橘家圓太郎「甲府い(こうふぃ)」　2016年

両親を早くに亡くし、伯父夫婦に育てられた伝吉。生まれ故郷の甲府から、奉公して一旗揚げようと江戸に出たが、財布をすられ一文無しに。豆腐屋の卯の花を盗み食いし、店の者に見つかり危ういところ、主人に事情を話すと同情されて、店で雇われることに…。

「橘家圓太郎「甲府い(こうふぃ)」2016年」は、春風亭小朝の一番弟子である橘家圓太郎の高座が描かれています。容貌は師匠・小朝とは全く異なりますが、キレのいい江戸っ子口調は江戸落語の師匠譲りです。主人公のひたむきさが報われるストーリー展開と、洒落たサゲまでが特徴的で、観る者に気持ちの良い感覚を与えます。この作品は、橘家圓太郎の魅力が存分に発揮された一作と言えるでしょう。