時は文化文政、所は江戸。華やかな町の裏には、人の姿をしながら人を食う鬼がはびこっていた。対抗するは、鬼を見分けて退治するつわもの集団「鬼御門」。そこを5年前に抜けて舞台役者をしている病葉出門は、記憶喪失の渡り巫女・つばきに一目惚れする。

「阿修羅城の瞳」は、滝田洋二郎監督による映画化作品で、劇団☆新感線の人気演目を基にしています。主演は歌舞伎界のサラブレッド、7代目市川染五郎が務めています。運命の恋人が最強の敵という設定のもと、切なくも激しい歌舞伎風のアクション時代劇が展開されます。映画はケレン味あふれる世界観と、心地よいせりふ回しで観客を引きつけます。これは、滝田監督の「陰陽師」にも通じる独特の世界観を持つ作品と言えるでしょう。