2025年6月19日より放送スタートのドラマ『世界で一番早い春』。W主演を務めた吉田美月喜さんと藤原樹(THE RAMPAGE)さんにインタビューしました。
吉田さんは漫画家・晴田真帆(はるたまほろ)役、藤原さんは真帆の高校時代の先輩・雪嶋周(ゆきしましゅう)役を演じています。
“タイムスリップラブストーリー”の魅力やお互いの印象など、色々なことを伺いました。
ドラマ特区『世界で一番早い春』作品紹介
主人公・晴田真帆は大ヒット作「リバイブライン」を連載していた26歳の大人気・漫画家。しかし、漫画賞の授賞式で突然、「『リバイブライン』は私が作ったものではありません」とスピーチする。
高校時代に、真帆は大好きなマンガを描くために漫画部へ入部し、そこで先輩・雪嶋と出会う。真帆は、夢中でマンガを描いている雪嶋の姿に刺激を受け、自分も漫画を描き始めるが、次第に劣等感を覚え、ある日先輩に八つ当たりをしてしまう。後日、雪嶋のデビューを知った喜ぶ真帆に、突然、雪嶋の妹・紗香から電話がかかってきて、「昨晩、兄が亡くなりました――」と告げられる。
そして、紗香から渡されたのは、雪嶋が書き溜めていたマンガの「設定ノート」。真帆はその「設定ノート」を読み、後にそれを基に、「リバイブライン」を描き上げていたのだった…。
後悔を抱えたまま大人になった真帆。授賞式後の衝撃的なスピーチ後、あるきっかけで、高校時代にタイムスリップしてしまい…!?
ドラマ『世界で一番早い春』公式サイトより引用
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タイムスリップを表現する難しさと、細かく追求した役の心情

ー台本や原作の漫画を読んだときの感想を教えてください。
藤原樹さん(以下、藤原):このドラマのお話をいただいてからすぐ原作の漫画を読みました。漫画は5巻で完結と少し短めでしたが本当に話が面白くて、タイムスリップの物語ということで、色々考えながら読んでいました。
予想できない展開がたくさんありましたし、考察しながら読み進めるのがすごく楽しかったです。
吉田美月喜さん(以下、吉田):私も台本を読む前に漫画を読ませていただきました。
タイムスリップものって、回想シーンや時系列で辻褄合わせが難しい部分もありますが、今回の作品ではそういうことも特になく、やっぱり漫画で完成されているから台本を読んだときもイメージがしやすかったです。
ーなるほど。それぞれが演じられた役のイメージはどうですか。
藤原:僕が演じる雪嶋は、この作品に登場する主要メンバーの中で唯一タイムスリップしない役でした。
漫画家を目指す高校生だから、漫画を描くことに対する熱量がとにかくすごくて。見た目はちょっと怖そうだけど、喋ると可愛らしい部分もあって、そういうところが雪嶋の魅力だと感じました。
高校生を演じるというのも久しぶりだったので、高校生に戻ったかのような気分で青春を感じながら演じました(笑)。
吉田:私は真帆(まほろ)役を演じていて、真帆はすごくまっすぐで明るい子だと思いました。だからこそ、つい口走ってしまう言葉もあったりするんですけど、それだけ雪嶋先輩のことを思っているからなんだって気づきました。
明確に「好き」という言葉はあまり出てきませんが、行動から雪嶋先輩への思いがにじみ出ているのが、真帆の可愛いところだなと思いながら演じました。

ー今回お芝居をするなかで、特に意識したことはなんでしたか。
藤原:作品の中でタイムスリップが何度もあるので、時系列や「今は何回目のタイムスリップ」ということを、毎シーンごとに富田未来監督と話し合っていました。
「今は真帆と雪嶋が初めて会った次の日のこと」とか、「もう仲良くなっている場面」とか、こういう部分はお芝居をしている僕らもこんがらがってしまうので、そこはしっかり話し合いました。
吉田:私も結構似たようなところを意識していて、やっぱりタイムスリップはこの作品のキーになる部分であり、お芝居するのが難しいところでもありました。
真帆もタイムスリップを繰り返していくうちに雪嶋先輩への気持ちがいろいろ変わっていったと思います。
一番最初の高校生の時から比べると真帆の精神年齢も大人になっていると思うし、それぞれのタイムスリップで真帆が抱く感情や、どこまでの大人具合なのか、どれだけ雪嶋先輩への思いの強さを表現するかというところなどを、結構細かく話し合いました。
お互いの印象は?藤原「真帆そのまんま」、吉田「フワっとした雰囲気」

ーW主演ということですが、お互いの印象について教えてください。
藤原:真帆そのまんまな感じですね。現場の雰囲気も明るくしてくれるし、よくしゃべるし、ずっとしゃべってる(笑)。
吉田:あれ、藤原さんは結構しゃべってくれると思ったけど、私が一方的に話してたのかな。そんなことはないと思うんですけどね(笑)。
藤原:でも本当に、現場にいてくれたら雰囲気がすごく明るくなるので助けられていました。撮影も朝から晩まであって疲れている時には「自分も頑張ろう」とパワーをもらえました。
吉田:私は最初、「クールだな」って思っていました。以前に、藤原さんの出演作を見させていただいたこともありましたが、実際お会いしてみると、なんかフワっとした雰囲気を感じました。
雪嶋先輩は幽霊部員たちから怖がられつつも、ふとした時の笑顔が優しくて柔らかい、そういうところが藤原さんご自身に似ているなって思いました。
ー藤原さんは、今回のドラマにも出演されている大倉空人(おおくらたかと)さんと以前にも共演されていましたが、今回はどうでしたか。
藤原:そうですね。ついこの前のドラマ『あらばしり』(2025)で一緒でした。まさかこんなに早くまた共演するとは思わなかったし、すごく仲も深まりました。
ー以前大倉さんと同じグループの方にインタビューをしたことがありまして、大倉さんはボケがすごくて面白いと聞きました。
藤原:ずっとボケてるよね(笑)。でも、現場を盛り上げてくれるし、心強かったです。
吉田:確かに(笑)。でも、周りをよく見ている方でもあります。一緒に士気を高めるとかもそうですし、現場の空気感を大切にされている姿がすごいなって思いました。
羨ましいくらいふたりが仲良さそうでしたし、みんなで楽しく撮影できました。
共通する“やりたいことをやる”気持ち。その先に広がる可能性と挑戦

ーここからおふたりのことについて伺えたらと思います。今後の目標を教えてください。
藤原:僕の所属しているグループ・THE RAMPAGEが結成11年目の今、アーティスト活動と俳優のお仕事で、今色々なことに挑戦できているという充実感があります。
僕自身、あと数年で30代に突入するので、いい意味で自分のやりたいことをやり続けて、その結果グループに還元できるものがあるとか、そうやってつながっていけばいいなと思います。
とにかくやりたいことをやりますし、何でも挑戦してそれを楽しく仕事としてやっていきたいです。
ーお芝居の方で、やってみたい役はありますか。
藤原:アクションが好きなので、アクションがキレッキレな作品に出演してみたいです。
舞台で殺陣をやったときもすごく楽しくて、僕はダンサーでもあるので、体を動かしてお芝居をするアクションをもっとやってみたいです!
ー吉田さんはどうですか。
吉田:私は基本的にあまり嫌いなことがなくて、全部楽しめますし、チャンスが来たら全力でやってみるという気持ちでいるので、お仕事でも人生でも、いろいろな経験をしてみたいです。
結局何をやっても、俳優としてお芝居をするための経験になると思いますし、だったら好きなことややりたいことは全部やってみたいと思っています。
ーなるほど。吉田さんは以前、声優として出演された作品もありましたよね。さらに、スペインで公開される映画にも出演されると聞きました。
吉田:最近新たな挑戦をさせてもらえることも多くて、それこそ映画『ルックバック』では声優初挑戦でした。
2026年にスペインで公開される『KARATEKA』では、英語とスペイン語が飛び交う中での撮影で、初めて空手も練習して、こういうことを経験できるとは正直思っていませんでした。
「いつかやってみたい」と思っていたことが、こんなに早く経験できてよかったです。

ーおふたりとも、幅広く活動されていると思いますが、気分転換やリフレッシュになにをされますか。
藤原:僕は海外旅行に行きます。特にハワイが好きで。
ハワイの自然というか、もうハワイ自体がパワースポット。なんか病気とかも治るぐらいのパワーがある場所だと思います。
仕事で疲れた時に行くと、もうすっかり元気になって帰ってくる(笑)。
ーハワイ、いいですね。吉田さんはどうですか。
吉田:ハワイの後だとちょっと規模感が小さいかも(笑)。
私は最近は、体を動かすことが好きなんです。だからキックボクシングをして汗をかくというのがリフレッシュになっています。
ーでは最後に、今回のドラマの見どころ、W主演として演じられたおふたりが特に注目してほしいポイントを教えてください。
藤原:雪嶋と真帆の距離感が高校生らしくてかわいいですし、ふたりの雰囲気を感じ取ってもらえたらうれしいです。
多分、登場人物それぞれに皆さんが共感できる部分はたくさんあるし、雪嶋という人物の魅力が感じられるシーンもあるので、注目してみてほしいです。
吉田:本当にその通りで、この作品に出てくるキャラクターみんなかわいいんですよ!
自分の思いにまっすぐに生きている個性豊かなキャラクターひとりひとりに、ぜひ注目して見ていただけたら嬉しいなって思います。

吉田美月喜(よしだみづき)プロフィール
2003年生まれ、東京都出身。
昨年は劇場アニメ『ルックバック』にて京本役でW主演を務め、注目を集める。これまでの主な出演作に、映画『あつい胸さわぎ』、映画『カムイのうた』、ドラマ『マイストロベリーフィルム』、舞台『デカローグ7「ある告白に関する物語」』などがある。
●公式Instagram @mizukiyoshida_official

藤原樹(ふじわらいつき)プロフィール
1997年生まれ、福岡県出身。
THE RAMPAGE のパフォーマー。2017年に「Lightning」でメジャーデビュー。近年は、俳優としても活躍しており、ドラマ『明日、私は誰かのカノジョ』や『日本統一 関東編』などの話題作に出演し、2025年にはドラマ『あらばしり』で連続ドラマ初主演を果たした。2026年には映画『エリカ』の公開を控えている。
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●公式Instagram @itsuki_fujiwara_official
撮影:髙橋耀太