと同時に、不安もあったのは覚えていますね。映画初出演で初主演、ってなかなかいただける機会はないと思うので、僕も精いっぱいお芝居しようとは強く思いました。
出演のお話をいただいてからクランクインまでの間に、原作の漫画も何度も読みました。少女漫画を読むのは初めてだったんですが、キャラクターのドキドキが伝わってきたし、こんなシチュエーションがあったらすごくときめくだろうな、という場面が散りばめられていて、すごく楽しかったです。漫画にあったモテ仕草も、お芝居の参考になりました。
―台本を始めて読んだときの感想は。
木村:キャラクターの成長が、映画の中に感じられる作品だと思いました。
ラブコメという枠の中で、最終的にそれぞれのキャラクターがひと回り大人になっていく姿に感動したし、僕は“自分と向き合って成長する姿”に弱いので、すごくいい作品になりそうだなというのは感じました。
―今回の出演が決まったとき、INIのメンバーからの反応はいかがでした?
木村:全体の会議みたいなところで「映画の出演が決まりました」って報告してもらったんですけど、“ちょい沸き”してました(笑)。
なかでも尾崎(匠海)はやっぱり、ドラマにも出ていて演技にも興味があるので、映画の撮影もすごく気にかけてくれていたし、セリフの読み合わせを手伝ってくれたりもしたんですよ。映画もめっちゃ楽しみにしてくれているみたいで、きっと見てくれると思ってます(笑)。
―優しいですね!木村さんの演技は、映画初出演とは思えないほど自然でした。セリフが自分のものになっていて、物語にどんどん引き込まれてしまいました。
木村:ありがとうございます。僕、演技の勉強はしていなくて、ちょっと不安だったんです。でも監督が絶えずそんな僕を気にかけてくれて、読み合わせをリモートでやってくださったおかげで、現場ではすごくやりやすかったです。
撮影も初めのうちは緊張したんですが、撮影が進むにつれて緊張感が消えて行って、すごく楽しく演技させてもらいました。
僕の演じた直己という役は、マイペースで落ち着いているタイプだったので、そこもよかったのかな。あこ子みたいな弾けた役だったら、空回りしてしまったかもしれないから(笑)。
―もともと、お芝居に興味はあったんでしょうか?
木村:それが、めちゃくちゃあったんです、実は。それこそ小学生のころ、“心のノート”みたいな、道徳で自分の気持ちを書くノートがあるじゃないですか。そのノートの“将来の夢”という欄に「俳優」って書いていた時期もあったくらいで。昔からドラマや映画が大好きでよく見ていたので、こうやって夢が叶ったことが嬉しいですね。
学校一の王子様役を演じながらも、高校時代の木村さんは「全然モテなかった」
―今回、木村さんが演じた直己は、学校一のスーパーモテ男子です。木村さんも、高校時代は、直己のようにモテたのではないかと思っているのですが(笑)。
木村:いや全然!高校時代は、全くモテてないです(笑)。休み時間にもひと言も話さず、席も立たず。窓側の席だったらずっと日向ぼっこしてました(笑)。
―え!それは意外です(笑)。王子様キャラの直己と木村さんとの間に、共通点はあるのでしょうか。
木村:直己と僕の共通点は、どこかミステリアスだと言われちゃうところかな。
直己は、過去の経験からいろいろ考えてしまい、周りに優しくした結果、ミステリアスと言われちゃう人。
僕の場合は、本当に何も考えていないときの方が多くて…。そういうときに限って「何を考えているのか分からない」「ミステリアスだね」って言われることがあるという。
ミステリアスって言われるところは似ているけど、言われる理由は似ていないかもしれないですね(笑)。
―直己を演じる上で難しかったところがあれば教えてください。
木村:直己はそこまで感情をあらわにしないタイプだったので、「本心ではこう思っているが、表には出さない」という部分を表現するのが難しかったですね。
直己はあこ子とは正反対。思っていることを隠したり、自分より周りを優先してしまったり…。自分の感情に気づけず、本音と裏腹な行動をとってしまう直己を表現するのに苦戦しました。
屋上で、充希が直己にあるセリフを言うシーンがあるんですが、充希はそれまで、あざといやり方で恋愛してきたのに、初めて直球で直己に自分の思いを伝える。
直己は充希のことを理解していると解釈したので、僕は最初、淡々とその言葉を受け止めるような演技をしたんですが、監督はその思いを全力で受け止めてほしかったみたいで。「直己はそういう受け止め方はしないよ!」という監督のストレートな言葉は、本当に効きました(苦笑)。
なにげない日常生活のワンシーンを自然に演じるのも難しかったですね。わざとらしさ、ぎこちなさが出ないようにお芝居するのが、結局一番大変だった気がしますね。
―そんな苦労があったとは。私には、直己の繊細な心の動きが、手に取るように伝わってきましたよ。ちなみに映画の中での、木村さんおすすめのシーンがあったら教えていただきたいのですが。
木村:僕的におすすめは、あこ子と直己が、あこ子の家で一緒に勉強しているシーンです。ふとした瞬間に2人がいい雰囲気になるシチュエーションには、演じている僕もめちゃくちゃドキドキしました(笑)。
きっと劇場に来られる方も、一番ドキドキするんじゃないかと思いますね、僕の一押しのシーンです。
あとは、あこ子が直己のことを知りたくて、親友の成田を追いかけまわす場面も好きですね。あこ子がクレイジーすぎて、トイレまで覗きに行っちゃうほどなのが面白かったです。
あこ子のように積極的な女子は「可愛らしいし、いいと思います!」
―共演者の方との撮影中の裏話があればぜひ教えてください。
木村:渡邉美穂さんと顔合わせしたとき、その場で何シーンか読み合わせをすることになったんです。僕は顔合わせも、読み合わせも、どちらも初の現場だったのに、渡邉さんが全力で演技をされていたので、すごく圧倒されたのを覚えています。
渡邉さんは、撮影中に「マスカットが余ってたから持ってきました~」「この美容液、おすすめです!」と言って差し入れをくださったり、といろいろ僕を気遣ってくれたのも印象的でした。
充希役の齊藤なぎささんはすごく気さくな方で、めちゃくちゃ面白いし、元気いっぱいで現場を明るくしてくれました。4人の中で一番年下ということもあって、撮影の直前まで話してくるので、「ちょっと静かに」と1回だけ言ったことがあるかな(笑)。きっとご本人は気持ちの切り替えが上手なんだと思います。僕は役に入るのに時間が必要だったから、つい(笑)。
―直己の親友、成田役の山中柔太朗さんとも息がぴったりでしたね。映画の中で親友を演じる2人が、まるで本物の親友同士のように見えました。
木村:実は山中くんとは以前からの知り合いなんです。だから演技をしていて、なんだか不思議な感じがしましたね。山中くんとはアドリブのシーンが多かったんですが、「全然カットかからないじゃん!」ってふたりで思いながらお芝居したのが記憶に残っています。
プライベートでも何回か一緒にご飯を食べに行ったりもしていて、すごく仲良いんですよ。
―そうだったんですね!ちなみに、今回の映画は、親友と同じ人を好きになってしまったら、という話ですが、木村さんがその立場だったらどうしますか?
木村:僕だったら…。なるようになるまで突き進む、あこ子タイプですかね。僕はあこ子ほど全力で気持ちを表現するわけではないと思いますけれど。
お互いが振られるか、どちらかが選ばれるか…決着がつくその日まで、なんとなく突き進んでいくかなという感じです。
―あこ子は、映画の中で、直己のいろんな素顔にときめきまくっていました。木村さんご自身は、女性のどんな姿にキュンとくるんでしょうか。
木村:え、なんだろう。月並みなんですけど、料理しているところとか、掃除をしているところ、どこか家庭的なところ…そういうふとした瞬間にキュンとするかもしれないです(笑)。
―もうひとつ、あこ子のように積極的にアプローチしてくる女子をどう思いますか。
木村:いいと思います。面白いし、可愛らしいし。あそこまで直球だったら、アプローチされる側としても吹っ切れるというか、「かわいい」って思えるんじゃないかなと思います。
―ありがとうございます。最後に、映画の公開を待ち望んでいるファンにメッセージをいただけますか。
木村:この映画は、友情、恋だけでなく、ほかにもすごくいろいろなことが詰まっている映画です。喜んでいただけるようなシーンもたくさんあり、見終わった後は絶対に好きになっていもらえる映画になっていると思います。わくわくしながら公開をお待ちいただけたらと思います。映画館で観てくださった方の心を動かせたら嬉しいです。
―今回の映画出演の経験は今後の活動に活かせそうですか。
木村:そうですね。今回初主演させていただいて、僕自身、お芝居の面白さが知れたような気がしています。この経験を活かして、この先も機会があればどんどんお芝居に挑戦していきたいという気持ちが生まれました。
―それは楽しみです。今後やってみたい役があればぜひ教えてください。
木村:アクションのある役、スパイにも憧れるので、そういう役に挑戦できたら嬉しいです。
木村柾哉(きむらまさや)(INI)プロフィール
1997年10月10日、愛知県出身。サバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』を通じ結成されたグローバルボーイズグループ「INI」のリーダー。TBSドラマ『君の花になる』(2022年)に出演。本作が映画初出演・初W主演となる。
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ヘアメイク/Sayaka(MASTER LIGHTS)
スタイリスト/TOGO MANAMI
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取材・文:小澤彩
撮影:髙橋耀太