『おちょやん』の天才子役、中学生になった毎田暖乃にインタビュー

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2020年後期の朝ドラ(NHK連続テレビ小説)『おちょやん』で主人公・千代の子供時代を演じ、注目を集めた毎田暖乃(まいだ のの)さん。

小学2年生でデビューしてから、ここまでお仕事を続けてこられたのは周りのおかげと謙虚に話します。

大人顔負けの演技力で魅せてきた天才子役も中学生に。今年8月からは伊藤沙莉さんがヒロインを演じる朝ドラ『虎に翼』に出演決定。今後がさらに楽しみな毎田暖乃さんの素顔に迫りました。

デビューは朝ドラ、『おちょやん』で天才子役として名を馳せる

ー子役としてデビューしたきっかけを教えてください。

小学2年生のときに朝ドラの『なつぞら』を見ていたら、だんだんお芝居に興味が湧きました。

なつぞら
戦災孤児の少女が成長し、草創期のアニメ業界で活躍していく姿を描いたドラマ

その夏休みに家族で北海道旅行をしたときに『なつぞら』のロケ地に行ったり、馬に乗ったりして、「やっぱりお芝居楽しそうだな、自分もやりたい!」って思ったのがきっかけです。

2019年後期の朝ドラ『スカーレット』でデビュー。初めてのドラマ出演はいかがでしたか?

『スカーレット』はセリフが2つ、3つくらいだったので、その時はまだお芝居のこともよく分かってなかったんですけど、私が朝ドラに出演したことをおじいちゃんやおばあちゃん、家族がとても喜んでくれたのが嬉しかったです!

思い出深い作品はなんですか?

『おちょやん』です!『おちょやん』で千代役を演じてから、お芝居がもっと好きになりました。

おちょやん
大阪の貧しい家に生まれ、女優の道を生き抜いた少女の生涯を描く

楽しかったし、すごくいい人たちに囲まれてのびのび演技させてもらったので、『おちょやん』に出演できて本当によかったと思います。

『おちょやん』に出演したときはまだデビュー間もなく、大役だったと思いますが、「のびのび演技できた」ということはあまり緊張しないタイプなんでしょうか?

緊張はするんですけど、「緊張しているように見えない」ってよく言われます。

最初は緊張して固まっちゃったりすることもあったんですけど、役に入りこむと緊張が抜けるみたいです。

スイッチが入るんですね。

役に入り込むまではめっちゃ緊張するんですけど、本当にその役に入ると、作品上の関係性ではなくて、本当の家族だったり、実際の関係性みたいに感じるので、その子(役)からしたら当たり前の環境というか、緊張はしなくなります。

カットがかかったら「あ~緊張した~!!」って素に戻ります(笑)。

役作りはどのように?何か大切にしていることとかはありますか?

その子(役)の生活だったり、過去だったり、台本に書かれていない部分を想像して、その子をちゃんと理解してから演技するようにしています。

どうやって想像するんですか?たとえば『おちょやん』で演じた千代の少女時代では、現代とは人々の生活自体もかなり違いますよね。

『おちょやん』の時代は、もちろん生まれていないし未知の世界なので、(演技の)先生に色々と教えてもらいました。

水道のない時代を体感するのに、お風呂に入るときはバケツで運んで水を溜める。何度も繰り返し運び、井戸や川から運ぶ大変さが身に染みました。

また洗濯機もない、ガスもない当時の生活をやってみることで生活の一つ一つがどれだけ大変だったかということを知ることが出来ました。                 

朝から晩までの千代の1日の生活を想像して演技に取り入れていました。

すごく丁寧に役作りをされているのですね。

『おちょやん』のときは、コロナ禍で、撮影が始まってからすぐに撮影ができなくなってしまって、学校も休みになったし、いろんなことが止まったりしていた時期で、その分、時間に余裕があったので、稽古もたくさんできました。

その時間があったから、千代になりきれたと思います。

難役に挑んだ『妻、小学生になる』で魅せた演技力の裏側

自身にとって転機になったと思う作品はありますか?

『妻、小学生になる(2022年)』かなぁ。小学生だけど中身は大人っていう役だったから、壁は大きかったです。

妻、小学生になる。
堤真一主演。ちょっと変わった3人による心温まる家族再生の物語。

その壁を乗り越えるための課題がたくさんあったので、自分自身の殻をどんどん破っていかないといけない環境だったことで成長できたし、ステップアップができたかなと思います。

本当に“お母さん”に見えましたし、すごく自然でした。何か参考にしたものとかあるんですか?

自分のお母さんを真似ました。そのままっていうわけではないんですけど、「お母さんってこんな感じかな?」って。

でも稽古はたくさんしたし、(演技の)先生からたくさん話もしてもらいました。

子供に対する母の愛情や母親目線での気持ち、旦那さんを見る目とかっていうのは私にはわからないので、話を聞いたり、参考になる本を読んだり。自分の目線じゃない、母親目線っていうのをたくさん勉強しました。

演技のスキルも上がったという実感があったのでしょうか。

自信に繋がったと思います。本当に周りの人たちのおかげです。

すごく研究して役作りをされていると思いますが、演技をするうえで大切にしていることはありますか?

役になりきって、嘘の演技をしない。その時に出てきた感情を隠さずに、とりあえず1回やってみるっていうことはいつもしています。

セリフはどうやって覚えるんですか?

セリフを覚えようとはしていないです。

その子(役)の気持ちの流れとストーリー展開をリアルに想像して飲み込んでいくと、自然に言葉が出てくる。

その時にその子が言うだろうってことを言っている感じです。

『妻、小学生になる』ではレギュラー出演でしたし学業との両立は大変だったのでは。

『おちょやん』のときはロケ地が大阪だったので自宅から通ってたんですけど、『妻、小学生になる』のときは撮影期間中はほとんど東京にいて学校はお休みしていたので、その時は両立がなかなか難しかったです。

でもコロナ禍でリモート授業があって、どこからでも授業を受けられる環境だったし、授業に出られない分をどうやって補ったらいいのかっていうところを先生や友達が協力してくれたので、撮影期間が終わって学校に行ったときも違和感なく戻れました。

お友達とはどうですか?長期間学校に行けないとちょっと距離ができちゃったり…とかはなかったですか?

友達がみんな本当にいい子たちで、撮影で長期間東京に行くことになった時も「いってらっしゃい」って送り出してくれて、長く学校に行けなかったけど、久しぶりに行ったら「暖乃おかえりー!」って迎え入れてくれて。

近寄りがたいとか思われることもたぶんなくて、みんなが本当にいい子だからかもしれないですけど、本当に応援してくれて、すごくいい友達だったし、いい先生だったし、いい学校でした。

アクションにも挑戦したい!中学生になった毎田暖乃の今後に期待が募る

お仕事をするうえで気を付けていることとかはありますか?

体調管理です。体調を崩してお仕事できなくなったら撮影が止まってしまうので、睡眠はしっかりとるとか、そこは本当に気を付けています。

今後やってみたい役はありますか?

どんな役でもやってみたいですし、アクションにも挑戦したい!いろんな経験をしたいです。

今まで毎田さんが演じた役を振り返ってみると、しっかり者の役が多い印象です。

そうですね、多いと思います。

でも『おちょやん』の時は、千代はしっかり者の女の子だったけど、春子は性格が全然違ったので、それは本当にいい経験になったと思います。

※毎田さんは『おちょやん』で千代の子供時代と、千代の姪でのちに養子となる春子の二役を演じました。

アクションってケガとか、ちょっと大変そうだなって思います。

ケガはありそうですね…。でもアクション映画が好きでよく見ていて、今はまだ見ているだけだけど、いつか自分もやれたらいいなと思っています。

キックボクシングをすこしやっていたことがあるんですけど、すごく楽しくて。休みの日に通って、ストレス発散していました。

キックボクシングですか!かっこいい!ストレス発散が目的で始めたんですね。

体を動かしたくて!

いつも言われていることなんですけど、演技をするときって本当に全身で演技をしないといけない。

悲しいときは頭の先から足の先まで細胞が悲しいと思わないといけないし、怒るときも全身で怒る。

体のすべての細胞で感じるっていうことを常に言われているんですけど、そういう意味でも体内にエネルギーがすごくあって燃えているのかなぁ。私、力もめっちゃ強いんですよ!(笑)

単純にアクションを見るのが好きっていうのもあると思うんですけど、カッコいいって思えることをやってみたいです。

お休みの日は何をしているんですか?インドアよりアウトドア派?

友達と遊んだり、映画を観たり。あとはファッションが好きなので洋服を買いに行ったりしています。

家にいるより外で誰かと過ごすほうが好きですね。

映画はどんなものを観ているんですか?

ジュラシックパークが大好きで何度も観ています!全然詳しいわけではないんですけど、恐竜が好きで。

アクションだったら『キングダム』とか。あとはジブリも観ますね。

お仕事をここまで続けてこれたのは、何がモチベーションになっているんでしょうか?

やっぱり周りの人の支えだったりとか、それこそいい作品に出会わせてもらっていて、そこですごくいい共演者さんたちに囲まれて、自分の中でいい演技ができていると思っています。

共演者さんやスタッフさん、家族や友達、本当にいろんな人に支えてもらっています。それがなかったらここまで来れてなかった。私ひとりじゃ絶対に無理です。

今後の目標だったり、どんな女優さんになりたいとかっていうのはありますか?

自分に嘘をつかない演技ができる女優さん。素直にその役になりきれる人になりたいです。

2024年も残り半年ほどになってきましたが、どんな年にしたいですか?

安定した年になればいいなって思います。いろんな出来事がある中で、いい時もあれば、あまり良くない時もあると思うのですが、そういう起伏にあまり左右されず、常に冷静に、淡々と受け止めて一生懸命にやっていきたいと思っています。

あと、たくさんの人と出会って、役の幅を広げたいっていうのもあるので、いろんな人と関われたらいいなって思います。

最後に、出演が決まっている『虎に翼』への意気込みと視聴者さんにメッセージお願いします。

『虎に翼』ヒロインの伊藤沙莉さんとは過去に一度共演させていただいたので、母娘の関係を作るのに時間はかかりませんでした。

再会した瞬間からなぜかとても安心感があり、待ち時間もたくさんお喋りして母娘の関係をより作れたと思います。ぜひ掛け合いに注目していただけたら嬉しいです。

沙莉さんの人柄のお陰で、現場はいつも笑い声が響いていて、私自身撮影が終わってしまうのが本当に寂しく感じます。皆さま、ぜひ最後まで『虎に翼』をお楽しみください。

『虎に翼』の作品概要

日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ、一人の女性の実話に基づくオリジナルストーリー。困難な時代に立ち向かい、道なき道を切り開いてきた法曹たちの情熱あふれる姿を描く。  
【作】吉田恵里香
【音楽】森優太
【主題歌】「さよーならまたいつか!」米津玄師
【語り】尾野真千子
【キャスト】伊藤沙莉 / 石田ゆり子 岡部たかし 仲野太賀 森田望智 上川周作 / 土居志央梨 桜井ユキ 平岩 紙 ハ・ヨンス 岩田剛典 戸塚純貴 / 松山ケンイチ 小林 薫
【放送】2024年4月1日(月)から放送開始  
引用・出典元:https://www.nhk.jp/p/toranitsubasa/ts/LG372WKPVV/

虎に翼
激動の昭和を生き抜いた五黄の寅年生まれの猪爪寅子(伊藤沙莉)。法という翼を手に入れ、女性初の弁護士、のちに裁判官となった女性とその仲間たちの物語が幕を開ける!...

毎田暖乃(まいだ のの)プロフィール
2011年 大阪生まれ 所属 ルート    
2019年 NHK連続テレビ小説『スカーレット』熊谷雪子役にてデビュー
《ドラマ代表作》 
NHK連続テレビ小説『おちょやん』竹井千代(幼少期役)・春子役
TBS金曜ドラマ『妻、小学生になる。』白石万里華役
NHK夜ドラ『あなたのブツが、ここに』山崎咲妃役
NHK連続テレビ小説『虎に翼』佐田優未役
《受賞歴》
第111回 ザ・テレビジョンドラマアカデミー賞『助演女優賞』 (TBS金曜ドラマ『妻、小学生になる。』白石万里華役 に対し)
《情報番組》
NHK『あさイチ』 ABC『おはよう朝日です』
その他、バラエティー、Eテレ、CM、ラジオなどにも幅広く活動 最近は、これまでに経験のない新たな活動にも意欲的に取り組んでいる

インスタグラム @maida_nono_official

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