リリー・フランキー&長谷川京子が語り合う、ドラマ『ペンション・恋は桃色 season4』。大人な恋と親子の物語

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役から“恋愛観”へと転じた話題。「愛してる」のミニ議論

ー長谷川さんは、この作品でのお芝居の感触などはどうですか。

長谷川:撮影を待っている間に出演者の皆さんと雑談ができたので、それが結果的にそのまますごく良いお芝居に繋がったような手応えがあります。

「とにかく役に入ってお芝居をしなきゃ」とか、「役作りのために努力をして」という感じではありませんでした。

リリー:撮影の空き時間と言えば、僕2年くらい前のドラマで空き時間が10時間ということがあって。「10時間もあるなら」って当時治療中だった歯を4本抜きに行ったことがあります。

ーその10時間の空き時間でですか!

リリー:そう。だから、シーンの前後で歯が違う。しかも綺麗な歯になって戻ってきた自信があったから、下の歯を見せがちな自分がいた。

長谷川:もうお分かりかと思いますが、現場の雰囲気もこんな感じです(笑)。本当にみなさんそれぞれで楽しんでいる感じで、私自身もこの空気感を楽しみました。

ー会話劇が魅力の作品ですし、楽しく話せる空気感だったと知れて良かったです!今作で演じられたそれぞれの役についてはどうでしたか。

リリー:今回京子ちゃんが演じたカコという役は、ヨシオの元カノで結構積極的な人だったよね。これ聞いてみたかったんだけど、京子ちゃんはカコみたいに自分からグイグイいけるタイプなんですか。

長谷川:いかないです。

リリー:自分からいかないなら、どうやってこっちに来させるんですか。

長谷川:急に恋愛の話ですか(笑)。「こっちに来させる」なんてつもりはないですけど、一緒にいる時は、とにかく私も目一杯楽しみたい。そこには全く何の狙いもないですよ。

リリー:そうなんですね。僕はカコに対してというか、改めて京子ちゃんの声の良さが印象的でした。普通のことを言っていたとしても、この声ならなんか気になっちゃうみたいな引力がありました。

長谷川:それを言うならリリーさんの声も相当なものですよ。恋愛のラジオドラマとかも面白そうですね。

リリー:確かに、ラジオドラマね。その脚本、僕書きますよ。

放送作家時代、ラジオドラマもいっぱい書きましたけど、ラジオドラマのすごいところは、例えば「ここは宇宙」の一言だけ言えば、制作費をかけずに超大作のSF映画のセットを組んでくれるところ。

長谷川:確かにそうですね。想像力がかき立てられるというか。

リリー:すみません、演じた役の話でしたね(笑)。

ー面白いお話で、私も聞き入っていました(笑)。シロウとカコの演じ方や役の魅力をお聞きしたいです。

長谷川:撮影が始まる前からアドリブが飛び交うような現場と聞いていたので、セリフは7割ぐらいにしておいて、残りの3割で即興芝居に対応できるように役作りをしました。

例えば台本では「あの件」という言葉になっているけれど、実際にお芝居で会話をしたら「その件」の方がしっくりくるなとか、そういう余白はちゃんと残しておきたいと思いましたし、逆に無理にアドリブで返さなきゃというわけでもなかったので、お芝居の自由さは結構あったかなと思います。

リリー:今回京子ちゃんは工くんとの会話のシーンが多かったけど、なんか工くん自身も役のヨシオもはっきりしない男というか、ふわっとしてるよね。

長谷川:確かにそうですね。

リリー:でもその方がかわいげがあるよ。

長谷川:私の今回の役は積極的な女性という感じだったけど、やっぱり必要な時に必要な言葉が欲しいです。

リリー:でも男の人って、なるべくありきたりなセリフは言いたくないんですよ。

長谷川:女性は、それを言わせたいんです(笑)。

リリー:そう。だから、ありきたりなセリフを言うベタな男に持っていかれがちなんです。

長谷川:女性だって「ベタなことをいう男なんて大概だ」なんてことは分かっているんです。でも、やっぱり欲しい言葉を言われると嬉しいですよ。

リリー:「分かってても言われると嬉しい」ということまで分かっているから、女心は複雑よね。

うちの親父も遺言のように、「1+1が2なんて当たり前のことを言うのもばからしいと思ってたけど、言わな分からない」って言ってたよ。

長谷川:「当たり前のことはわざわざ言葉にしない」そういう美学は女性からしたらちょっと“ふんっ”て感じかも。

リリー:これは本当に例え話ですけど、「1+1は2だよね」なんて当たり前のことを言っている男の人は、男からすると「こいつ何当たり前のことを言ってんだ」って思うけど、女の人はそれを言われると「ねっ」ってなるんですよ。

長谷川:だとするならば、「1+1は2だけど、あえて4って言っちゃってるんだな、この人」って全方向見れるくらいの広い視野で俯瞰できればいいんです。

リリー:男の人からすると「愛してる」なんて言葉は最上級の表現だから、一生でいっぺん言うか言わないかぐらいの言葉なんです。

頻繁に「愛してる」って言っている男は、男からするとおかしなやつ。でも女の人は、その「愛してる」にやられる。

長谷川:アメリカのドラマでも、付き合い始めて愛が深まったあるタイミングで男性が「I love you.」って言うけど、女性はその言葉を待っているんです。

リリー:日本では、「愛してる」を伝える前に付き合い始める大人の恋もあるよね。大人になっても、ちゃんと言葉から始まる恋の方が良いのかな。

長谷川:でも「愛している」に関して言えば、2人の仲が深まった先のゴールでもあるから、確かに最初から「愛してる」はちょっと引いてしまうかもです。

リリー:こういう話は、また京子ちゃんのポッドキャスト番組で話そうよ(笑)。

次ページ:芸能界を牽引する2人が初めて出会ったきっかけとは

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この記事の監修者

ユーウォッチを運営する株式会社GEARのライターです。
日本語学を専攻した知識とエンタメ愛を持って、分かりやすく誠実な執筆と正確な情報発信を心がけています。

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