デビュー22周年の富田翔、「役者としての可能性を信じていたい」舞台俳優としての覚悟を語る

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2002年、テレビドラマ「ごくせん」でデビュー、2003年に放送されたスーパー戦隊シリーズ第27作「爆竜戦隊アバレンジャー」で、三条幸人/アバレブルー役を務めるなど、数々の舞台に出演、4月17日にデビュー22周年を迎えた俳優の富田翔さん。

4月5日~4月16日明治座で行われた舞台、剣劇「三國志演技〜孫呉」では、程普役を演じ、続いて5月9日から赤坂RED/THEATERで始まる「再演・オウムノウシス」への主演も決まっている。(富田さん出演日は5月14日〜19日)

後輩俳優からの信頼も厚い富田さんの役者としての心構えや、舞台での共演者とのエピソードなどたっぷり伺いました!

”剣劇三國志ロス”のファンも!? 剣劇「三國志演技~孫呉」について

剣劇『三國志演技〜孫呉』あらすじ

古の中国。腐敗した後漢王朝を倒すために勃発した黄巾の乱によって国は乱れに乱れ、時の群雄たちはそれぞれの思惑を胸に覇権を争っていた。そんな中、皇帝の象徴と言われる神秘の宝・玉璽が帝の元から離れどこかに存在するという噂が流れ、多くの武将が玉璽の所有を夢見ていた。

江東の地で名を上げていた孫家に仕える武将・周瑜(荒牧慶彦)と、孫家の長男・孫策(梅津瑞樹)は、幼い頃からの親友同士。その絆は、断金の交わりのごとく強固なものであった。

孫策は、敬愛する父・孫堅(松本利夫)から戦いの中で密かに発見した玉璽を所有していることを明かされ、驚く。これぞ天命と士気を高めた父・孫堅は、いよいよ孫策にも戦へ出ることを命じる。周瑜が心配する中、呉軍は一丸となり劉表(冨田昌則)軍が待つ荊州へと攻め込んでいった。闘神のような強さで敵をなぎ倒していく父・孫堅。だが劉表の部下である黄祖(玉城裕規)の罠にかかり、命を落としてしまう。

大将軍を失い、悲嘆にくれる孫軍。孫策の弟・孫権(廣野凌大)はまだ幼く、この悲劇を十分に理解することができなかった。やがて玉璽を手に、父の夢を受け継ぐことを決意した孫策。親友の決意を汲み取った周瑜は己の身も心もすべて孫策に捧げると誓い、軍師となって重臣の程普(富田翔)、黄蓋(高木トモユキ)、韓当(郷本直也)らと共に出陣していく。ある日、単独で敵陣営に近づいた孫策の前に謎の男・太史慈(早乙女友貴)が立ちはだかり、一触即発の状態に…。

剣劇「三國志演技〜孫呉」公式サイト (kengeki-sangokushi.com) より引用

剣劇「三國志演技〜孫呉千穐楽、お疲れ様でした!メガネ姿のビジュアルが印象的でした。

富田翔(以下、富田):すごくご好評をいただいたみたいで、嬉しい限りです。最初、メガネをかけるって知らなくて、ビジュアル撮影の際にメガネを渡されて(笑)。「三國志なのにメガネ!?」って思いましたが、そのメガネがこの役を創っていく上でとても大切な一部となりました。

元々事務所が一緒で、10年以上の付き合いになる、まっきー(荒牧慶彦)が企画した作品だったのですが、彼自身の三國志愛が強くて、三國志ファンの方には”刺さる”、かつ三國志を観たことのない人にも楽しんでいただけるような、彼の想いが全部ぎゅっと詰まった舞台でした。

ー”剣劇三國志ロス”なファンの方々の声も多く見られます。舞台中でもお客さんの熱気がすごかったのではないでしょうか。

富田:本当に不思議でなかなか味わえない空間で、歴史ある明治座の舞台に立てていることに、日々感動でした。

1部(本編)と2部(特別御前試合[スペシャル殺陣ショー])の2部構成だったのですが、特に1部はピンと張り詰めた空気で、泣いていらっしゃるお客さんもいる空間で、逆に2部はライブのような大歓声でした(笑)。

殺陣をやっていて歓声を浴びるというのはなかなか無いので、公演中にお客さんが応援してくれるのはすごく気持ちも高まりましたし、お客さんの熱量をひしひしと感じながら、演じることができました。

ー舞台ではかなり激しいアクションや殺陣がありましたね。

富田:盆(廻り舞台)を回しながら階段を使ったり、走りながら戦ったり、臨場感があってすごく楽しかったです。

ただもう本当に本番中がめちゃくちゃハードだったので、身体はボロボロでみんなテーピングだらけでしたね…毎日ふらふらでしたが、皆様の拍手、ご声援に力をもらい、無事に終えられて良かったなと思います(笑)。

舞台の見どころを教えてください。

富田:まず、ストーリーがすごく良いのはもちろんなのですが、セットも凄かったです。

例えば、盆(廻り舞台)がほぼほぼ1シーンに1回は回るので、回りながら戦ったり、明治座は船が使えるので船のシーンがあったり、舞台上からセットがすべて無くなったりと、演出もかなりダイナミックでした。

ー富田さん演じる程普は、黄蓋(高木トモユキさん)、韓当(郷本直也さん)とともに幼い頃から孫策(梅津瑞樹さん)を見守る”3おじ”の1人でしたが、どのように程普を演じようと思いましたか。

富田:僕が演じた程普は、メガネをかけてインテリキャラというイメージですが、実は一番熱い人間だったりして、そのさじ加減というか、バランスをすごく考えました。

”3おじ”と呼ばれる3武将の中では、一番厳しく、前半は怒っているシーンも多いのですが、なぜそうなのかという理由が後半の周瑜(荒牧慶彦さん)とのシーンで出てくるんです。

そのシーンは丁寧にまっきーと、演出の末原拓馬さんと話しながら作っていったシーンで、日々演じ方を変えていた部分なので一番印象深いですし、お気に入りのシーンです。

ー荒牧慶彦さんとの裏話があれば教えてください!

富田:今回まっきーに声をかけてもらって嬉しかったですし、彼との関係性の中だからこそやれる芝居ができたかなとは思います。

稽古をどう積み重ねていくか、芝居をストーリーにどう影響させていくかという部分は、色々と話し合いながらやらせていただきました。

殺陣も限られた時間のなかでギリギリまでやって、企画して、主役もやって…ってどうやってやるんだろうなと見ていたのですが、稽古場での居方がとても素敵で、他の人に頼るところは頼るし、信用もしてくれるし、自分独自の座長スタイルを築き上げていて、みんながまっきーのために作り上げようと思っていましたし、学ぶことも多かったです。

5月舞台『再演・オウムノウシス』で主演・オウム役での参加も決定

『オウムノウシス』あらすじ

父親に監禁されていたオウムは18歳まで言葉を知らなかった。母親に愛されなかったインコはオウムを演劇部に誘い沢山の言葉を教えた。オウムは言葉がなければ伝わらない気持ち、言葉があるから傷つくことを知っていく。えのもとぐりむが紡ぐ言葉のシャワーを浴びてください。

脚本・演出 えのもとぐりむ

引用元:ぐりむの法則 Grimm’s Law(@grimu_pro)さん / X (twitter.com)

※キャストはA・B・Cチームのキャスト陣で構成され、富田さんはB・Cチームでの出演です。

ー5月にはまた舞台が控えていますね。演出・脚本の、えのもとぐりむさんはどのような方ですか。

富田:以前彼とは舞台で一度やらせてもらったことがあって、それ以来久しぶりに一緒にやらせていただくのですが、彼の脳内はとても面白いです。

独特の世界観があって、脚本も面白いですし、とにかく素敵な言葉が多く、心に刺さるシーンも笑えるシーンも沢山あり、とても面白い作品になると思います。

ー参加が決まったお気持ちを教えてください。

富田:数年ぶりにえのもとさんとご一緒するので、この数年でまたお互い変わったところとかもあるのかなと思うと、それをぶつけ合って一緒に作品を創れるのが楽しみです。

あとは「爆竜戦隊アバレンジャー」(2003)で仲代壬琴/アバレキラー役だった、田中幸太朗とは初舞台共演なので、僕らにしかない関係性の中で、協力して戦い合えたらいいなと思います。

ー田中さんへのオファーはもしかして、富田さんからだったのですか。

富田:そうですね、えのもとさんから「インコ役に誰かおすすめの方がいたら」と言われたので、幸太朗の名前を挙げさせていただき、あまり近年は舞台をやってないイメージだったのでダメ元でお願いしたら、快く了承してくれました!

ー田中さんを思いついたきっかけはなんだったのですか。

富田:僕のバースデーイベントや、アバレンジャー関係のイベントで、トークやちょっとしたエチュード(即興劇)をやる度に、幸太朗は毎回予想もつかないような返しやボケ方をしてくるんですよ(笑)。

それでふと思い浮かんで「彼と舞台をやったらどういうアプローチでくるんだろう」っていう好奇心から、幸太朗にお声がけすることになりました。

舞台での初共演を楽しみにしていただけたら嬉しいです!

ー劇場に足を運んでくださる方に、どのような富田さんを見てもらいたいですか。

富田:まずはある程度自分の中でストーリーを理解して、深めて、現場でやりながら生まれてくることを大切に演じていきたいなと思っています。

オウムとして生きている様、オウムの人生をぜひ見ていただきたいですし、日程ごとに出演メンバーも違うので、そのバリエーションも楽しんでいただけたらと思います。

あとは、自分も含めそれぞれ役の振り幅が大きい部分があるので、そこも注目していただきいところです。

40代を迎えて、舞台俳優としての覚悟

ーベテラン俳優としてのプレッシャーを感じるときはありますか。

富田:プレッシャーは感じない訳ではないですが、40代になってから考え方が結構シンプルになってきたと思います。

どうしても人間って生き急いでしまうというか、欲も出るし、先のことを考えてあれもしたいこれもしたいと焦ることもあるのですが、そういう部分をもう少し楽に考えられるようになったのかなと感じています。

ー大事にしている考え方についても教えてください。

富田:まずはひとつひとつ目の前のことに全力を注ぐというのは変わってないと思います。

その上で、人生折り返しているって考えたときに自分の気持ちに従って、これをやったら喜んでもらえるのかなとか、自分としてもこれをやりたいなって思ったことはやればいいし、挑戦したいと思ったことは損得勘定を考えずに挑戦したいなとは思っています。

それから今の自分の中では、素敵な仲間とどれだけ一緒にやれるか、新たな出会いもある中で、どういうところに身を置けるか、という想いが大きいですね。

ー富田さんが思う、舞台の魅力とは。

富田:同じことはまずない。その一回一回が全てで、二度とその時間がないことですね。

だからこそ常にその日100%でやる、特別な1回にしなくてはいけないと思っています。

それが、僕が舞台で演じる理由であり、舞台の魅力だと思います。

ー富田さんの殺陣や演技を観ていても、本当に40代に見えないです…!若さの秘訣や健康法はありますか。

富田:動ける身体ではいたいので、少しトレーニングはしています。

あとは週に1.2回行っているサウナですかね。

よくわからないですけど、僕は健康オタクな部分があるので、良いと言われるものはとりあえず取り入れるタイプです(笑)。

メイクさんに「毎日パックしたほうがいいよ」って勧められたので、毎日パックもするようにしています。

ー今後は舞台をプロデュースする側での活躍も期待されるのではないでしょうか。

富田:もちろん演出とか、舞台を作るっていうのにもすごく興味があって色々と模索しているのですが、最近はまず「役者としてやっていたい」っていう想いが前より強くなって、まだもっとそこで勝負したいという想いが強くなりました。

当面の目標として、自分の役者として・プレイヤーとしての可能性を信じて、何がやれるのかというところをしっかり考えていきたいなと思います。

応援してくれる方にも「まだまだもっと富田翔の舞台が見たいな」って思ってもらえるように身体に気をつけて全力で頑張ります!

ーありがとうございました!今後のご活躍も楽しみです!

富田翔(とみた しょう)プロフィール

1983年1月7日生まれ。東京都出身。2002年にTVドラマ「ごくせん」でデビュー。
翌2003年にTVドラマ・スーパー戦隊シリーズ 「爆⻯戦隊アバレンジャー」アバレブルー / 三条幸人 役で出演。その後、「忠臣蔵」(矢頭右衛門七役) 「名奉行!大岡越前」(池田大助役)、「黑い太陽」(橋爪浩司役) などの時代劇やドラマにレギュラー出演。
近年は舞台を中心に活動し、 シリーズ5作品を通して主演を務めた 「炎の蜃気楼 昭和編」(上杉景⻁/加瀬賢三役)や 「刀剣乱舞-義伝 暁の独眼⻯-」(伊達政宗役) タクフェス第7弾「流れ星」(内藤ヨージ役) など数々の話題作に出演。
その他、 書道デザイナーとしての活動を行うなど、活躍の幅を広げている。

X 富田翔(@shotomita18)さん / X (twitter.com)
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