ひなびた温泉街の旅館の息子・サトシは、小学5年生。自身の体の変化に悩み、女好きの父親に反感を抱いていた。そんなある日、美しい少女・コズエが転校してくる。言動がどこか不思議なコズエにサトシは困惑するが、次第に彼女に魅せられていく。

「まく子」は、西加奈子の傑作小説を映画化した作品です。鶴岡慧子監督の繊細な感性が光り、原作のエッセンスを忠実に抽出し、登場人物の心の揺れを丁寧に描き出しています。物語は、信じることや変化を恐れないこと、許すことの強さを教えてくれる再生と感動の物語です。観る者に深い思索と感動を与える、見ごたえのある作品となっています。