『あやひろ』続編の加藤史帆と森カンナ。「“ベストキスシーン”はもらった!」

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去年、国内外で話題を呼んだガールズラブコメディ『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる』が、待望の2nd Stageへ。

付き合った“その後”を描く今作では、すれ違いながらも愛を育む2人の恋人生活がユーモアたっぷりに描かれます。

主演の加藤史帆さんと森カンナさんに、信頼関係で乗り切ったロケやキスシーン、『あやひろ』への思いを伺いました。

MBSドラマフィル『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる 2nd Stage』作品紹介

昨年7月〜8月に放送されていた加藤史帆×森カンナW主演のガールズラブコメディ『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる』の続編が決定!

究極のすれ違いオフィスガールズラブが話題を呼び、ドラマ『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる』は“ハマっている深夜ドラマランキング”、“Filmarks満足度ランキング”、“全世界配信プラットフォームGagaOOLalaの再生数ランキング”(GL部門全世界1位、オールジャンル(BL含む)全世界5位獲得)など数々のランキングで上位を席巻したほか、南米のHUB Awardを受賞。またSNSを中心に国内外で大きな反響を呼ぶなど、日本発GLドラマの先駆けとなった。

原作は、双葉社『webアクション』での連載が話題となりコミックス化もされたSal Jiangによる大人気GLコミックス。今回の2nd Stageは、原作者Sal Jiang監修のもと、脚本家・下亜友美が原作を務め、ドラマオリジナルのストーリーを展開する。

彩香ちゃんの猪突猛進のアタックが頑なな弘子先輩の心を解きほぐし、ついに結ばれた2人。更に勘違いが止まらない、「付き合ったその後の恋人生活」とは――。

彩香ちゃん(加藤史帆)は同じ会社の弘子先輩(森カンナ)のことが大好き。お互いをノンケと思い込んでいた2人だが、彩香の猪突猛進なアタックの結果、2人は晴れて付き合うことに!

あれから1年。弘子の家に彩香が住むようになり、同棲生活がスタートしていた。彩香があまりにも大切な弘子は、絶対に傷つけないよう安易に手を出さないと心に誓い、超・溺愛モードに突入中!一方の彩香はいつまで経っても手を出してこない弘子の姿に漠然とした不安を抱えていた。

勘違いが勘違いを呼びすれ違っていく2人は、別々の理由でハワイアンズに向かうこととなり…!?

6月26日(木) MBSドラマフィルで放送スタート!

(※MBSドラマフィル『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる 2nd Stage』公式サイトより引用)

彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる 2nd Stageの配信サービス・あらすじ・キャスト・作品概要|ユーウォッチ
彩香の猛アタックが実を結び、会社の先輩弘子と付き合い始めて1年が経った。幸せな同棲生活を始めてから半年、手を出してこない弘子に不安を抱える彩香。一方、大切な彩香を傷つけたくない弘子は、手...

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当事者からの温かいメッセージが励みに

-まずは大ヒットドラマ『あやひろ』の続編決定、おめでとうございます!

加藤史帆さん(以下、加藤):私は、冬に2nd Stageの制作が決まったって聞いて、めっちゃ嬉しかったです。漫画自体は1期で完結しちゃっているので、まさか続編ができるとは思わなかったので。

でも、『あやひろ』の現場は本当にあったかいので、またスタッフさんキャストさんと一緒にできるんだ、また集まれるんだと思ったらすごく嬉しかったですし、撮影も楽しかったです。

森カンナさん(以下、森):1期が盛り上がって、「楽しかった」って言ってくれた声が大きかったからこそ、2nd Stageに対するプレッシャーはありました。SNSなどで、「2nd Stageがどうなるかわからないから、ちょっと心配、不安」という声も聞いていたので。

でも、1期の放送中から「既にもう終わってほしくない」とか「ずっと見ていたいです」というコメント、「続編をすごく楽しみにしています」というお声をたくさんいただいたので、「よし、やろう」と覚悟を決めました。その結果、挑んで本当によかったなと思う作品になったと思います。

-1期放送後に、周囲から聞いて嬉しかった感想はありますか?

森:いっぱいあるんですよね。

中でも「自分も同性が好きで」と打ち明けてくれた当事者の方たちからのメッセージには、本当にエネルギーをもらいました。

「ドラマに救われた」とか「弘子先輩が頑張っているように、私も頑張ろうと思えた」といった声をいただいて、胸に響きました。

私たち俳優は、人の心に寄り添えているんだと感じられる瞬間があると、俳優をやっていて本当によかったなって思えます。そういう言葉が“前へ進むためのガソリン”かもしれません。

加藤:私は1期のときは日向坂46だったんですけど、『あやひろ』からグループを好きになってくださったファンがたくさんいたんです。

卒業後も、他のメンバーの子のオンラインミーグリ(ミート&グリート)に来てくださった『あやひろ』ファンの方がいたようで。

現役メンバーからの報告を聞いて、“グループのために何か残せたんだ”って思えて、本当に嬉しかったです。

-久々に再会されたお互いの印象は。

森:加藤は、1期の時はアイドルの活動でスケジュールが多忙な中、彩香ちゃんを演じていたんです。睡眠不足気味でフラフラなのも見ていました。でもアイドル卒業後の今回の撮影ではすごく元気そうで、一緒に遊べてよかった。

加藤:カンナさんは相変わらず美しくてかっこよかったんですけど、本当にご飯が好きなんだなって改めて思わされました。ロケに行くと、すぐにスマートフォンで近くの美味しいレストランを調べるんです。

撮影現場に炊飯器を持ってきて、お弁当も毎日自分で作って持ってくる。おしゃれな個人用エスプレッソマシーンとかも持参していて、とにかく衝撃の日々でした。

森も台本からかかわり、ストーリーをブラッシュアップしていった

-2nd Stageは、漫画にはないオリジナルストーリーだそうですね。

森:原作者のSal Jiang先生も監修してくださっていて、最初の本を読んだ時点で「おもろ!」って思いました。すごくワクワクして、撮影に入る前から「絶対いいものができる」って確信を持てた。実は今回、台本にも少し関わらせてもらったんです。

-プロデューサーさんからは、カンナさんの意見がかなり採用されたとお聞きしています。カンナさんのアドバイスで、ストーリーもより面白くなったとか。

森:そんなに大したことは言っていないのですが、ちょっとした言い回しや、2人の関係性についての提案をさせていただきました。

-彩香と弘子先輩の、1期との違いとは。

加藤:1期の時は、わりと「弘子先輩、スキスキスキ!」という感じの、勢いのある短文のセリフが多かったんですけど、今回は長めのセリフが多かったので、彩香ちゃんも人間力が上がっているというか、急成長しているというか…。

森:母性が出てきた彩香ちゃん!

加藤:そう、“母性彩香ちゃん”(笑)。1期よりも、本当に人間味のある、成長した彩香ちゃんを見せられると思います。

森:弘子先輩は、より格好悪い部分とか人間臭い部分が描かれています。見る人によっては「なんだよ弘子!」って思う部分もあるかもしれないというくらい、泥臭い弘子が多く見られるかもしれないです。

-2人の関係性の変化について、演技の相談をし合ったりも?

森:そうですね。毎シーン毎シーン、「きっとこういう風な気持ちだよね」っていうのは、ちょこちょこ話したりしてましたね。

加藤:自分が「これどうやって演じればいいんだろう」って困っている時、カンナさんがぼそっとアドバイスをくださるので、もういてくださるだけで、本当に安心感しかありませんでした。

「母性はどうやったら映像越しに伝わるのかなあ」みたいな時に、「仕草とかかなぁ」って、一言でクールにアドバイスしてくださるので…。

森:時々、加藤が悩んでてフリーズしてたりとかするから、そういう時に、ね(笑)。

「私だったらこうするかな」とか、「こういう時は息遣いが大事かな」とか、ちっちゃいアドバイスを伝えたかな。加藤の持ち味みたいなのが出るといいかなと思ったから。

加藤:全部助けられました。ありがとうございます!

1期からの信頼関係があったからこそ撮影できた初のラブシーン

-1期は、“2024年ベストキスシーン”で2位を取りましたよね。2nd Stageは初体験がテーマの一つで、ラブシーンもあると聞いています。

加藤:キスシーン、今回は1位取っちゃうかもですね!!完全に(笑)。

森:1期を乗り越えた森と加藤の信頼関係があったからこそ撮れたラブシーンだと思うんですよね。

加藤:キスシーンひとつとっても、顔の角度とか「もっとこうしたら良くなるんじゃないか」って、撮影チームみんなで試行錯誤して。時間をかけて大切に撮影したので、出来上がりが楽しみです。

-ハワイアンズでロケをされたそうですが、思い出に残っていることはありますか?

加藤:楽しかったですよね。

森:ほんと、ハワイアンズは思い出深いです。怒涛のスケジュールで、朝から晩までみんなハワイアンズに泊まって、たくさん撮影して。

ハワイアンズロケの序盤に、スタッフも含めてみんなでラーメンを食べたんですが、そこでチームの絆が生まれたと思います。

加藤:ラーメンがめちゃくちゃおいしかったんですよ。

森:そう!美味しかった!

撮影にも、たくさんのフラダンサーが参加してくれて、「これは何の作品だ?」っていうくらい(笑)。

加藤:ファイヤーダンスのお兄さんたちも全員総出で参加してくれて、カメラワークもめっちゃかっこよくて。

森:沢山来てくださったエキストラの方も、何日間も結婚式のシーンに並んでくださったりして協力的だったし、きっといい映像になっていると思います。

-2nd Stageは両想いの先を描く物語ですが、理想のパートナー関係や愛情を続ける努力について思ったことがあれば教えてください。

森:やっぱり、パートナーを信頼できていないと、関係もうまくいかないですよね。

信頼がなければ何でも疑ってしまうし、自分も疲れてしまう。お互いを信じ合って過ごすことはすごく大切だなと感じました。

加藤:私は、自分自身も気をつけているんですけれど、口にして確認し合うことってすごく大事だなと思いました。

思っているだけだと、すれ違ってしまうこともある。「言葉で確認する」「口に出して伝える」ことの大切さを実感しました。

お互いを“天才”と表現する2人。美肌の秘訣や女優としての展望

-お二人は、もう気心知れた仲だと思うんですが、お互いどんなところをリスペクトしていますか?

森:加藤は楽しいことを見つける天才!とにかく自力で面白くしていくことに長けていて、どんな状況でも遊びや楽しさを見つけられるんです。一緒にいて楽しいですし、加藤がいたら現場が明るくなる!

加藤:それは私がカンナさんに思っていることです。カンナさんこそ、面白いことを見つける天才ですよね。

森:確かに2人で同じ部屋にいても、違う視点から面白いことを見つけられるので…。

加藤:それを共有できる撮影期間は本当に楽しかったです。

-女優としての、今後の展望をお伺いしたいです。これから頑張っていきたいこととか、やりたいジャンルとか…。

加藤:うわー! いっぱいあります!やっぱり一度きりの人生なんで、何にでもチャレンジしたいんですけれど…。

その中でもホラーとかアクションとかは自分が好きなジャンルなので、いつかやってみたいです。

サイコパスの殺人鬼役とか、やってみたいんですよ。アイドルの時とは絶対違う一面が見せられると思うので。

森:ぜひやってほしい!見てみたい!

-加藤さんの希望が、関係者に届くことを祈っています(笑)!森さんはいかがですか?

森:私は今、階段をゆっくりゆっくり上がってきているような状態だなと思っています。

歳を重ねるごとに、一つ一つの作品に対して「これが最後になっても悔いはない」と思えるくらい、大切に向き合いたいという気持ちが強くなっていて。

手を抜かず、いただいた役に真摯に向き合っていきたいと思っています。

-あともう一つ、どうしてもお聞きしたいことが。ドラマのお二人を見ていると本当にお肌が綺麗なんですが、こうして実際にお会いしても透明感が半端ないです!美容のルーティーンがあれば教えていただけますか?

加藤:化粧を落とすことには命かけてます(笑)。どんなに疲れて寝落ちしても、深夜には起きて必ず化粧を落とすようにしています。

マスカラを落とすときは、まつげを引っ張らずにマスカラリムーバーを使って落とすことも毎回心がけているかな。

あとは休みの日はほぼ寝ているくらい、寝るのも大好き。時間があれば、しっかり寝ます!

森:私は“インナービューティー”を心がけています。 食べ物や水にこだわること、そしていろいろやりすぎないこと。

特に大事にしているのは食べ物ですね。外から入れる美容には限界があると思っているので、ビタミンを摂ったり、水をたくさん飲んだり。地道なことこそが大切だと、年々思うようになりました。

手作りのお弁当を現場に持っていくのもその一環かな。自分で作ったものをお昼に食べると安心できるんです。

-参考になります!最後に、2nd Stageの見どころを教えてください。

加藤:GLが好きだと言ってくださる方はもちろん見ていただきたいですし、GLに馴染みがないという方にも、すれ違いや恋愛の描写で共感できる部分がたくさんあると思います。

コメディーも盛りだくさんなので、ポップな感じでたくさんの人に楽しんでいただけたらうれしいです。恋愛で悩んでいる人には、ぜひ見てほしいです!

森:付き合うまでのGLドラマは今までにもあったかもしれないけれど、付き合った“後”に2人がどういう壁を乗り越えなきゃいけないかを描いた作品って、あまりなかったと思うんです。

家族へのカミングアウト、法律的に結婚ができない現実、体の関係…。そういったテーマをすごくまっすぐに描きつつ、コメディー作品であるというのが『あやひろ』の強みだと思っています。

もちろんシリアスな場面もありますが、全体として重たくない。男性にもきっと楽しんでもらえると思います。

加藤:本当にそうです!

加藤 史帆(かとうしほ)プロフィール

1998年2月2日生まれ、東京都出身。2016年に“けやき坂メンバーオーディション”に合格し、芸能界入り。その後所属グループが“日向坂46”に改名。アイドル活動の傍ら、ファッション誌『CanCam』の専属モデルやラジオのパーソナリティーとしても活動し、2021年にはシングル『君しか勝たん』でセンターに。2024年12月25日に開催された日向坂46の『Happy Magical Tour 2024』東京公演にて卒業した後は、女優・モデルとして活躍中。出演作にドラマ『筋トレサラリーマン 中山筋太郎〜メリークリスマッスル編〜』(2024)、『僕のあざとい元カノ from あざとくて何が悪いの?』(2025)など。

●Instagram @katoshi.official

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森 カンナ(もりかんな)プロフィール

1988年6月22日生まれ。富山県出身。モデルを経て、俳優に転身。
2009年『仮面ライダーディケイド』のヒロイン役として抜擢。
2025年1月期「まどか26歳、研修医やってます!」(TBS系)、現在放送中の「波うららかに、めおと日和」(フジテレビ系)など、数々の話題作に出演し多くの人々を魅了している実力派俳優。

●Instagram @kanna_mori

●X @mori__kanna

取材・文:小澤彩
撮影:髙橋耀太

加藤史帆さん:
ヘアメイク:Mao
スタイリスト:北村織乃

森カンナさん:
ヘアメイク:RYO(TRON)
スタイリスト:藥澤真澄(TRON)