父親と2人で暮らす中学生・育美は、授業で「将来の夢」について考えるという課題が出ても、自分の未来を想像できずにいた。「母のような立派な人になりたい」という友人の発言をきっかけに、育美は亡き母親がどんな人間だったのか興味を抱き始めるが…。

「ドレッシング・アップ」は、破壊衝動を内に秘めた思春期の少女が主人公の衝撃作です。彼女はある日、自身の母親がかつて殺人犯であったことを知ります。その事実に直面した彼女は、自らの内なる怪物と向き合うことになります。その葛藤の過程を丁寧に描き出しています。主演の祷キララの鋭い視線が物語を引き立て、視覚的なインパクトを与えています。心の内に獣を飼う少女の変容を描いた本作は、親の過去と子の成長、そして人間の内面に潜む獣性を問いかける作品となっています。