木村慧人×長谷川慎×武知海青、MMAドラマ『レッドブルー』で演じた役への魅力と“夢を追い続ける覚悟”

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周囲を巻き込み成長していく、史上初の“総合格闘技(MMA)”を題材にしたスポーツドラマ『レッドブルー』。主人公たちの葛藤や挑戦を描くこの物語には、心揺さぶられる熱いドラマが詰まっています。

体作りや役作りを通してキャラクターに真摯に向き合った木村慧人さん、長谷川慎さん、武知海青さんの3人。

彼らが語るそれぞれの役柄への思い、撮影現場でのエピソード、そして夢を追い続ける上での覚悟や大切な心構えとは――。ドラマの魅力と共に、彼らの考える「夢の叶え方」を伺いました。

MBS/TBSドラマイズム『レッドブルー』作品紹介

少年漫画界で、いま最も勢いに乗るスポーツ漫画「レッドブルー」(少年サンデーにて連載中)の実写ドラマ化。

幼い頃から喘息持ちで病弱だった鈴木青葉(木村慧人)は、高校のクラスメイトである岩瀬三之助(長谷川慎)のストレス発散の道具として扱われながら学校生活を送っていた。

同級生である格闘技界の若きスター・赤沢拳心(椿泰我)の底抜けの明るさが昔から苦手だったが、ある日、拳心から夢がないことを馬鹿にされ「お前、空っぽじゃん…」という一言が許せず彼を“一発殴る”ことが目標に―!? 

自身をいじめていた岩瀬を“友達”と宣言し、彼の通うシャークジムへ入門。ジムの代表・時和金成(佐野岳)と岩瀬の力を借り、打・投・極、あらゆる攻撃が許される最強の格闘技“MMA”の世界へ飛び込み、最強の高校生格闘家を決める“MMA甲子園”での頂点を目指す青春ストーリー。

武知海青は「北九州の不沈艦」と呼ばれる鵺路雁丸を演じる。

毎週火曜深夜放送中。(MBS)24時59分~、(TBS)25時28分~
※総合格闘技(通称MMA)…世界中のあらゆる格闘技や武術の、さまざまな打撃技(パンチ、蹴り)、組技、寝技(関節技、締め技、抑え込み技)、投げ技の使用が認められ、ルールによる攻撃手段の制約を最大限排除したうえで競い合う格闘スポーツ。

レッドブルー
日陰者の道を歩んできた根暗な高校1年生・鈴木青葉(木村慧人)は、同じクラスの岩瀬三之助(長谷川慎)に“戦いごっこ”と称してたまにボコられつつも、満足な学校生活を送っていた。ある日、隣のクラスで格...

MBS/TBSドラマイズム『レッドブルー』公式サイトより引用

●『レッドブルー』ドラマイズム公式X @dramaism_mbs

●『レッドブルー』ドラマイズム公式Instagram @dramaism_mbs

●『レッドブルー』ドラマイズム公式TikTok @drama_mbs

青葉、岩瀬、鵺路――三者三様の魅力と役への想い

―まずは台本を読んだときの感想と、ご自身の役の魅力について教えてください。

木村慧人さん(以下、木村):台本を読んだ時は、原作に忠実に描かれているなという印象を持ちました。そのうえで、ドラマには原作にはないオリジナルの場面もあるので、それはドラマ版としてすごく楽しんでいただけるんじゃないかなと思いました。

僕の演じる青葉の魅力は、やっぱりまっすぐで、思ったことがすぐ口に出てしまうというところだと思います。言わなくてもいいことをつい言ってしまうのは、あまりよくないことかもしれないけれど、裏を返せば普通の人ができないことでもあるわけで。

空気を読まずに自分の思ったまま行動できるのは、青葉の長所でもあるよなと僕的には思いました。

長谷川慎さん(以下、長谷川):僕の演じる岩瀬は、冒頭で主人公の青葉をいじめる役なんです。台本を読んだときは、登場するときのインパクトが強いし、すごく嫌な人だという印象を受けました。

このまま嫌な役でい続けるのかなと思っていたら、徐々にイメージが変わっていきました。言動が読めないユニークなキャラクターの青葉に次第に翻弄されて引っ張られ、いつしか友達になっていくという…。

岩瀬の影響でMMAの世界に入った青葉からは、いつしか「技を教えてよ」と言われるようになって、二人三脚でMMAの世界を一緒に渡っていくパートナーのようになるんです。

青葉の成長によって、岩瀬も人としていろいろと気づかされていき、ただの悪い人じゃなく、青葉に対してすごく愛がある接し方ができるようになっていきます。岩瀬は人間の成長が見える、良い役柄だなと思っています。

武知海青さん(以下、武知):自分はこの『レッドブルー』が2024年で初めてのドラマ出演だったので、役への緊張感が沸き上がってきたというのが台本をいただいたときの率直な気持ちでした。

いただいた役は、北九州出身のヤンキー・鵺路雁丸(ぬえじがんまる)。彼の人生は喧嘩が軸となっているものの、家庭環境にもいろいろあって、もがいている中で始めたのがMMAなんです。

MMAを通して母に恩返ししたいという気持ちを不器用ながらに表現しているところが、鵺路の魅力かなと思います。

―「鵺路雁丸」って漢字、難しいですよねえ…。北九州の方言もどのように習得されたのか気になります。

武知:「鵺」、まだ書けないです(笑)。九州弁は、関西弁にイントネーションは似てるかな、という印象でした。

語尾など多少違いはありますが、九州弁の音声データをいただいたので、それに沿って理解を深め、セリフに生かしています。

3カ月かけて念入りに準備して臨んだ撮影。それぞれの挑戦

―今回はMMAに青春を賭ける高校生の群像劇ですが、撮影で印象に残ったことはなんでしょう。

木村:僕の演じる青葉は、寝技をやることが多かったんですけど、やっぱり寝技を教えてくれる、雨地役の笠松将さんからは多くのことを吸収させていただきました。

最初、人と組み技をやるということに少し抵抗もありましたし、恥ずかしさもあったのですが、それを払拭してくれたのが笠松さんでした。笠松さんが僕に思いっきり向かってきてくれたからこそ、「これ、本気でやらないとやばいな」と思って。

そこから意識も変わり、何の技をやるにもすごく積極的になれたと思います。

武知:このドラマで自分と試合をする方は、年齢的に下の世代の方が多かったので、そこはある意味、強気な態度で周りに接する鵺路とも重なる部分だと思ったので、自分の年齢も生かして、リアルな部分を出しつつ演じられたら、と思いました。

長谷川:「レッドブルー」は、撮影自体は1ヵ月半位でしたが、格闘技の稽古から含めると、大体3ヶ月弱と長丁場だったんです。

僕の役は試合をするシーンは多くないんですが、青葉に対して技を教えなければいけないという立ち位置だったので、強くて技を熟知しているという役柄のために、綿密な準備が必要でした。

念入りに手を学び、技をかける練習も何度も行いました。スパーリングのシーンはないものの、ちょっとした動作で格闘技をやっていないのがばれてしまうと思い、稽古の時は毎回スパーリングをしていました。

稽古に励みながら、体の内側に格闘技経験を染み込ませるのは結構大変だったんですが、映像を見ると実際に練習してきたことがしっかり成果として出ていたのでよかったです。

10年来の仲という青葉と岩瀬の関係値や仲の良さも、いい感じに映像に表れていたのでほっとしました。

―試合といえば、木村さんは特に試合のシーンも多いですよね。格闘技経験がない中で、技を覚えるのは大変じゃなかったですか?

木村:確かに、撮影では技の名前がいろいろあって戸惑いましたが、組技をやるときには手は決まっていたので、間違えることはなかったかな。

MMAには僕の知らない技がもっともっとたくさんあると思うので、これから1つずつ知っていきたいなと思いました。

―格闘技には興味はわきましたか?

木村:グラップラー(※)にはすごく興味が湧きましたね。格闘技は撮影後にもやってみたい気持ちはあるんですが、寝技は怪我が怖いので、怪我をしない程度に技だけ身に着け、いざというとき、自分を守るために使おうかなとも思っています。

(※グラップラー…総合格闘技の試合で、投げ技、寝技、関節技、締め技等の組技を得意とする総合格闘家のこと)

夢を諦めない力が未来を切り拓く

―『レッドブルー』は夢に向かって突き進む若者たちのストーリーですが、皆さん自身も“パフォーマーになるという夢を叶えた当事者です。今、いろいろな夢に向かって突き進んでいる読者に、ぜひ励ましのお言葉をいただきたいです。

木村:やっぱり、1度や2度の挫折を味わった位じゃ、その夢を諦めて欲しくないなぁって思ってて。挫折を知らずに夢を叶える人よりも、挫折した人の気持ちがわかる人の方が、真の意味での成功者といえるんじゃないかと思うんです。

諦めずに夢に向かって、まっすぐにただがむしゃらに頑張っていたら、絶対に夢は叶うと思うので、ぜひ楽しみながら夢を追いかけていただけたら嬉しいです。

武知:よく「夢が遠のく」という言葉を聞くんですが、それって実は、夢が遠のいているのではなく、自分から逃げているんじゃないかなと思うんです。

「夢が遠のいたから違う道に行く」のではなくて、「この夢は無理だったけれど、違う夢を追いかけたいから別の道を行く」という感じに、きちんと自分で区切りをつけることが大事なのかなと僕は思っています。

その辺を曖昧にして夢を追いかけていると、思いの強さも中途半端で、結局夢は何も叶わなくなってしまうと思うんです。

だから諦める時は諦める、頑張る時は頑張ると、どちらを選ぶにしても、ちゃんと腹をくくって進むことが大切なのかなと感じています。

長谷川:夢を叶えることはすごく難しいことだと思っています。「継続は力なり」ではないですが、日々の努力や、自分がその夢に対してどれだけ本気かということが、夢が叶うか、叶わないかにすごく関係してくるはずだと感じています。

だから、本気で夢を叶えたいんだったら、本気で叶え方を見つけて毎日努力してほしいです。

やってみて「自分には向いていない」と思ったら、区切りをつけてやめればいい。でも諦めたくないと思うんだったら、ずっと追いかけ続けることが大切だと思うんです。

本当に人生1度きりなので、自分の人生と相談しつつ、無理ない程度に楽しみながら、夢を叶えられるように頑張ってください。

―ありがとうございます!最後にドラマ『レッドブルー』の魅力を教えてください。

木村:レッドブルーは、鈴木青葉がMMAの世界に出会ってMMAの魅力にはまり、MMA甲子園の頂点を目指す話ではあるんですが…。

試合のシーンだけではなく、キャラクター一人ひとりのつながりもすごく深まっていくのも見どころで、それぞれのキャラクターに感情移入できるような物語になっています。

青葉推しの方も、違うキャラクターが好きな方にも“推し活”を楽しんでもらえるような作品だと思っているので、アニメと合わせてドラマも楽しんでいただけたら嬉しいです。

木村慧人(きむらけいと)プロフィール

1999年8月16日生まれ、東京都出身。2008年、9歳でEXPG STUDIOに入校。三代目 J SOUL BROTHERSなどのサポートダンサーとして経験を積む。2016年「FANTASTICS」を結成。2018年に「OVER DRIVE」でメジャーデビュー。KRY山口放送ラジオ『高松綾香の恋する☆オンガク』では、約3年間レギュラーコーナーを務めた。俳優活動としては、映画『HiGH&LOW THE WORST X』や『恋と弾丸』(MBSドラマ特区)、『あざとくて何が悪いの?』(テレビ朝日系)などに出演。2022年12月から放送されたMBSドラマシャワー『飴色パラドックス』ではW主演を務めた。2023年4月からは、木村慧人×山口放送プロジェクト『10keiちゃんねる』が始動。冠YouTubeチャンネルを開設し、地上波での放送もスタートした。同年10月には舞台『BREAK FREE STARS』で舞台初主演を務め、2024年6月から放送のドラマ『さっちゃん、僕は。』ではテレビドラマ単独初主演を務めるなど、活動の場を広げている。

●Instagram @keitokimura_official

●10keiちゃんねる【公式】YouTube  @10kei_ch

長谷川慎(はせがわまこと)プロフィール

1998年7月29日生まれ。THE RAMPAGEのパフォーマー。

2011年から3年間、GENERATIONSサポートメンバーとして活動。2014年に開催した「GLOBAL JAPAN CHALLENGE」にて候補メンバーとして選出され、同年9月の武者修行ファイナルで、正式メンバーとなる。2017年、1st SINGLE「Lightning」でメジャーデビュー。2017年から演技にも挑戦し『PRINCE OF LEGEND』(日本テレビ系)などに出演。

写真集『CHARACTER』発売(2022年)。2023年にシェイクスピア作品『ロミオ&ジュリエット』にてロミオ役で主演を務めた。2024年にはMBS / TBS ドラマイズム『恋をするなら二度目が上等』、ドラマL『離婚後夜』(ABCテレビ)にも出演。

●X @makoto_lo_olzzz

●Instagram @makoto.hasegawa.official

武知海青(たけちかいせい)プロフィール

1998年2月4日生まれ。THE RAMPAGEのパフォーマー。2014年に開催した「EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION」にて候補メンバーとして選出。同年9月に開催した武者修行ファイナルで正式メンバーとなる。2017年、1st SINGLE「Lightning」でメジャーデビュー。ジャンルとしては、KRUMP/Jazzを得意とする。2019年には、【SUMMER STYLE AWARD 2019 ROOKIE CHALLENGE CUP】のスタイリッシュガイ部門で総合優勝を獲得。

2022年に出演した配信ドラマ『覆面D』にてプロレスラー役を演じたことをきっかけに、2024年にDDTプロレスリング主催「Into The Fight 2024』でプロレスデビューし、初勝利を飾った。また『最強スポーツ男子頂上決戦2024秋』(TBS系)にて、番組史上初3連覇を達成。

●X @kaiche_official

●Instagram @kaisei_takechi_official

木村慧人さん出演作はこちら

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取材・文:小澤彩
撮影:髙橋耀太

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