アニメ「ひぐらしのなく頃に」シリーズが配信されている動画配信アプリと、各作品のあらすじ、複雑なストーリーの解説、作品の紹介などをまとめています。
「ひぐらしのなく頃に」の原作は、ディレクター「竜騎士07」、同人サークル「07th Expansion」によるサウンドノベル形式のパソコンゲームです。
正式な作品タイトルとしては「な」の文字が赤文字で、英語タイトル「When They Cry」では「C」の文字が赤文字で表記されます。
ヤンデレヒロインの代表的作品ともいわれており、今後続編も期待されていますので、サスペンス・ホラー系のアニメに興味がある方はぜひ視聴してみてください。
アニメ「ひぐらしのなく頃に」シリーズを見れる動画配信アプリ
ここではおすすめの動画配信アプリ、動画配信サービスの仕組みや特典、料金や同時視聴台数、プロフィール作成の可否、配信されている作品タイトルなどの情報を解説しています。
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アニメ「ひぐらしのなく頃に」シリーズおすすめの見る順番と作品紹介
「ひぐらしのなく頃に」シリーズは「出題編」と「解答編」に分けられており、それぞれ出題編と解答編をセットで視聴するのがおすすめです。
一気に出題編を見てから、まとめて解答編を見ても問題はないですが、理解が深まる前に謎ばかり深まってわかりにくくなってしまいますので、毎回の出題編と解答編をセットで見ましょう。
ひぐらしのなく頃に(2006年)

昭和58年、古い因習が残る雛見沢村で起こる連続怪死事件、「綿流し」というお祭りが現存している事実などを描き出しているサスペンスホラー描写が多めの作品です。
「ひぐらしのなく頃に」の構成は以下の通りです。
- 1話~4話:鬼隠し編(ハジマリ・隠しごと・疑心・歪)
- 5話~8話:綿流し編(嫉妬・タカノ・嘘・願い)
- 9話~13話:祟殺し編(兄・キズナ・境界(さかいめ)・失しモノ・謝罪)
- 14話~15話:暇潰し編(ヒナミザワ・兆し)
- 16話~21話:目明し編(初恋・ケジメ・鬼の血脈・仕返し・冷たい手・断罪)
- 22話~26話:罪滅ぼし編(幸せ・還る所・34号文書・地球侵略・リテイク)
まず最初は1話から26話まで順番に見ていくのがおすすめです。最初から物語を全部理解しようとしても難しいため、まずは「ひぐらしのなく頃に」の世界観や雰囲気にどっぷり浸かるのが良いでしょう。ストーリー上セットになっているのは以下の通りです。
【鬼殺し編】
- 1話~4話:鬼隠し編(出題編)
- 22話~26話:罪滅ぼし編(解答編)
【綿流し編】
- 5話~8話:綿流し編(出題編)
- 16話~21話:目明し編(解答編)
まずは「ひぐらしのなく頃に」の1作目で出題編と解答編がセットで描かれているものは、この2つ「鬼隠し編」と「綿流し編」から理解していきましょう。
【祟殺し編・暇潰し編】
- 1期9話~13話:祟殺し編(出題編)
- 1期14話~15話:暇潰し編(出題編)
- 2期6話~13話:皆殺し編(解答編)
1期の9話~15話の内容の解答編は2期の6話~13話になってようやく出てきますので、一旦後回しにしましょう。「ひぐらしのなく頃に」の1期を見終えてから、まだ解決していない謎が残っている状態のまま次を見続けて問題ありません。
作品の魅力や見どころ
本作を理解するのに欠かせないのが「雛見沢連続怪死事件」と「綿流し」の風習です。
雛見沢連続怪死事件は、作中の1979年から1983年に起きた「綿流し」と呼ばれる儀式の後に毎年1人行方不明になって死亡した状態で見つかるという事件のことです。
世界線によってその後の展開が異なりますが、毎年死者が出る、行方不明者が出るという点は共通しています。
「綿流し」の儀式は、村から集めた布類や布団を巫女が切り裂き、1年間の穢れをこめて川に流すという内容ですが、起源はもっとえげつない内容でした。
起源として知られているのは「鬼ヶ淵」の仙人が人を誘拐してその人の内臓(ワタ)を食ってから川に流したという逸話です。
一人は死亡、一人は行方不明になるという法則のほか、儀式のことを探っていた圭一らに起こる辻褄の合わない事件の数々が物語をより深い闇へと導いていき、誰がどのタイミングで生きていたのか、または、死んでいたのか分からなくなってくるというホラー要素が出てくるのが魅力の一つです。
作中で触れ合ったり、話したりした時には死んでいないとおかしいはずの人物が実際にそのときには生きていたことを確認しており、現実で体験したことと実際に科学的な検証で話が合わない事例が複数出てきます。
シリーズの最初の数秒で一方的な殴打と流血シーンが描かれてはいますが、初めはのんびりとした日常系アニメの様子を見せていました。
だんだんと様子がおかしくなっていき、サスペンスの要素を飛び越えて一気にホラーな展開になっていきます。じわじわと押し寄せてくる恐怖心や謎の数々が視聴者の心を締め付けるように、主役とも言える圭一の精神や心も締め付けていきます。
1期序盤に多くの伏線が含まれている
魅音のちょっとした発言や態度、ジョークのほかレナの見せる陰を感じる姿や顔つき、声のトーンが明確に変化する様子もあり物語の本質が滲み出てきている様子もあります。
カメラマンの富竹もただのカメラマンにしてはかなりガタイが良く、しっかりマッチョで単なるカメラマンではない事が見るだけで分かります。
物語序盤ではただのカメラマンとしてしか登場しないですが、地味に重要なヒントを与えてくれている人物です。
魅音の発言に複数回繰り返されているループが存在するような表現も含まれており、レナが急に圭一と話している時に内緒や隠し事の有無で厳しいトーンで話す様子などもレナの本性を垣間見せているような所があります。
大石刑事と圭一が謎解きをし始める様子から連続怪死事件やダム建設に関連する事件について、レナが圭一を疑うような、調査をするような仕草を見せる所もあり、大石刑事との会食を魅音やレナに棒読みと猫のような眼球で追求されるシーンもあり、その世界や環境の異常性をじわじわと高めていきます。
オヤシロ様の祟りとは|オヤシロ様とは?
オヤシロ様の祟り(鬼隠し)が起こった綿流し祭りの日の出来事の元凶でもあり、古手梨花らが関わる本シリーズにおいて重要な鍵となる存在です。
古手家に生まれる子どもが8代続けて第一子が女子だった場合は、その子はオヤシロ様の生まれ変わりと言われており「古手梨花」は村の者たちにも大切にされていますが、梨花はオヤシロ様とコミュニケーションをとって声を聞き届けているような様子も見受けられます。
古手神社祭具殿に仏像があり、その姿がオヤシロ様と似ているとも言われています。
本作「ひぐらしのなく頃に」の舞台となっている雛見沢村(旧:鬼ヶ淵村)は鬼が暮らす世界と隣合わせにあるとされており、人喰い鬼と人間がともに暮らせるように間を取り持って平和にしてくれたのが「オヤシロ様」とも言われており、竜宮レナもオヤシロ様の声を聞いた事があるようでかなり執着しているという背景もあります。
秘密結社《東京》と存在意義
作中ではあまり多く語られない「秘密結社《東京》」は日本を裏から牛耳っている組織で、雛見沢症候群のほか、公にはできないプロジェクトを実行しています。戦後、日本が復活することを目論んでいた背景もあります。
雛見沢症候群という風土病についての研究もしている組織で、慣習としても村への出入りを禁ずる決まり事があり、風土病への対策として出入りそのものがNGになるということは、結果的にそれしか取れる方法がないということも意味しています。
雛見沢症候群を軍事利用しようとした「入江機関」も秘密結社《東京》の一部で、鷹野や富竹のバックについているのも秘密結社《東京》です。
この風土病の治療薬を開発しようとしている様子もありますが、風土病の元凶となる存在がかなり特殊なため十分対策はできておらず、封じ込めておくことしかできない状態が続いています。
1話~4話:鬼隠し編(出題編)→22話~26話:罪滅ぼし編(解答編)
初めて「ひぐらしのなく頃に」を見る場合は、「鬼隠し編」を見たあとに「罪滅ぼし編」をすぐに見るのがおすすめです。若干途中の話が途切れるような描写はありますが、「鬼隠し編」の裏で起きていたことが明かされます。
竜宮レナに隠されていた陰の原因、起きた事件の裏側、レナが抱えている闇と怒りも明かされます。主にレナ目線でストーリーが進行しており、圭一目線で見えていた人物像との違いもはっきり見えてきます。
鬼隠し事件の真相は、レナが自身の家族を守るために、また、ある意味で村の人々を守るために起こしたことでもありますが、少女にしてはかなり手慣れている様子です。
レナの心の内や過去が明かされていくため、キャラクターとしての深い闇が視聴者に刷り込まれていきます。これを見てから再び1話を見ると、ふんわりした展開の中にも身の毛がよだつようなシーンがあることがあります。
24話からは大石刑事が登場する「34号文書」では、1話から4話では圭一が経験していた立場をレナが体験している様子も描かれており、富竹と鷹野の死についても触れられています。
雛見沢御三家、オヤシロ様信仰の復活、寄生虫による感染症、寄生虫の宿主と子の関係などが語られますが、それでもなお最後まで答えが分からないという謎が謎を呼ぶ展開が続きます。
ここまででは、圭一の世界線、レナの世界線、そして、ラストシーンでは梨花も繰り返される6月をずっと過ごしていることが明かされて作中で早々に死んでしまう富竹と鷹野の存在の違和感に気づいたかのようなシーンで幕を閉じます。
この8話だけでもかなり濃厚で複雑なストーリーになっており、きちんと理解するにはアニメだけでは無理な部分もあるため、まずは1度全シリーズを履修するのがおすすめです。
5話~8話:綿流し編(出題編)→16話~21話:目明し編(解答編)
鬼隠し編とは異なる世界線を描いている様子で、早い段階で富竹と鷹野、園崎魅音と双子の園崎詩音、大石刑事も登場しています。綿流し祭りとダム戦争にまつわる出来事も圭一に対して割と早い段階で明かされます。
鬼隠し編と異なるのは祭具殿に入っていく鷹野、詩音、圭一と彼女ら・彼らに起こる新たな災難についても描かれます。
この時、富竹は入口を見張っているだけでしたが、祭具殿に入ったという扱いになっています。富竹と鷹野は綿流しの祭りの際に再び死んだとされています。
園崎家がどのような組織なのかが明かされるのもこの「綿流し編」で、いわゆるヤクザ一家とその双子の娘のほか、2人が死んでしまったため2人が行方不明になるはずという新しい展開、新しい事情を抱えて物語が進行します。
園崎家が鬼ヶ淵村を受け継いできた者であり、かつ、鬼の末裔であることも圭一とレナに明かされてから、感染症の話とはまた異なる問題が出てきて話が複雑になっていきます。
出題編のラストでは死んだはずの者が圭一を襲ったということになるなど、魅音に宿る鬼やその謎が深まっていくことになります。
綿流し編の冒頭は「嫉妬」、目明し編の冒頭は「初恋」から始まっていることから、魅音が圭一に対して嫉妬しており、それが初恋である可能性があることがタイトルから明かされています。綿流し編においても圭一はすぐに始末せずに最後まで手をくださなかったことからその感情が伺えます。
目明し編は、ほぼ園崎詩音の怨念、復讐心、怨恨などが煮詰められたような内容になっており、園崎詩音が魅音になりかわりつつ、恨みを持っていた相手を消して復讐していくという狂気の塊のようなストーリーになっています。
綿流し編では魅音がやくざ者としてケジメを通しているようにも見えましたが、実際には詩音が抱いていた家族への恨み、復讐心、初恋の人がいなくなったことへの恨みなどを元にして賢く残酷、かつ、醜悪に立ち回っており、鬼の血を持つ者よりも恐ろしい鬼となった詩音の様子が描き出されています。
自身は詩音でありながら、周囲からは魅音として扱われることへの悲しさや虚しさは極力隠されており、圭一にも見抜かれないまま終わりを迎えます。
牢屋に入れられた魅音はその場所に連れてこられた者である園崎家のお魎、村長、沙都子に起きた実態を知っていたため、魅音が詩音を見た時に圭一が殺されるかもしれないことに恐怖して魅音が叫んでいたことが明らかになります。
綿流し編で落下死したのが魅音ではなく、詩音だったことも明かされますが、ベッドの下から出てきて圭一を襲ったのは詩音なのか魅音なのか分からなくなります。
ストーリーの流れ的には詩音であるはずですが、このシーンは圭一が幻覚を見ているというのが正しい理解とされており、現時点ではまだまだ謎の多い状況です。
ここまでの展開では、風土病や感染症、因習の残る村と古くから残る御三家の名残など和風サスペンスホラーの雰囲気が強いですが、これ以降に明かされる内容が全てをひっくり返すほどのものになるため、1期を見たら、2期も見ないとただただ後味の悪い作品を見たという感想だけで終わってしまいます。
放送年 | 2006年 |
話数 | 26話 |
キャスト | 前原圭一:保志総一朗 竜宮レナ:中原麻衣 園崎魅音:雪野五月 北条沙都子:かないみか 古手梨花:田村ゆかり |
スタッフ | 監督:今千秋 アニメーション制作:スタジオディーン 原作:竜騎士07、07th Expansion キャラクターデザイン・総作画監督:坂井久太 音楽:川井憲次 |
ひぐらしのなく頃に 解(2007年)

本作「ひぐらしのなく頃に 解」は、いわゆる「ひぐらしのなく頃に」シリーズの2期と言っても良いものですが、1期にあたる前作「ひぐらしのなく頃に」の謎を解き明かすような内容がほとんどで、出題編と解答編を見てもよく分からなかった謎が明らかになっていくのが「ひぐらしのなく頃に 解」以降です。
- 厄醒し編(2話~5話)
- 皆殺し編(6話~13話)
- 祭り囃子編(14話~24話)
に分かれており、厄醒し編はアニメだけのオリジナルストーリーです。1期「ひぐらしのなく頃に」の解答編となっているものもあり、以下のものはセットで見ても良いでしょう。
1期「祟殺し編&暇潰し編」(出題編)→2期「皆殺し編」(解答編)
祭り囃子編は1期と2期を合わせての一応の完結編となっており、物語のフィナーレ、エンディングと言える内容が含まれています。
第一話の「サイカイ」の時点でB級映画かのような展開が語られていきます。宇宙人の存在、34号文書(鷹野三四の書き残したスクラップ帳)、オカルトチックな内容から政府や自衛隊の関わる巨大な陰謀があったのではないかと予想されており、1期「ひぐらしのなく頃に」で起きていた事の裏側が語られていきます。
主に大石刑事と赤坂衛、大人になった竜宮レナなども登場して、視聴者に物語の答えを解説するかのような流れで真実に触れていきます。
祟殺し編と暇潰し編の内容
2期「ひぐらしのなく頃に 解」で明かされる「皆殺し編」は「祟殺し編」と「暇潰し編」の内容とセットで知る必要があります。
「祟殺し編」では、行方不明になっている悟史と家庭の事情を抱えている沙都子に焦点をあてたストーリーで野球部の入江監督の登場も印象的です。
「祟殺し編」ではすでに双子の魅音と詩音がおり、沙都子の境遇や背景が明かされていき、沙都子の叔父の鉄平(金髪のチンピラ)による虐待も判明します。
その後、圭一が綿流しの祭りの時に鉄平を撲殺して埋めたはずが、鉄平の遺体が見つからず、周囲の目撃情報にも違和感が残り、入江監督の自殺、大石刑事の失踪など謎の多い事件が起き続けます。
沙都子と圭一が逃げている最中、圭一の挙動を恐れた沙都子は圭一と離れて行動します。
その際、圭一が梨花の遺体を見つけた所に沙都子もその場に居合わせたことで、沙都子は「圭一が梨花を殺した」と勘違いし、沙都子は圭一を川底に突き落とします。
金髪のチンピラである鉄平は、「罪滅し編」ではレナによって殺されています。「罪滅し編」では、鉄平とその女がレナの父親を騙して金を巻き上げようとしていたことから、レナが家族を守るために鉄平に手を下して処分しています。
「祟殺し編」では、映像としては圭一が鉄平を殺した描写がありましたが、これは圭一が雛見沢症候群の軽度発症者となっていたことが原因で幻覚を起こしていたと考えられています。
圭一は鉄平を殺したと思い込んでいましたが、実際はただの幻覚でしかなかったため認識の相違が生まれたと考えられます。
「暇潰し編」では、ダム戦争が起きる初期の頃の時代を描いており、ダム工事の現場監督の死亡、警視庁の若手刑事「赤坂衛」が登場し主人公
のような立ち位置として描かれます。
雛見沢では、ダム工事反対運動も起きていましたが、「赤坂衛」は誘拐された建設大臣の孫の捜索のため雛見沢ウォッチングに参加し、梨花ともそこで出会います。
最後には古手神社から雛見沢(白川郷がモデル)全域を見下ろすように眺められる場所に到着するシーンは村の全景が映し出される貴重なシーンでもあり印象的です。
梨花と赤坂はその後これから起こる悲劇についての情報を共有したり、大石と赤坂が情報共有してこれから起こる惨劇についてすでに知っているかのような状況が固まっていきます。
前日譚的な内容となっていますが、結局謎が深まる一方で、ここまでに出てきた梨花が重要な鍵となっていることもはっきりとしてきます。
「皆殺し編」では、これまでの時間巻き戻しでは起きなかったことが起き続け、主に「前原圭一」の存在により過去に起きた惨劇のほんのささいなきっかけが打ち消されていきます。
時間巻き戻しの中で記憶を保持し続けている古手梨花が大勢の仲間を信頼して運命に立ち向かおうと決意を新たにする様子もありつつ、再び悲劇が起きてしまうもののこれまでとは明らかに異なる変化に何かを予見しつつあります。
過去とは言わないまでも時間巻き戻しをする前の記憶が遠い昔のことのように刻まれているためか、圭一やレナも、魅音・詩音も、そのかすかで頼りない記憶を元に悲劇を回避したり、共に戦ったりするようになるのが本作「ひぐらしのなく頃に 解」の特徴でもあります。
真相が明かされながら、その運命に抗おうという姿勢が強くなっていきます。
「厄醒し編」で深まる謎
これまでのシーンを回想するような流れで、当初は描かれなかったキャラクターたちの裏側や思い描いていた気持ちのほか、2度目や3度目に繰り返されたような惨劇、仲間との約束など世界線が異なっていたはずなのに覚えていると思われる言葉、それぞれが抱えていた闇などにも触れられています。
「厄醒し編」では特に沙都子と梨花が抱えている闇や恐怖心、絶望や責任感などに触れられており、何度も繰り返している6月と綿流しの儀式とそれに伴う怪死事件、変えることのできない無力さや逃げられないことへの絶望、梨花を守り抜きたい沙都子と守れなかった悲しみ、起きてしまった最悪の結末が沙都子を襲います。
これまでに出てきた場所として、梨花が死んでいた神社のお賽銭箱付近、沙都子が錯乱して圭一を突き落とした橋なども再登場します。
これまでとは異なる仰々しい自衛隊による本格的な封鎖と全滅した村人たち、すべてを失って現実を受け入れられない沙都子はなんとか生き残りはしましたが、精神を病んでしまっています。
雛見沢大災害と呼ばれる事件で生き残ったのが圭一ではなく沙都子になっている変化も起きており解答編と言われる2期「ひぐらしのなく頃に 解」でありながら謎が深まっていきます。
作品の魅力や見どころ
本作「ひぐらしのなく頃に 解」は、いわゆる種明かし的な内容と事態の解決までを見届けられる内容になっています。
特に1期「ひぐらしのなく頃に」では因習村にまつわるホラー、サスペンス系の内容だったものが、2期「ひぐらしのなく頃に 解」で一気に政府や自衛隊、人外の存在や人間の思想を左右するかもしれない寄生虫と雛見沢症候群などの要素も合わさったSFホラーな内容も出てくるようになります。
物語の結末に迫っていく「祭囃し編」では、外見が古手梨花に似ていて黒い角が生えている古手羽入が実体化して登場します。
「羽入」は皆殺し編でも周りの者には見えていない状態で登場はしますが、本格的に実体化して圭一や沙都子らに協力するのは「祭囃し編」からとなります。
「祭囃し編」はいわゆるどんでん返しや復讐、黒幕へやり返して一矢報いて悪夢の連鎖から抜け出そうとする様子が描かれており、大石刑事も園崎家も村の人々も総出で助け合うような流れがあります。
国や政府、秘密結社を相手に2000人ほどの村が総出で立ち向かっていく展開はなんともいえない熱い展開で、それまでさんざん繰り返されてきた悪意、惨劇からの脱却を期待させるものでもあります。
最後の最後では黒幕による尻尾切りとも言えるような大きな陰謀との闘いに勝利した羽入や梨花、圭一らの喜ばしい姿や7月1日を迎えられた喜びを噛みしめる羽入と梨花の様子が映し出されますが、同時に沙都子の平穏な暮らしと園崎家の内部の変化、鷹野や富竹、赤坂、入江らの関係にもある意味での和解とも言えるような変化がありました。
雛見沢症候群に振り回されただけでなく、虐待に苦しみながらも生き延びてきた鷹野に差し伸ばされた仲間たちの手はとても感動的でした。
実行犯とはいえ、その鷹野の背景を知るとあの最後のシーンのまま亡くなって退場となるのはあまりに哀しく、本当の意味で大勢が救われたと言える結末で幕を閉じました。
非常に深く暗い闇と、人間たちの必死の抵抗と絶対に諦めないという心の強さ、若者の勢いとそれに重い腰を上げて変化の波に乗る様子も印象的でした。
放送年 | 2007年 |
話数 | 24話 |
キャスト | 前原圭一:保志総一朗 竜宮レナ:中原麻衣 園崎魅音/詩音:雪野五月 北条沙都子:かないみか 古手梨花:田村ゆかり |
スタッフ | 監督:今千秋 アニメーション制作:スタジオディーン 原作:竜騎士07、07th Expansion キャラクターデザイン・総作画監督:坂井久太 音楽:川井憲次 |
ひぐらしのなく頃に 礼(2009年)

これまでのシリアスでダークな内容を浄化するような内容で、特に1話「羞晒し編」と5話「昼壊し編」はギャグ回、サービス回とも言われています。
シリアスな展開はほぼなく、穏やかな日常系アニメとなっており、温かく平穏な日常を過ごす梨花や圭一らが描き出されています。
それに対して2話~4話「賽殺し編」では、再び…と言ってよいのか分かりませんが、別世界の比較的平和な世界線に梨花が入り込んでしまいます。
交通事故や羽入の介入により袋小路のループする世界線というわけではないようですが、再び別の世界を体験することになる梨花の落胆や悲しみ、特殊なカケラを通してしか羽入と会話ができないなどサスペンス風の少しシリアスな内容が描かれます。
作品の魅力や見どころ
1期や2期に比べるとかなり癒し系の内容となっています。プールで遊ぶ様子や富竹と鷹野のギャグキャラとしての活躍なども見られるほか、富竹の隠されていた上半身や入江の水着姿や大石刑事のぷよぷよのお腹が見える上半身を見せるシーンなど(ソウルブラザーズの登場)もあります。
「ひぐらしのなく頃に」で登場した入江機関のメンバーや兵士、鷹野たちと園崎家の詩音と葛西なども登場して圭一のパンツを脱がせないよう妨害します。
怪しい魔法の力が宿っていて圭一が時間が過ぎるまでにパンツを脱がないと自分だけ大好きなナルシストになってしまうという謎展開を終わらせるために周囲の大人も仲間も真剣に海パンを狙うだけの話は全体的に一切のシリアス展開はなく完全なギャグ回となっているのが見どころの一つです。
賽殺し編の展開とストーリー
「賽殺し編」は古手梨花が魔女という存在から人間に戻るストーリーで、長い間時間巻き戻しの中で生きてきた梨花が新たな困難にほぼ一人で立ち向かわないといけない話になっています。
誰も罪を犯していない世界線で、雛見沢症候群についての研究が認められている他、ダム戦争も起きずに時間が進んでいきます。
この話の大きな命題は、梨花と母親の関係にあり、元の世界に戻るために母親の体の中のカケラを取り出すか、誰も罪を犯していないカケラの世界に留まるかを決断しなければならない全く異なった世界の話になります。
これまで繰り返されてきた雛見沢症候群による悪夢を知っている梨花からすると新しい世界の異常性に追いつけていない様子もあります。
平穏すぎて疑心暗鬼になっているのかもしれませんが、ストーリーが始まってしばらくは羽入も出てこないため、謎が深まっていきます。
スピンオフや作者による二次創作的な展開ではありますが、古手梨花が複数の世界や時間を行き来してきたために、どちらの世界がより良い世界か、どちらが良い世界かと考えてしまう梨花が抱えて追い込まれている状態や本来の人間らしい考え方との違いについても触れられています。
レナや圭一、沙都子や魅音たちはどちらの世界が当たりの世界か、どちらの世界にいるべきかを考えること自体が普通の考え方ではないことを梨花本人にも時間巻き戻しを見慣れてしまった視聴者にも気づかせるような結末となっています。
梨花が1ヶ月寝込んでいた間、梨花は別の世界線を生きていたことになり梨花自身で母親に手を掛けてカケラを取り出したのかどうかは描写されていませんが、起きている事象がそれを意味しています。
しかし、羽入は梨花に対して夢を見ていただけということにして、魅音も三途の川の向こう側だという言い方をしており、事実上のハッピーエンドという展開に仕上がっています。
放送年 | 2009年 |
話数 | 5話 |
キャスト | 前原圭一:保志総一朗 竜宮レナ:中原麻衣 園崎魅音/詩音:雪野五月 北条沙都子:かないみか 古手梨花:田村ゆかり |
スタッフ | 監督:川瀬敏文 アニメーション制作:スタジオディーン 原作:竜騎士07、07th Expansion キャラクターデザイン:黒田和也 音楽:川井憲次 総作画監督:阿部智之 |
ひぐらしのなく頃に 煌(2011年)

「ひぐらしのなく頃に」の「礼」よりもギャグ方面に振り切った全く別の世界のお話となっているスピンオフ作品で、10周年記念のOVAとして公開された作品です。
- file.01 罰恋し編 -喜-
- file.02 妖戦し編 -努-
- file.03 結縁し編 -愛-
- file.04 夢現し編 -楽-
「ひぐらしのなく頃に 煌」は、全編4編を通してコメディやパロディ要素が強く、圭一の所属する部活を通じての遊びや罰ゲーム、なぜか魔法少女に変身した「オヤシロリカ」が世界を守るために戦い始めるぶっとんだ展開、詩音・レナ・魅音が圭一に恋をして圭一を奪い合う恋愛バトルなどが描かれます。
シリアスな展開で、それぞれの裏の顔や悲しい結末を知ってから見ると深みが増して魅力的です。
作品の魅力や見どころ
本作はシリアス展開は一切なく、心穏やかに視聴できます。特に「file.04 夢現し編 -楽-」では、本編であまり登場しなかった上に謎の多い「古手羽入」がお留守番をしながら突如現れた4歳の梨花のお世話をする内容があり、謎の多い2人の様子を少しだけ深めて知れるかもしれない回もあります。
「file.02 妖戦し編 -努-」に登場した魔法少女「オヤシロリカ」は公式からMMDデータが配布されているほどの人気ぶりでほんの1話しかアニメになっていないにも関わらず人気が高いキャラクターです。
コメディやゆるい日常系アニメになっているため見どころという見どころはあまりないですが、ネタとして昇華されているシーンが多く、シリアス展開に疲れた心を癒やすのにちょうどよい作品です。
放送年 | 2011年 |
話数 | 4話 |
キャスト | 前原圭一:保志総一朗 竜宮レナ:中原麻衣 園崎魅音・詩音:雪野五月 北条沙都子:かないみか 古手梨花:田村ゆかり |
スタッフ | 監督:橘秀樹アニメーション 制作:スタジオディーン 原作:竜騎士07キャラクターデザイン:阿部智之 音楽:川井憲次、菊谷知樹 総作画監督:阿部智之 |
ひぐらしのなく頃に 業(2020年)

1期「ひぐらしのなく頃に」と2期「ひぐらしのなく頃に 解」に続く新作続編で、以下の5つに分かれています。
- 鬼騙し編
- 綿騙し編
- 祟騙し編
- 猫騙し編
- 郷壊し編
本作「ひぐらしのなく頃に 業」では、北条沙都子と古手梨花が過去の記憶を継承しているため「鬼騙し編」、「綿騙し編」、「祟騙し編」あたりまでは前作と似たような展開がありつつも、ストーリーに大きな違いがあります。

1期「ひぐらしのなく頃に」と2期「ひぐらしのなく頃に 解」に比べるとキャラクターの作画が大きく変わっていますが、声優陣はほぼ変わっていないためリブート、リメイクと新しいストーリーを楽しめる展開です。
新しい作画で描かれる雛見沢症候群の発症者と再び起こる惨劇、その惨劇を避けるために梨花や沙都子らが試行錯誤する様子が描かれるのが全体的なストーリーです。
作品の魅力や見どころ
各回で起こる事象が全く異なり、1期「ひぐらしのなく頃に」と2期「ひぐらしのなく頃に 解」の展開とも大きく異なる内容が描かれます。
1期と2期の続編でありながら、記憶を継承している梨花と沙都子の存在が鍵となっていきます。
- 鬼騙し編:レナが雛見沢症候群を発症し、死亡
- 綿騙し編:圭一以外の部活メンバーらが死亡
- 祟騙し編:圭一・レナ以外の部活メンバーが死亡
- 猫騙し編:梨花・沙都子・エウアがカギとなる新展開
- 郷壊し編:沙都子が時間巻き戻し能力を獲得
これまでは梨花が羽入の関わりもあって時間巻き戻しを使用して同じ時を繰り返していましたが、羽入の力が弱まったためか、エウアが登場してからは沙都子が時間巻き戻しの力を手にしています。
雛見沢症候群のL5の発症を誘発させるH173の存在、沙都子が「特異脊髄標本LD3105号」と呼ばれることなどから「うみねこのなく頃に」と関わりが深いかのような展開が描き出されます。
放送年 | 2020年 |
話数 | 24話 |
キャスト | 前原圭一:保志総一朗 竜宮レナ:中原麻衣 園崎魅音/園崎詩音:ゆきのさつき 北条沙都子:かないみか 古手梨花:田村ゆかり エウア:日高のり子 |
スタッフ | 監督:川口敬一郎 原作:竜騎士07、07th Expansion アニメーション制作:パッショーネキャラクターデザイン・総作画監督:渡辺明夫 音楽:川井憲次 |
ひぐらしのなく頃に 卒(2021年)

3期「ひぐらしのなく頃に 業」に対する解答編となるのが本作で実質4期としての位置づけにあります。
3期の「ひぐらしのなく頃に 業」で起きていた事件や惨劇の裏側で誰が何を考えていたのか、黒幕は誰だったのかといった謎にも踏み込まれていますが、結末としては未だすべてが明かされたわけではなく、何か特別な力を持つ人間以外のエイリアンとも妖怪とも言えない存在に振り回される梨花や沙都子の様子が描かれます。
もちろん、梨花や沙都子がともに争い合えば、自覚も記憶もないにしても雛見沢村の人々も同じく影響を受けますが、実態としては「梨花&羽入」と「沙都子&エウア」の戦いという構図になっていきます。
鍵となるのは神剣「鬼狩柳桜」で、作中でも出てくる「繰り返す者」を殺すことができる古代から伝わる重要な品です。大昔に鬼と人が戦っていた頃に封印されたものでもあり、オカルトチックな話が本格的に真実味を帯びてくるカギとなるアイテムでもあります。
沙都子と梨花は争い合っているように描かれますが、沙都子も梨花も互いに穏やかに一緒に暮らせるように願って何度も「繰り返す者」として戦う哀しい運命に巻き込まれています。
作品の魅力や見どころ
本作では、梨花と沙都子の高校生活から生まれてしまった2人のすれ違いや劣等感、幼い頃からの記憶と少し大人に成長した2人の心の変化などから、梨花と沙都子が争うことになってしまいますが、特に沙都子の「繰り返す者」としての能力の使い方がえげつないため、ストーリーも惨劇を繰り返すような展開となってしまっています。
「業」と「卒」の黒幕はエウア|エウアは何者なのか?
「ひぐらしのなく頃に」の3期「業」と4期「卒」の数々の事件の首謀者は、急に現れた謎の美女で、「エウア」と沙都子が名付けたキャラクターです。
同じ作者による「うみねこのなく頃に」に登場する「フェザリーヌ・アウグストゥス・アウローラ」という名前のキャラクターと「エウア」は外見がとても似ており、同一の存在とは明言されていませんが、全くの無関係とも言えないのではないかと考えられます。
公式には何も明かされていませんが、フェザリーヌが魔女なのか、鬼なにか、神なのかは不明です。それでも時間巻き戻しの能力などに関しては「羽入」よりも力が強く、惨劇を起こす人間たちの様子を楽しんでいる様子が多く描かれていることから、人間の敵であることは明確と考えてよいでしょう。
沙都子は利用されただけの被害者でもある
これまでのシリーズの中で「北条沙都子」は家族との関係、友達との関係などで劣等感を抱える要因が非常に多く、常に誰かに憐れみの眼差しで見られていると感じてしまってもおかしくない状況に置かれていました。
そんな沙都子と憎まれ口をたたき合いながら対等に、一緒に遊んでくれたのが前原圭一や古手梨花でした。
沙都子や梨花が高校に進んでから、沙都子は彼女の心の平穏を保つために欠かせない存在との交流が減ってしまう他、梨花との関わり方も変わってくる上、思春期や反抗期といった成長過程のさまざまな変化とも向き合わなければいけない状況に置かれます。
そんな不安定な沙都子に目をつけたのが「エウア」で、沙都子は「エウア」のネジ曲がった性根と狂った価値観の犠牲になった形で本作「卒」のストーリーが描き出されています。
梨花・沙都子の殴り合いと仲直り
「卒」の最終話では、梨花と沙都子は互いに殴り合って本音をぶつけ合っており、まるで友情&青春学園アニメのような展開になっています。
梨花と沙都子の本音と異なる夢がぶつかり合いながらも「一緒にいたい」という思いは同じなのが特徴的で、熱血・友情バトル展開が描かれます。
沙都子はこれまで周りの言う事を聞かされたり、ただ言いなりになったりしてきた人生でしたが、時間を何度も繰り返してでも、憎まれ口を叩いてでも、梨花に本音で口でも肉体でもぶつかり合いながらやりあえるほどの関係になっているのが微笑ましくもあります。
少し大人になった魅音やレナ、圭一らが友情や人間関係についてそれぞれの気持ちや感覚を共有しながら、梨花や沙都子の心も育っていく様子が描かれるのも感動的です。
かなり多くの時間と人々を巻き込んで落ち着いた様子ですが、そこまでの過程が想像できないほど非常に長く、とんでもない遠回りでした。必ずしも近道が一番の道とは言えないことなど学びも多い内容となっています。
羽入とエウアのSFバトル展開
エウアとのバトルの中で、羽入は圧倒されていましたが、梨花が沙都子を殴りまくる時に落とした神剣「鬼狩柳桜」を羽入が受け取り、「エウア」の角に傷をつけたことで「エウア」は体が縮みバトルは終了しています。
ジャンプアニメのようなバトル展開が描かれていましたが、「エウア」の去り際はわりとあっさりしたものでした。結果的には「羽入」が異物とも言える「エウア」を退場させたことで、さらなる悲劇は防がれました。
幸せになれた「沙都子」の物語の終焉
「羽入」と梨花の繰り返し起こされる悲劇に苦しまされた沙都子らが本当の意味での幸せになれる様子でエンディングを迎えており、鉄平おじさまと、部活メンバーで集まっての食事、北条悟史の目覚めなどまだまだ続きはありそうでしたが、最後はハッピーエンドとなっていました。
放送年 | 2021年 |
話数 | 15話 |
キャスト | 前原圭一:保志総一朗 竜宮レナ:中原麻衣 園崎魅音/園崎詩音:ゆきのさつき 北条沙都子:かないみか 古手梨花:田村ゆかり エウア:日高のり子 |
スタッフ | 監督:川口敬一郎 原作:竜騎士07、07th Expansion アニメーション制作:パッショーネ キャラクターデザイン・総作画監督:渡辺明夫 音楽:川井憲次 |
アニメとあわせて見てほしい「ひぐらしのなく頃に」関連作品
アニメ「ひぐらしのなく頃に」の「業」と「卒」になってから登場した「エウア」は同じ作者の作品「うみねこのなく頃に」に出てくる登場人物と似ています。
また、沙都子やその他のキャラクターについても「うみねこのなく頃に」の作品と似ているキャラクターが複数登場するため、今後の展開が気になる方は「うみねこのなく頃に」についても履修しておくことをおすすめします。
うみねこのなく頃に

「うみねこのなく頃に」シリーズはゲーム、漫画、小説なども制作されており、舞台の他、アニメ展開もされています。
作中の時代は1986年で、「ひぐらしのなく頃に」と時代的にはつながっていてもおかしくない設定です。
大富豪の右代宮一家に巻き起こる遺産相続や魔女ベアトリーチェとの取引などにまつわるホラー・サスペンス風の濃密なストーリーが印象的です。
台風で島に閉じ込められた右代宮一家が遺産相続の問題を巡って反目しあう中、連続殺人事件が起こり、生き残りをかけて犯人探しをしていく展開があります。
犯人は人間なのか、魔女ベアトリーチェなのか謎が謎を呼ぶザワザワ感が止まらない作品です。
作品の魅力や見どころ
ストーリーが難しく、ややこしいため何度か見たほうが理解が早いですが、基本的には1998年の縁寿目線の展開と、事件が起こっていた1986年ごろの話が混ざって語られていきます。
作品を見ていくことそのものが謎解きになっており、視聴者は答えが明かされるまでもやもやした状態が続くことになるでしょう。
「ひぐらしのなく頃に」シリーズとの関連性はないと言って良さそうですが、謎解きの答え合わせに関してはスッキリしない形で終わっています。視聴者が自分で謎解きをしながら、自分自身で納得する必要のある構成になっているのも特徴的です。
エンディングの話、謎解きの答えをどうしても理解したい方は小説ではなく、いろいろと踏み込んだ内容や詳細な話もあるような内容が明かされている「漫画版」を履修するのが最適です。
アニメ「ひぐらしのなく頃に」とは直接関連はないと言われている作品ですが、作者が同じで似たようなキャラクターがいるため、両方ともに視聴するのがおすすめです。
放送年 | 2009年 |
話数 | 26話 |
キャスト | 右代宮戦人:小野大輔 右代宮朱志香:井上麻里奈 右代宮真里亞:堀江由衣 右代宮譲治:鈴村健一 紗音:釘宮理恵 |
スタッフ | 監督:今千秋 原作:竜騎士07、07th Expansion アニメーション制作:スタジオディーン キャラクターデザイン:菊地洋子 |
実写版「ひぐらしのなく頃に」(2008年)

「鬼隠し編」を原作とした作品で、アニメ「ひぐらしのなく頃に」を履修していないと、どうしてこんな惨劇が起きているかわけがわからないまま終わってしまう内容になっています。
雛見沢村に引っ越してきた前原圭一が雛見沢症候群を発症して魅音とレナを撲殺しまう展開ですが、アニメで見ていてもそこまで見ただけでは何も意味がわからないストーリーであるため、単発の実写映画としては未完の作品と言えます。
演じた登場人物も原作やアニメのキャラクターのイメージと大きく異なるため、アニメを見た人にとっては、いまいち満足できない人選と演技となっています。
実写映画としてはよくあるホラーサスペンス映画と言った感じですが、若干B級映画にも届かなかった感じの作品にもなってしまっています。
仕方がないことですが、物語として完結しておらず、ただ狂ってしまった青年が同級生を撲殺して終わりという内容で、初見の人は置いてけぼりになります。
作品の魅力や見どころ
本作の一番の魅力は雰囲気が非常に作り込まれており、言葉にできない意味の分からない不安や謎の存在に追い込まれていくような恐怖、はっきりと何かは分からないまま凄惨で恐ろしい事件が起きる深い謎が残されるという意味では、より作中の雛見沢村の人々が感じていたとも思えるような恐怖を、視聴者に体感させるものとなっていました。
雰囲気ホラー作品として、その村全体の雰囲気の作り方についてはホラー映画好きにも満足してもらえるものとなっているでしょう。
演技やセリフについては、残念ながらがんばっているのは伝わるものの、アニメで声優たちが演じていたのに比べるとどうしても取ってつけただけのようなものが多く、不自然な学芸会や演劇っぽさが強くなっています。
放送年 | 2008年 |
上映時間 | 106分 |
キャスト | 前原圭一:前田公輝 園崎魅音:飛鳥凛 竜宮レナ:松山愛里 古手梨花:あいか 北条沙都子:小野恵令奈 |
スタッフ | 監督・脚本:及川中 原作:竜騎士07 音楽:川井憲次 制作:アルチンボルド |
実写版「ひぐらしのなく頃に 誓」(2009年)

「罪滅し編」を原作としており、レナが沙都子の叔父「鉄平」を殺害して仲間たちとともに林の中に埋めて隠した他、雛見沢症候群を発症して学校に立て籠もって暴れたりするレナが描かれました。
アニメにあったようなハラハラとした緊張感あふれる描写もありつつ、レナが警察らに要求する内容がはっきりしていることから、事件が起きている理由も明確で若干分かりやすく、前作に比べるとホラー・サスペンス要素があるちゃんと納得して見終えられる映画になっています。
作品の魅力や見どころ
作品タイトル「誓」は、レナが殺害して隠そうとした「鉄平」らを林に埋めたことを仲間同士で隠しごとにすることを約束したことをさしているとも取れるタイトルで、すでに原作アニメを見た人にとっては分かりやすい名称です。
レナの暴走の様子、アニメとは異なるエンディングとなっていましたが、これはこれで実写映画としては満足できる内容でしっかりとホラー作品として仕上がっています。
ホラー要素・グロ描写はあるにはありますが、アニメに比べるとそこまで目を背けるほどではありません。アニメを履修してから本作を見るのがおすすめです。
理想的なのは、アニメ「ひぐらしのなく頃に」シリーズをすべて見てから本作を見たほうが話がすんなり入ってきて、実写映画を単体の作品として楽しめます。
放送年 | 2009年 |
上映時間 | 108分 |
キャスト | 前原圭一:前田公輝 竜宮レナ:松山愛里 園崎魅音:飛鳥凛 古手梨花:あいか 北条沙都子:小野恵令奈 |
スタッフ | 監督・脚本:及川中 原作:竜騎士07、07th Expansion 音楽:川井憲次 制作:アルチンボルド |
「ひぐらしのなく頃に」をもっと楽しむために
ホラーやサスペンス系の難解なストーリーや繰り返される惨劇、まるでリセットされている世界を見続けているようなシーンが多く、理解するのが難しい作品ですが、それでもちょっとした事情を知るだけで本作品をもっと楽しめるようになります。
電話中に10円玉を入れているのはなぜ?
本作に登場する公衆電話は昭和の頃にあった古いタイプのもので、平成の後半には田舎からもほとんどなくなってしまったものです。
令和になるとスマートフォンの普及で公衆電話そのものがほとんどなくなりましたが、「ひぐらしのなく頃に」の時代設定は「昭和58年(1983年)」で、2025年時点の現在からだと42年前となります。
この時の公衆電話の使い方に関しては
- 受話器を取る
- お金をいれる
- 番号を入力する
という順番で操作して電話をかけることができました。通話できる時間は入れたお金と通話先によって長さが異なり、固定電話にかける場合は10円56秒、携帯電話にかける場合は10円15秒ほど通話が可能です。
時間帯によっても通話できる長さが変わるため、長話になりそうな場合は10円を追加して通話時間を伸ばす必要がありました。
1998年時点では携帯電話やPHSの普及率は約37%ほどで、2025年時点では屋外でも連絡を取り合うのに不便を感じることはほとんどありません。
2006年にアニメ化された「ひぐらしのなく頃に」の作品ではこうした時代背景がきちんと反映されています。
「出題編」と「解答編」という構成
アニメ本編では明確に「出題編」と「解答編」が区別されているわけではありません。それぞれ数話ずつ、雛見沢症候群の惨劇に巻き込まれて悲しい事件が起きる様子が何度か繰り返される特徴的な展開で、謎が謎のままホラーやサスペンス作品として一応の帰結を迎えるのが「出題編」です。
それぞれの「出題編」に対して惨劇や悲劇の裏側や犯人が何を考えていたのかが描かれるのが「解答編」といわれるものです。
「解答編」ではすべての答えが分かるわけではなく、雛見沢症候群を発症して発狂してしまった者たちの背景や暮らし、苦しんできた過去などに触れられていることが多く、悲劇を起こしてしまった者に同情してしまうような展開も多いです。
1期「ひぐらしのなく頃に」と一応の完結を迎える2期「ひぐらしのなく頃に 解」を履修してもすべてを理解できるわけではなく、雛見沢症候群を振り回され、同じ6月を繰り返していた輪廻から抜け出しただけで、雛見沢症候群の根本的な原因や病気の治療法、回復方法ははっきりしておらず、羽入の存在が何なのかについても明らかにならないまま話が終わってしまっています。
雛見沢村のモデルは岐阜県の「白川郷」
雛見沢の村(鬼ヶ淵村)のモデルと言われているのは、岐阜県の世界遺産「白川郷」です。閑静な田舎街が残されている村で、水車小屋や田舎道、バスの停留所なども似たような建物があります。
道の作りや山道の雰囲気、村の雰囲気はまさに白川郷そのものと言っても良い所があり、Google Mapのストリートビューでも似たような場所を確認できます。
白川八幡神社
古手神社のモデルとなった神社で、建立されたのは708年頃とされており、非常に歴史が長い神社です。毎年10月14日頃には天下の奇祭「どぶろく祭り」も開催されます。
和田家
国指定重要文化財に登録されており、周囲には現地住民の方が生活しているため配慮が必須ですが、一部一般公開されており、歴史的価値が高い合掌造りの建物が見られます。白川郷の村長の家だったなど「ひぐらしのなく頃に」のストーリーと重なる要素もあります。
荻町城跡展望台
白川郷全体を見渡せる展望台で、「ひぐらしのなく頃に」作中にも登場した風景を拝むことができます。合掌造りの建物と田園風景、深緑の山々が合わさった非常に美しい景色を満喫できます。
白川クリーンセンター
「ひぐらしのなく頃に」に登場した前原圭一の家のモデルで、道の駅「白川郷」の近くにあります。施設はゴミ回収業で本作品を知らない人にとっては観光目的となる要素がないため、現地でこの建物に注目していれば「ひぐらしのなく頃に」のファン認定されます。
飯島八幡神社
「ひぐらしのなく頃に」のオヤシロ様の重要施設とも言える「祭具殿」のモデルとなった建物がある神社です。天下の奇祭「どぶろく祭り」が10月18日頃に開催されます。
道の駅「白川郷」からかなり近い場所にあり、白川クリーンセンターとの距離も150mあるかないかくらいの場所にあります。