明るくまっすぐな青年「太一」の役を通していると気持ちも明るくなる
『ひだまりが聴こえる』ストーリー
難聴になって以来、人と距離を置くようになってしまい独り静かに過ごしていた大学1年生の杉原航平(中沢元紀)。そんな時に出会ったのは、明るくまっすぐな性格の同級生・佐川太一(小林虎之介)だった。お腹を空かせていた太一にお弁当をあげたことがきっかけで、太一は航平のノートテイクのボランティアを引き受けることに。土足で航平の心にずかずかと踏み込んでくる太一の性格に、いつしか居心地の良さを感じるようになった航平は…。
ノートテイクを介して繋がってゆく、不器用な2人の心を繊細に描いた、切なくも儚いヒューマンラブストーリー。
引用元:https://www.tv-tokyo.co.jp/hidamari/
ー改めて、ご自身の初主演ドラマとなる『ひだまりが聴こえる』の作品紹介をお願いします。
小林虎之介(以下、小林):ヒューマンラブストーリーと言われてはいるのですが、僕は佐川太一(以下、太一)を演じてみて、すごく青春だなと感じました。
BL要素もあるのですが、それよりも大学生の青春の中に“難聴”というテーマだったり、普通の大学生の子たちの生活感だったり、すごくコミカルなお芝居をしているところもあるので、どなたでも楽しめるドラマになっているのかなと思います。
ーどういう役柄なのかについて教えていただけますか。
小林:太一はとにかく元気で、まっすぐでよく食べるし、思ったことが顔にも口にもすぐに出てしまう大学生です。
そういうキャラクターだから、何か問題があったとしてもポジティブに解決する方向に向かっていけるし、繊細さも持ち合わせる、かわいらしい男の子です。
ー太一の役はオーディションですか?オファーですか?
小林:オファーをいただきました。
以前『下剋上球児』(2023)に出演させていただいたんですけど、鈴木亮平さん演じる南雲脩司(なぐも しゅうじ)とラーメンを食べるシーンがあって、そのシーンの僕が太一みたいだったからオファーしてくださったと聞きました。
ーオファーを受けたときの気持ちはいかがでしたか。
小林:嬉しくて、勘弁してくれよと思いましたね(照笑)。
主演なんて、自分はまだまだだと思っていたし、自信も正直なかったんですけどありがたく受けさせていただきました。
ー小林さんご自身と似ているところはありますか。
小林:僕も言うときは言うけど、太一ほどオープンに話さないんじゃないかな(笑)。
とにかく太一が元気な役なので、“ちょっと疲れたな”と思ったときでも太一の役を通していると気持ちも明るくなるというか、太一のキャラクターに助けられている部分は沢山ありました。
ー“難聴”というひとつのテーマのある作品ですが、作品に臨まれるにあたって勉強されたり、準備されたことはありましたか。
小林:実際に難聴者の方や、サポートする側の方ともお会いできる機会がありました。普段どういうことに気をつけているかとか、難聴者の方からこう接してくれたらありがたいというようなお話を聞くことができたので、特に難しいなと思わずに準備できたかなと思います。
BLというよりは青春、初主演ドラマの撮影の裏話
ー撮影はまだ途中だと思うのですが、特に印象に残っているシーンはありますか。
小林:僕が演じる太一のおじいちゃん役(佐川源治役)、でんでんさんとのシーンは全部好きです。
でんでんさんと初めてお会いしたときに、一日中ずっと一緒にお芝居をするシーンがあったんですけど、息が合っている感じがして。
ーおじいちゃん役とのことですが、お芝居についてお話されたり、助言をもらったりしたのですか。
小林:そうですね。「僕はこう思ってるんですけど、でんでんさんはどう思いますか?」と聞いてみたり、お芝居への考え方についても色々と意見交換させてもらいました。
ーそうなんですね。撮影現場の雰囲気はどのような感じなのですか。
小林:比較的みんな年齢が近いので、日々みんなで話し合って一緒に良いものを作っていこうっていう雰囲気でやっています。
ほぼ毎日シーンについての話し合いがあって、そのときに僕はアイデアを出させていただくことが多いのですが、そういうことをすごく言い出しやすいチームだなって思います。
ー杉原航平役の中沢元紀(なかざわ もとき)さんをはじめ、同世代の共演者の方が多いと思うのですが、普段はどのようなことを話しているんですか。
小林:そんなにすごくしゃべるわけでもないんですけど、中沢くんとは二人で「今日の弁当おいしそうだな~」って話したりしていますね(笑)。
友人役で宇佐卓真(うさ たくま)くん、夏生大湖(なつき おみ)くんがいるんですけど、その二人もすごくいい方たちで現場の雰囲気を明るくしてくれるし、とっても話しやすい。
みんな一緒にいて楽しい方々との撮影なので、そういった雰囲気がやっぱりシーンにも出てるなって思います!
ーこの作品は原作があり、映画化もされている作品ですが、原作や映画は見ましたか。
小林:僕、あえて映画は見てないんです。“あのシーンのあの人、良かったな”と思ったら、ちょっとものまねみたいになってしまう気がして…。
“僕が演じる太一”を見てもらえたら嬉しいなって。
ーなるほど。
小林:普段から同じ理由で、日本の映像作品とかもあまり見ないんです。
映画は好きなのですが、海外作品ばかり見ています。特に韓国ドラマはオフの日によく見ていますね。
日本語ではないので真似してしまう心配がないのと、韓国ドラマに出演している俳優の皆さんは演技力も高いので、勉強させてもらっています。
ー今回、太一を演じるうえで特にこういう部分を意識したとかはありますか。
小林:今回は子どもっぽい役だったので、「落ち着きのない感じを出したいね」って原作者の文乃ゆきさんともお話しさせていただいて、太一は18歳の役ですけど、僕の中では小学生の頃の感じを思い出して、手の動きやセリフの言い方を色々考えました。
ー現在まさに撮影中とのことですが、すでに公開されている予告編を見ただけでもすごく綺麗な映像だなと思いました。
小林:そうなんです。
照明部さんと撮影部さんがすごくこだわっていて、光の加減とかも「今、この光じゃないと嫌だ!」みたいな感じでこだわってくれているんです。
僕もそういうこだわりが好きなので楽しんでいますし、素敵な映像になっていると思います。
ー作品の中で、お弁当がよく出てくると思うのですが、お弁当のシーンで何か印象に残っているエピソードはありますか。
小林:お弁当のシーンは‟お弁当の日”っていう感じでまとめて撮っているので、実は毎回お腹いっぱいで…。
おいしそうに食べているように演じたんですけど、思い出というか、思い出したくないくらいにお腹いっぱいでした(笑)。
ーお弁当のシーンの太一の表情に注目して見たいと思います(笑)。他に撮影で難しかったことはありますか。
小林:感情の動きのあるシーンがやっぱり難しくて、太一がご飯を食べながら泣くとか、怒りながら泣いちゃう癖があるんですけど、僕は普段あんまり泣いたりしないのでそれがすごく苦戦して、一回壁にぶち当たりましたね。
ーそこはどういう風に頑張ったのですか?
小林:いや、もう気合です…。
ー周りからの反応はどうでした?
小林:シーンを撮り終わった後に、上手くできているかわかんなくて (苦笑)。監督から終わった後に「よかったよ」って言ってもらったので安心しました。
ーどういう方に見ていただきたいドラマですか。
小林:BLって聞くと、もしかしたら普段見ない人もいるかなと思うんですけど、見やすく面白い作品になっていると思うので、そんなにジャンルを狭めずに見てもらいたいなと思います。
これからまた楽しみにしてる撮影とかもありますし、早く撮影来ないかなって思って、毎日とにかく頑張っているので、ぜひ色んな方に見ていただけたら嬉しいです!
「なんでもやってやるという気持ちで頑張っていた時期があるからこそ、今の僕がある」俳優としての今後に大注目
ー小林さんご自身についてももっと教えていただきたいのですが、俳優デビューのきっかけは何だったのでしょうか。
小林:色々あるのですが、父親に連れて行ってもらって、何年かぶりくらいの映画館で見た映画の『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)がきっかけの一つです。
それを見たときに、ものづくりというか、僕も何か人生で誇りに思える作品を作りたいなって思ってこの業界に興味を持ちました。
ー何歳くらいの時ですか?
小林:僕は20歳で、大学2年生の夏だったと思います。そこからもう大学も辞めて、役者を目指していきました。
ー大学生活の2年間は今回『ひだまりが聴こえる』の大学生役で役に立ったのでは?
小林:いや、それが全く役に立ってないんです。
浪人したあとに行った大学だったので、なんだか引け目というか劣等感というか、人生で一番孤独にいた時期だったので。
ーそうだったのですね…。
小林:太一とはかけ離れた大学生活だったので、こんな青春を過ごせて「こいついいな」って思いますね(笑)。
ー今までのご出演作品で俳優人生の転機となった作品は何ですか。
小林:それはもう間違いなく『下剋上球児』(2023)です。
いくら頑張っても頑張っても報われないっていう時期があって、そのときに『下剋上球児』のオーディションの話をもらって「やるしかないな」と思いました。
同世代の出演者も多いし、鈴木亮平さんとか、黒木華さんとか、生瀬勝久さんとか日本を代表するような俳優の方々に囲まれて、現場での居方とか、お芝居のやり方とかを見せてもらったり聞いたりできたっていうのが、やっぱり今の僕の土台になってると思います。
ーいくら頑張っても報われない時期を乗り越えて、続けてこられた理由は何だと思いますか。
小林:辛い時期にずっと寄り添ってもらっていたお芝居の講師の方に「お前がめげずにやってきたから、今があるんだ」って言ってもらったのがすごく嬉しくて、なんでもやってやるという気持ちで頑張っていた時期があるからこそ、今の僕があると思います。
ー負けず嫌いなのでしょうか。
小林:僕は基本的にはなんでもできちゃうタイプなんですけど、なぜかお芝居だけは難しくて。
できたと思っても、次の日にはできなくなっていたりとか、そういうところに面白さも感じたし、できないものがあるのがなんか嫌だなって感じて…負けず嫌いなのかもしれないですね(笑)。
ー役作りで意識してることだったり、演じるうえで大切にしていることは何ですか。
小林:嘘をつかないことです。あまり“演技”にしたくないというか、役がちゃんと生きている、呼吸しているような感じでやりたいから、あえてセリフも結構ふわっと入れて現場に行ってます。
共演されたベテランの俳優さん方にも、よくこのお話をするんですけど、やっぱり結論としてそこを目指してると言ってました。
先のことをあれこれ考えず、頭を真っ白にしてやるのが本当の感情が出るから、僕も30歳までにはそのやり方を確立して、お芝居をしたいなって意識しています。
ー2024年も折り返しで6月ですが、俳優として2024年はどういう年にしていきたいですか。
小林:来年につながるステップになるようにしっかりやりたいと思います。
ちょっと手を抜いたらすぐに落ちると思ってるから頑張りたいと思いますし、いつかアカデミー賞とかそういった賞を受賞できるくらい愛される作品に携わることができたらいいなって思っています。
ー最後に応援してくれているファンの方へのメッセージをお願いします!
小林:『下剋上球児』で共演したことのある中沢元紀くんと主演を務めさせていただくことになって、ファンの方々から「あのバッテリーの二人が!?」、「マジ!?」っていう反応を沢山もらいました(笑)。
ファンの方々の期待を裏切らないように頑張っていますので、ぜひ『ひだまりが聴こえる』の太一と航平も温かく見守っていただけたら嬉しいです。
小林虎之介(こばやし とらのすけ)プロフィール
1998年2月12日生まれ。岡山県出身。
オーディションを勝ち抜き、TBS日曜劇場「下剋上球児」(2023年)で日沖壮磨役にて初の地上波連ドラレギュラー出演。
2024年4月期はフジテレビ「PICU 小児集中治療室スペシャル2024」にて瀬戸廉役に抜擢された他、日本テレビ「花咲舞が黙ってない」、テレビ東京「テレビ東京×WOWOW共同製作連続ドラマ ダブルチート 偽りの警官 Season1」、読売テレビ「約束 〜16年目の真実〜」と立て続けに4作品へ出演し話題に。
2024年7月期テレビ東京「ひだまりが聴こえる」では佐川太一役として地上波連ドラ初主演を果たす。
2024年6月には「小林虎之介オフィシャルファンサイト」を開設。
Instagram 小林虎之介(@tns_kbys) • Instagram写真と動画
X 小林虎之介STAFF(@tora_k_STAFF)さん / X
オフィシャルファンサイト 小林虎之介オフィシャルファンサイト (kobayashi-toranosuke.com)
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ヘア&メイク:erika.
スタイリスト:水元章裕