化粧

さびれた芝居小屋の淋しい楽屋。そこに遠くから客入れの演歌が流れ込んでくるやいなや、大衆演劇女座長・五月洋子は、座員一同に檄を飛ばし始める。開演前の化粧支度の最中も稽古に余念がないなか、楽屋に洋子が昔捨てたはずの一人息子と名乗る人物が現れる。

「化粧」は、井上ひさしの原作を舞台化した一人芝居です。大衆演劇の女座長を主演に描き、演出家・鵜山仁とベテラン女優・平淑惠のタッグが実現しました。物語は、劇団が上演する演目内容と、女座長の息子との再会が切なくシンクロするという展開です。大衆演劇の世界と家族の絆を描いた作品で、観客を深く引き込む力があります。