宇佐卓真『被写界深度』でW主演。美しい海を背景に切なくも愛おしい愛を描く

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正反対の高校生二人が少年から大人へと変わる狭間で揺れ動く切なくも愛おしいモラトリアム・ラブ・ストーリー、ドラマ『被写界深度』。

平野宏周(ひらの こうしゅう)さんと共にW主演を務めた宇佐卓真(うさ たくま)さんにインタビュー。平野さんとのエピソードや作品の魅力を伺いました。

ドラマ『被写界深度』はFODにて独占配信中で、毎週金曜日20時に最新話が配信されており、1話は無料配信されています。

ドラマ『被写界深度』作品紹介

高校生の早川秀一郎は、ある過去の出来事のために、大好きだった音楽を自ら捨て、心を閉ざしてしまっていた。ときには、その空白を埋めるために、誰かれ構わず身体を重ねることも。それでも心は満たされず、息が詰まるような苦しさに襲われたある日、早川は校舎の屋上へと向かう。空と海が美しく融けあう誰もいないその場所では、捨てたはずの音楽を自然に口ずさむことができた。

そんな屋上で出会ったのは、同級生の紺野遼平。無愛想だけれど、大好きなカメラにまっすぐ向き合う紺野に、早川は強烈に惹かれてゆく。けれど同時に、好きな事や夢に対してまったくブレない紺野と自分を比べ、どうしようもない嫉妬と劣等感を募らせていった。複雑な感情に押しつぶされそうになった早川は、ままならない想いをぶつけてしまう。その日以来、二人の関係は友情から別のものへと変化して────

FODにて配信中/毎週金曜日20時最新話配信(1話無料配信)

(※ドラマ『被写界深度』公式サイトより引用)

被写界深度の配信サービス・あらすじ・キャスト・作品概要|ユーウォッチ
高校生の早川秀一郎は、ある過去の出来事のために、大好きだった音楽を自ら捨て、心を閉ざしてしまっていた。ときには、その空白を埋めるために、誰かれ構わず身体を重ねることも。それでも心は満たされず、息...

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お互い役と重なる部分が多かった2人。初対面で“紺ちゃんだ”と思った

ーいつも明るい「ニコニコ王子」でありながらどこか虚しさを抱え、同級生の紺野遼平(演・平野宏周)に惹かれていく高校生・早川秀一郎を演じた宇佐さん。改めて、早川はどのような役柄でしたか?

宇佐卓真(以下、宇佐):早川は、好きだった音楽を過去のトラウマがきっかけで辞めることになり、自分に嘘をつくことで自分を守るようになった人物です。

僕自身、早川と似ているところがありました。僕も以前、プライベートで自分に嘘をついてるような時期があったんです。感情を隠して無理やり笑っていたり…。早川と自分自身にリンクする部分があったことで、撮影を重ねるたびにどんどん“早川になってきているな”と実感しました。

ー役作りで大切にした部分を教えてください。

宇佐:早川は音楽の才能がある役だったので、説得力をもたせるために家で毎日ギターの練習をして撮影に備えました。あとは、(川崎僚)監督が作品全体の雰囲気として“自然体”をすごく大切にしていたので、自然に演じることを心がけていました。

ー共にW主演を務めた平野宏周さん。印象はいかがでしたか?

宇佐:第一印象は、とてもナチュラルで自分に嘘がない人だと思いました。本当にただそこにいるような感じで、そういうところが紺ちゃん(紺野遼平)と似ているなと。

撮影が始まる前に、僕から連絡をしてカフェで2人きりで会ったんです。本当にスタッフさんも誰もいない状況で。W主演ということもあり、一緒にいいものを作りたいという気持ちが強くあったので、会っておきたいなって思って。

ただ、勢いで前日の夜に連絡したのはいいけど、僕はかなりの人見知りで(笑)、実際会うと“どうしよう、何話そう”ってソワソワしてしまったんです。何回も「ちょっとトイレ行ってくるね」って言って、トイレで何話すか考えたり(笑)。でも平野くんは「無理して話さなくても大丈夫だよ」ってすごく優しく言ってくれて、“ああ、紺ちゃんだ”って思いました。そこから色々作品についてお話ができて、その日の最後に「一緒に伝説を作ろう」ってグータッチしたんです!

一方で、撮影を重ねるたびに平野くんの可愛い部分も見えてきました。撮影の合間に急にスキップしちゃうような、ちょっと抜けてる人なんです(笑)。そういう可愛らしい一面も含めて、人としてすごく魅力のある人だなあと思っています。

感情が溢れるシーンでは、自然に涙が。みんなで作り上げた作品、素敵な時間が終わると思うと…

ー現場の雰囲気はいかがでしたか?

宇佐:すごく和やかで、優しい空気がずっとあるような現場でした。監督が演者を尊重してくれていて、僕たちもすごくやりやすかったです。

ー印象に残っているシーンはありますか?

宇佐:紺ちゃんと早川が喧嘩をした後に、紺ちゃんに屋上へ連れていかれて仲直りするシーンです。演技として準備していったものももちろんあるんですが、その場で生まれた感情がたくさんあるシーンです。早川が自分の弱い部分をさらけ出すシーンでもあるので、注目してほしいです!

あとは、ラストシーン。僕自身クランクアップの日でもあったので、この撮影が終わってしまうという切ない感情が重なって本当に自然と涙が溢れてきました。

平野くんと「伝説作ろう」って意気込んで始まった作品だったので僕もすごく気合が入っていたし、それに応えてくれる形で平野くんもすごく気合を入れてくれていたし…。スタッフさんや監督と沢山コミュニケーションをとりながらみんなでひとつひとつ丁寧に作り上げた作品なので、この素敵な時間が終わってしまうんだなと思ったら涙が出てました。

ー作品の魅力を教えてください。

宇佐:この作品は、前向きな気持ちになれるような作品だと思います。

早川は一度あることがきっかけで音楽から離れてしまった人物なんですが、そういう挫折する経験って誰にでもあると思うんです。小さい頃にやっていた習い事を途中でやめてしまったり、何かに挑戦してみようと思ったけれど諦めてしまったり。

そういう経験を持つ方々に、この作品を届けたいという思いでずっと演じていました。この作品を観て、もし少しでも「もう一度挑戦してみようかな」という前向きな気持ちが湧いてきたら、ぜひその気持ちを大切にして、また一歩踏み出してほしいです。

あとは、映像美もこの作品の魅力です。できれば大画面で観ていただきたいですね。テレビでも良いですし、もしご自宅にプロジェクターがあればそれでも。スマホよりも大きな画面で視聴していただいた方が、美しいロケーションから伝わってくるみずみずしい雰囲気をより楽しんでいただけると思います。

ー配信開始にあたって意気込みをお願いします。

宇佐:撮影や編集は終わっていますが、作品が本当の意味で完成するのは、視聴者の皆さんに届いたときだと思うんです。皆さんがこの作品をご覧になって、どのように感じてくださるか。僕自身もとても楽しみにしています!

ひとり暮らし歴7年で初めてアイロンを購入。「アイロンを手に入れて、人間力がちょっと上がったかも(笑)」

ーここからは、宇佐さんご自身についても伺いたいと思います。まずは、忙しい中でのリフレッシュ方法を教えてください!

宇佐:今年から毎日日記をつけています。夜に5分から10分くらい日記を書く時間を必ず確保して、その日のことを振り返るようにしています。この時間が1日を整理する大切な時間ですね。頭の中が整理されて、心がリフレッシュされている感じがします。

ー今後の目標や挑戦したいことはありますか?

宇佐:丁寧な生活を送れる人になりたいな、と思っています。実は、最近初めてスチームアイロンを買いまして(笑)。

ー初めてですか!?

宇佐:はい(笑)。2018年からひとり暮らししてるので、ひとり暮らし歴7、8年目とかなんですけど。

ーアイロンを買うきっかけは何だったんですか?

宇佐:服があまりにもしわくちゃすぎて(爆笑)。家に猫がいるので毛がついちゃうんで今まではコロコロ(ローラー)でガーっと取るだけで。もう25歳ということでちゃんとした大人にならないとと思い購入しました。

これから夏なので、上着を着てごまかすこともできないし。秋・冬だったらしわくちゃのTシャツでも上にコートとか着てごまかせるんですけどね(笑)。

アイロンを手に入れて、なんだかちょっと人間力が上がった気がします。服のシワがなくなるのと一緒に自分自身もすっきりする感じがして。しかも朝は家を出る前に、アイロンをかける時間の余裕をもって起きなければいけないので…。全てはアイロンから、丁寧な生活がはじまるみたいな(笑)。

ーなるほど、ありがとうございます(笑)。今度は俳優業に絞って、今後挑戦してみたい作品を教えてください。

宇佐:これまで出演させていただいた作品は、作風に少しファンタジー的な要素があったんです。なので次は、もっと現実味の強い作品にも挑戦してみたいです。

あとは、コメディにも挑戦したいですね。面白いものを作るのが好きだし、素はそんなに明るくないですが(笑)、演技のときははっちゃけられます!

ー以前のインタビューを拝見しましたが、脚本や監督にも挑戦してみたいとおっしゃっていましたね。

宇佐:何のインタビューを見られたんだろう、恥ずかしいな(笑)。そうですね、やってみたい気持ちはあります。

実は一度小説を書いてみたり、自分で曲を作って歌ったり色々と挑戦してみたのですが、やっぱり物を作るのってひとりじゃできないなって…ただ、基本的にモノ作りが好きなので、やってみたい気持ちはひそかにずっと持ち続けています。

ーでは、いつか宇佐さんの作品を見られるかも?

宇佐:そうですね、もしかしたら何十年後かに(笑)。

ー楽しみにしています(笑)。最後に、宇佐さんのファンにメッセージをお願いします。

宇佐:いつもSNSや配信を見てくださって、コメントでたくさんお話ししてくれて、本当にありがとうございます。僕、普段は仕事以外だとあまり人と話す機会がなくて。家には猫しかいないので(笑)。でも皆さんとお話しすることで、自分の考えていることがまとまったり、ちょっとしたストレス発散というか。そういう大切な場所を作ってくださって本当に感謝しています。

特に長く応援してくださっている方たちは、親みたいに僕の成長を一緒に喜んでくださって。あたたかい気持ちを向けてもらえることが、本当に嬉しいです。

皆さんの期待に応えられるよう、もっともっと大きく成長していけたらと思っています。これからも見守っていてください!

宇佐卓真(うさ たくま)プロフィール

2000年4月11日生まれ、福岡県出身。
幼少期からダンスやアクション、殺陣、ピアノ等を習い、2018年より俳優として 本格的に活動スタート。映画「午前0時、キスしに来てよ」(2019)、 舞台 「MANKAI STAGE A3!」(2019)、ドラマ「連続ドラマW 鵜頭川村事件」 (2022)、「パリピ孔明」(2023)、「25時、赤坂で」「ひだまりが聴こえる」(2025)に出演するなど俳優として活躍の場を広げている。趣味/特技はギター、ピアノ、殺陣、ダンス、バスケ。

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撮影:髙橋耀太

ヘアメイク/橋本裕介
スタイリスト/中北健太