離陸

兄夫婦と弟は同じ家に住んでいる。妻へ不信感を抱いた兄は弟に「妻と2人きりで1泊してきてほしい」と願い出る。そして、その間に起きたことを逐一報告するように言うのだった。一つ屋根の下に暮らす兄夫婦と弟の奇妙な三角関係が動きだす。

「離陸」は、変わりたいのに変われない、変わってないつもりが変わったという3人の人間関係を描いた作品です。夏目漱石の「行人」の設定を借り、三角関係の行き着く果てを描き出します。作・演出・出演を松井周が務め、2016年のVotage-2016 Kuandu Arts Festivalに参加した作品です。人間の心理や感情の変化を巧みに描き出し、観る者を深く引き込むストーリー展開が特徴です。