広島を舞台にアメリカ人観光客と広島の若者たちが出会い過去と現在が交錯する、平和をテーマにした映画『惑星ラブソング』。
映画初主演で主人公モッチ役を演じた曽田陵介(そた りょうすけ)さんとアヤカ役の秋田汐梨(あきた しおり)さんにインタビュー。
広島での撮影秘話や映画に込めた想い、UFO博士役の八嶋智人さんにご飯に連れていてもらったエピソードなどたっぷりお話を伺いました。
映画『惑星ラブソング』作品紹介
ある日、広島の若者モッチとアヤカは謎めいたアメリカ人観光客ジョンに出会い、広島の街を案内することになる。ジョンには奇妙な力があり、街の至る所で何かを見つけていく。
一方、小学校で原爆の歴史を学び怖くなった少年ユウヤはその夜夢を見る。夢の中の少女はユウヤを戦時中の広島の街へと誘う。 彼らに起こる不思議な物語は混ざり合い、一つの大きな渦になる。
この街の過去と現代が交錯し、幻と現実が融合し始める。やがて、忘れられていた愛の歌が街に響き、人々はひとつの奇跡を見つめる。広島から放つ愛と平和のファンタジー。
2025年6月13日よりシネマート新宿、池袋シネマ・ロサほか全国にて公開
※5月23日広島県先行公開中
(※映画『惑星ラブソング』公式サイトより引用)
●Instagram @wakuseilovesongfilm
「大学時代を過ごした広島での撮影。“帰ってきたな~”(曽田)」「八嶋さんに連れられ、みんなで牡蠣やお好み焼きを食べました(秋田)」

ー映画『惑星ラブソング』は、“広島から放つ愛と平和のファンタジー”ということですが、まずは脚本を読んだときの感想を教えてください。
曽田陵介さん(以下、曽田):僕は、大学時代の4年間を広島で過ごしました。なので、広島が舞台の作品で初主演をさせていただけることがとても嬉しかったです。
戦争を扱った作品ではありますが、“平和”が大きなテーマとしてありつつ、恋愛やファンタジーなどたくさんの要素が組み込まれていて、すごく読みやすい作品でした。
秋田汐梨(以下、秋田):私も、戦争や平和がテーマと聞いて重い話しなのかなって少し構えていたんですが、台本を読んでみると全然そんなことはなかったです。予想外の展開がどんどん出てきてとても楽しく台本を読み進められましたし、どんな風に映像が出来上がるのかな、とすごく楽しみになりました。
ー広島での撮影はいかがでしたか?
曽田:馴染みのある場所でも撮ったりしたので、新鮮でした。大学生のときは広島で映画の撮影をするなんて想像もしていなかったですし、なんだか少し変な感じがしましたね(笑)。
広島でラジオに出演したりもしているので、意外と、結構頻繁に広島にいるんですよ。なので、懐かしいというよりは、“帰ってきたな~”という感じがしました。
監督は“広島の街をきれいに撮りたい”という想いをもっていて、広島の風景を大切に撮っていました。地元の方々はすごく温かく受け入れてくださって。実は、街のシーンに出てくる人々はエキストラではなく、本当に現地の方たちなんです!
秋田:私は、広島に長期間滞在するのは初めてでした。撮影の合間には平和記念公園を歩いたり広島平和記念資料館に行ったりして、歴史に触れました。この作品をきっかけに、より深く歴史を知りたい、向き合いたいと思えるようになり、撮影期間は本当に毎日充実していて、すごく楽しく過ごしました。
ー撮影が休みの日はどのように過ごしましたか?
秋田:広島はゆったりした時間が流れている場所もある一方で、少し歩くと繁華街もあって。街並みを見ているだけでも楽しかったですね。ホテルで自転車をレンタルして、銭湯巡りをしたりもしました。あとは、おすすめの料理屋さんに八嶋(智人)さんが連れて行ってくださって、みんなで牡蠣やお好み焼きを食べました。
曽田:僕は、学生当時住んでいた場所に久しぶりに行きました。温泉やサウナに入ったり、路面電車に乗って窓から見える街並みを楽しんだり。
ーそれぞれの役とご自身について、共通点があれば教えてください。
曽田:モッチは僕と似てる部分があって、本当に等身大で演じられました。モッチはやりたいことがなかなか見つからずに悶々としている大学生なんですが、僕も大学生のときは将来について悩んでいて。就活をしていた時期もあったので、自分はこの先何の仕事をやりたいんだろうとか、芸能のお仕事を続けていけるのかな、とか…。自分と重なりました。
秋田:私は“目標に向かって突っ走る”ところが自分と似ていると思いました。アヤカは、海外留学という目標に向かって走っている女の子です。留学後の具体的な目標はないけど、とにかく突き進むタイプ。私がこのお仕事を始めたきっかけはモデルなんですが、とにかく憧れの雑誌のモデルになりたい!という一心でオーディションに応募したんです。一度目は落ちたんですが、その翌年も挑戦して合格しました。その後も、“やってみたい”と思うことはなんでも挑戦し続けた結果、今があるんです。とにかく突き進むところは似ているなと思います。
ー映画の注目ポイントを教えてください。
曽田:戦争をテーマにした映画というと、どうしても残酷な場面が多い印象がありますよね。でも、この映画はそうではなくて。僕たちのような戦争を体験していない世代だと、そういう映像を見るのがつらくて、戦争について学ぶこと自体を避けてしまいがちだと思うんです。でも、この作品は残虐な場面がまったくないので、ちょっとでも戦争のことについて知るきっかけになれば嬉しいなって思います。
秋田:どの年代の方にも観ていただける映画だと思います。ぜひこの映画を観ていただいて、戦争について自ら知りたいと思うきっかけにしてもらったり、本当の意味での平和について考えてもらえたらいいなと思います。
佐藤大樹さん(EXILE/FANTASTICS)が友情出演

ージョン役のチェイス・ジーグラーさんをはじめ、出演者やスタッフは海外の方も多かったそうですね。
曽田:そうなんです。現場は英語が飛び交っていて、和気あいあいとしていました。本当に気さくな方が多くて、「よっしゃ、やろうぜ!」という感じで(笑)。
ー明るい雰囲気が伝わってきました。次に、お互いの印象を教えてください。
曽田:秋田さんは、役とのギャップがすごくあるなと思いました。アヤカはすごく社交的な性格なんですけど、秋田さん自身は物静かな印象です。
秋田:私、本当に英語が話せなくて(笑)。特に海外のキャストの方がいらっしゃる日は静かだったと思います…会話に混ざれなくて(笑)曽田さんは、海外のキャストの方にも、知っている単語を使って積極的に話しかけられていて、すごいな~と思いました。
曽田:いやでも僕、ひどい英語使ってましたね。6月2日って英語でなんだっけ?
秋田:「June 2nd(ジューン セカンド)」。
曽田:でしょ?僕、「シックスツーイヤー」って言ってて。チェイス、笑ってた(笑)。
秋田:(笑)。でも、チェイスは何を言ってもちゃんと受け止めてくれるよね。
ー(笑)。秋田さんから曽田さんへの印象はいかがですか?
秋田:本当にみんなに分け隔てなく話してかけてくださる方だなと思ったし、ムードメーカー的な存在という印象でした。
役としても幼馴染という間柄だったので、そういう雰囲気でいてくださったおかげで私も自然体でいられました。
曽田:僕、そんなみんなに話しかけてたかな?(笑)
秋田:話しかけてくれてたよ(笑)!!私は人見知りなので、みんなと仲良くなれるかなって不安だったんですけど、本当にスタッフさん含め全員を一つの輪に引き入れてくださって。すごい座長だなと思いました。
ー曽田さんは無意識のうちに現場をまとめていたんですか?
曽田:いや、ちょっとは意識してたんですけど…(笑)。でも、みんなが言ってくれるほど、あんまり記憶になくて。
秋田:すごい大きい声で明るくみんなに話しかけてました(笑)。でも、同年代には友達のように接する一方で先輩の方にはしっかり敬意をもって接していて、バランスのとり方がすごくうまいなと思いました。
曽田:いやいやいや。秋田さんには、演技の面ですごく支えられました。本当に最初からアヤカでしたね。脚本で読んだアヤカがそのままいる、と思って、本当に素敵でした。本当にアヤカでした。
秋田:本当にアヤカって(笑)。ありがとうございます。
ー今回、佐藤大樹さん(EXILE/FANTASTICS)が友情出演されていましたね。
曽田:そうなんです。大樹くんとは最初にバラエティで共演して、そのあとドラマ『around1/4 アラウンドクォーター』(2023)でも共演してすごく仲良くなったんです。映画で主演をするんだって話をしたときに「俺も出してよ~」って言われて。そのときは、何言ってるんだって思ったんですけど(笑)。
撮影が始まった頃に今度は電話がかかってきて、「今撮ってるでしょ、なんで出してくんないの」って(笑)。監督に相談してみたら、監督が「じゃあ、役作りますよ」って言ってくれて、出演してもらうことになったんです。
大樹くんはツアー中だったんですけど、忙しい中、東京から広島に来て、広島から次のコンサートに行くみたいな、そんなスケジュールで来てくれて…。本当にありがたいですよね。
秋田:そういうご縁があるのも、それこそ曽田さんの人間力だと思います。
息抜きの時間は「ダーツ、お酒(曽田)」「温かいお湯に浸かっている時間(秋田)」

ー次に、おふたりご自身についてお伺いしたいと思います。今後挑戦したいことや展望はありますか?
秋田:間を大事にするような作品に挑戦してみたいです。今まではキャラクターが確立していて、セリフで役作りをするような役が多かったんです。今後は、表情の変化で役を表現したり、内面から出るものでお芝居できるような俳優になりたいです。
曽田:山口馬木也さんっていう俳優さんが本当に素敵で。人としても、生き方も素敵ですし、お芝居の技術に関しても。あんな風になりたいなって思います。
かっこいい男に憧れていて…。木村拓哉さんとか。木村さんのYoutubeを拝見したりするんですけど、喋り方もすごくかっこいいんです。男として憧れますね。
ー忙しい中でのリフレッシュ方法はありますか?
曽田:ダーツとか…。でもダーツって、当たらないとめっちゃストレスがたまるんですよ。ストレス発散のためにやってるのに。
秋田:(笑)。
曽田:調子がいいときはすごくストレス発散になるんですけどね(笑)。あとはやっぱり、家に帰ってお酒を飲んでるときが一息つける時間なのかなって思います。
秋田:私は、お湯に浸かるのがすごく好きで。銭湯も好きだし、家のお風呂も大好きです。前までは、お風呂で寝てたんですけど… (笑)。
曽田:え!
秋田:お風呂の蓋に顎を乗せて、「30分寝よう~」って。もう、寝るためにお風呂に入るみたいな(笑)。
曽田:危ない(笑)!
秋田:最近はやめました(笑)。とにかく、温かいお湯に浸かっているときが幸せな時間です。悩み事があったらその時間に考えたりもするし、何もなくてもぼーっとしてるだけでリフレッシュされます。
ー『惑星ラブソング』というタイトルやポスターとかけて、星に願いを叶えるように願い事をするなら、今一番叶えたい願い事は何ですか?
曽田:やっぱり、この作品がヒットしてほしいです。映画がヒットして、僕が賞をとったりね(笑)。
秋田:(笑)。
私は、すごく個人的なことなんですけど、また家族みんなで暮らしたいです。私は今東京に上京してきてひとり暮らしで、お姉ちゃんも一人暮らしをしていて。母と父は実家の京都にいるんです。また家族4人で住めたらいいなぁって思います。

曽田陵介(そたりょうすけ)プロフィール
1997年10月24日生まれ、島根県出身。 2019年に俳優デビュー。主な出演作にWOWOW『アオハライドSeason1』(2023)、WOWOW『アオハライドSeason2』(2024)、テレビ朝日『Destiny』(2024)、日本テレビ『街並み照らすヤツら』(2024)、TBS『笑うマトリョーシカ』(2024)、カンテレ・フジテレビ系『スノードロップの初恋』(2024)、ABCテレビ・テレビ朝日系『いつか、ヒーロー』(2025)、映画『なのに、千輝くんが甘すぎる。』(2023)、『交換ウソ日記』(2023)など。 映画『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』が7月4日公開予定、日本テレビ『放送局占拠』が7月より放送予定。本作が映画初主演。
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秋田汐梨(あきたしおり)プロフィール
2003年3月19日生まれ、京都府出身。2015年にティーン雑誌のモデルでデビュー。その後、2017年に俳優デビュー。近年の主な出演作に、ドラマ「ふったらどしゃぶり」(2025)、Netflixシリーズ『恋愛バトルロワイヤル』(2024)、ドラマDEEP『3年C組は不倫しています。』(2024)、連続ドラマW『事件』(2023)、『彼女、お借りします』(2022)、映画『リゾートバイト』(2023)、舞台KAATプロデュース『SHELL』(2023)、パルコ・プロデュース『幽霊はここにいる』(2022)などがある。
●Instagram @shiori_akita319official
撮影:髙橋耀太
曽田陵介さん:
ヘアメイク/仙波夏海
スタイリスト/岡村春輝(FJYM inc.)
秋田汐梨さん:
ヘアメイク/菅長ふみ
スタイリスト/高野夏季(KEN OFFICE)